1952年に設立された、数ある早稲田大学公認サークルの中でも歴史のあるサークルです。2012年に創立60周年を迎えました。国内外への旅行、鉄道模型運転会など、鉄道や交通、旅行などに関する活動を定期的に行なっています。鉄道をはじめとして交通・旅行などに関心があれば大歓迎です。鉄道マニアでなくてもまったく問題ありません。ぜひ一度、部室に遊びにいらしてください。お待ちしています!
謎解きで熱くなる鉄道旅2018第3弾
俺×青春18きっぷ×鉄研=青春
大学鉄道研究会にチャレンジ
青春18きっぷとは
年齢にかかわらず、全国のJR線普通・快速列車の普通車自由席が一日乗り放題のきっぷ。5回分が1セットになっている。ねだんは11850円。同一行程なら、最大5人まで同時に利用できる。全国のJRの主な駅のみどりの窓口、旅行会社、指定席券売機でも購入可能。
発売時期・利用期間
冬
- 利用期間
- 2018年12月10日~2019年1月10日
- 発売期間
- 2018年12月1日~2018年12月31日
春
- 利用期間
- 2019年3月1日~2019年4月10日
- 発売期間
- 2019年2月20日~2019年3月31日
今回のテーマ
今回は大学の鉄道研究会に青春18きっぷを使うMISSIONを考えてもらい、さらにそのMISSIONを解くべく、冬の青春18きっぷを使って実際に旅に出てもらいました! そのMISSIONと解答を公開。MISSIONの公開から回答の公開までは期間があるので、ぜひみなさんもいっしょにチャレンジしてみてください♪
鉄道研究会の紹介
新潟大学鉄道研究部(略称:新大鉄研)では日々の旅行から昔の車両の保存活動まで色々な活動をしています。創部37年と比較的歴史のある部活です。
立命館大学鉄道研究会は、鉄道を主とした公共交通を研究するサークルです。機関誌『ポイント』を制作する研究活動・フィールドワークや、11月の学園祭、各種イベント出展や関西学鉄連主催イベントへの参加など、年間を通してさまざまな活動をしています。
鉄道の達人にチャレンジする
MISSION
出題:早稲田大学
青春18きっぷを使い、名所名産を堪能しながら「近畿以上北陸未満」なあの地域を旅しよう!
- 交通費
- 「青春18きっぷ」1回分+990円以内
JR在来線の快速・普通列車の普通車指定席および第三セクター鉄道線・私鉄線・バスなどJR在来線以外の交通機関を利用する場合の運賃・料金。宿泊費・飲食代などは含まない
- 旅の日程
- 土日祝日が望ましいが、平日でも実行可能(12/29~1/3は不可)
- 出発駅
- 京都駅
- 到着駅
- 京都駅
- 条件
-
- 実行可能日程をヒントに、○○本線上のとある駅にある、鉄道に関係する博物館に行く。
- ○○本線上の特定の駅で、駅弁「元祖○○し」を買う。この駅弁のメインの食材は、○○本線の起点駅から○○○本線で1駅東に進んだ所が最寄りの施設で養殖されている種と同一である。
- ルートの一部は「○街道」として、現在も全国的に食される食材の京への運搬に、鉄道がない時代供されていた道である。
- このルートには、2種類の魚が関係している。
- ルート上には、ある特殊な区間が存在する。アルファベットの「X」がヒント。
- ルート上の駅のうち2駅が、平成の間に30年で2字駅名から5字駅名に改称されている。
- 通過する鉄道駅に含まれる数字の和は「21」である。
- このルート上ではバスに乗車するが、このバス路線にはJR西日本各線との間に普通旅客に対する連絡運輸が設定されている。
- 京都市内で、通ってきた「○街道」ゆかりの食材を楽しむ。
旅のレポート&解答
レポート:立命館大学
考察
近畿以上北陸未満という限られた範囲の中であるので、正直「地元を旅してもなー」とあまり乗り気ではなかった。しかし、ミッションを解いていくうちに、だんだんといつもとちがう旅ができるのではないか、という期待が膨らんできた。
ミッションを解くうえで、まず注目したのは【⑧バスに乗車する】である。JRとの連絡運輸が設定されているということは、ジェイアールバスだろうと考え、西日本ジェイアールバスの路線を調べてみる。すると京都市内を走る「高雄・京北線」、福知山駅と園部駅を結ぶ「園福線」、福井県の小浜駅と滋賀県の近江今津駅を結ぶ「若江線」、それに金沢周辺を走る路線があるということが分かった。テーマの“近畿以上北陸未満”から、金沢の可能性はなく、福知山周辺もないと考えた。残る2路線のうち「高雄・京北線」は2016年に連絡運輸が廃止されたため、「若江線」を使い、小浜方面へ行くと判断した。
あとは残りを順番に解いていく。【①○○本線、鉄道に関する博物館】このあたりで○○本線というと北陸本線。この路線上に鉄道博物館は「長浜鉄道スクエア」の一つしかない。【②駅弁元祖○○し】ヒントは「○○本線の起点駅から○○○本線で1駅東に進んだ所が最寄りの施設」。とすると、北陸本線の起点駅である米原駅から、○○○本線=東海道本線で、1駅東に進んだ醒ヶ井(さめがい)駅にある滋賀県醒井養鱒場が出てくる。駅弁の答えは「元祖鱒寿し」となる。【③○街道】は食材の運搬というところから、日本海で獲れる魚を運ぶ街道ではないかと目星をつけ、調べていくと「鯖街道」と分かった。【④このルートには、2種類の魚が関係している】鯖街道は、どうやら鯖と鯛が関係しているということが分かった。【⑤ある特殊な区間】北陸本線で特殊な区間といわれ、まずピンと来たのは敦賀駅~南今庄駅間の「デッドセクション」だったが、小浜線に行くには少し遠い。もうひとつ思いついたのは、敦賀駅と新疋田駅間の「ループ線」だった。線路同士がクロスしているため、ヒントのXにも合うので間違いないだろう。【⑥平成の間に30年で駅名が2文字から5文字に改称された2駅】は1994年に「叡山駅」から改称された「比叡山坂本駅」と、2008年に「雄琴駅」から改称された「おごと温泉駅」の2駅。【⑦通過する鉄道駅に含まれる数字の和は「21」である】琵琶湖線、小浜線の2路線にある「近江“八”幡駅」「“三”方駅」「“十”村駅」の3つで合計は21となる。
これらをすべて合わせると、バスを組み込んだ大回りの行程が浮かび上がってきた。
出発
京都駅 9:30
米原駅を過ぎたところで、乗車列車(223系)と、東海道線を東に向かう列車(313系)、上り東海道新幹線こだま(N700系)が3列車同時に出発して並走し、複雑に交差して分かれていき、感動だった。また、車窓から見えた伊吹山の中腹に雪が積もっていた姿が綺麗だった。
長浜駅 10:40
長浜鉄道スクエアは、現存する最古の駅舎「旧長浜駅舎」を中心とした保存展示施設。鉄道の歴史を楽しく学ぶことができる。
過去に実際に走っていた鉄道の展示や、北陸線の電化・デッドセクションについての資料が多く興味深かった。
駅弁「元祖鱒寿し」を昼食として長浜駅で食べる予定だったが、長浜駅のホームの売店では売切れなのか販売されておらず、昼食は敦賀駅で別のものを食べることに急遽変更した。
敦賀駅 13:24
途中駅で、安全確認を行なったため9分遅れで到着。
ここから小浜線のは125系に乗車した。
今回の旅で最も印象に残っている列車で、まず普段125系に乗車する機会がないため、新鮮だった。また、車両の中間部分には、補助イスが設置されており、その間隔も狭く、なぜここだけ補助イスなのか、面白いと感じた。
沿線は、少し雪を被ったのどかな田園地帯が広がっており、旅情を楽しむことができた。
次回以降乗車する機会があれば、小浜以西の車窓に日本海が広がる区間まで行ってみたい。
上中駅 15:23
敦賀駅で遅れていた下りの特急サンダーバードからの乗り換え客待ちによって13分遅れたため、上中駅の到着も遅れてしまい、残念ながらジェイアールバスに乗り継げなかった。そのためバスから列車利用にコース変更。
敦賀駅 16:37
米原駅 18:10
午前中に長浜駅で「元祖鱒寿し」を食べることができなかったので、乗り継ぎの時間を利用して駅ナカの井筒屋へ。だがなぜか店が閉まっており、ここでも買うことができず、けっきょく「元祖鱒寿し」は食べることはできなかった。
四条駅 19:19
「とろさば料理専門店SABAR鯖街道京都烏丸店」で、通ってきた鯖街道の名前の由来である鯖を食す。
「とろさば」という言葉を初めて耳にした。今回は、「さばのしゃぶしゃぶ まるごと柚子鍋コース」を注文したが、青魚独特の臭みがなく、しっかりとしたさば本来の味を体験できた。
コースなので、刺身、焼など様々なさば料理を食すことになったが、すべて鯖がメイン食材とは思えないほど多彩な味で飽きがこなかった。
普段食べるしゃぶしゃぶは、肉がメインのものが多いが、鯖がメインのものは初めてで新鮮だった。
鉄道だけでなく食にも感動な旅であった。
行程
↓JR東海道本線・北陸本線(琵琶湖線)
↓新快速 米原方面長浜行き
長浜駅 10:40着
~長浜鉄道スクエア~
長浜駅 12:11発
↓JR北陸本線
↓新快速 近江塩津行き
近江塩津駅 12:34着/13:10発(遅れ9分)
↓JR北陸本線
↓新快速 敦賀行き
敦賀駅 13:24着/14:33発
↓JR小浜線
↓東舞鶴行き
上中駅 15:23着/15:44発
↓JR小浜線
↓敦賀行き
敦賀駅 16:37着/16:59発
↓JR北陸本線
↓普通 近江今津行き
近江塩津 17:15着/17:29発
↓JR北陸本線
↓長浜行き
長浜駅 17:52着/17:57発
↓JR北陸本線(琵琶湖線)
↓新快速 播州赤穂行き
京都駅 19:12着/19:15発
↓京都市営地下鉄地下鉄烏丸線
↓国際会館行き
四条駅 19:19着
~とろさば料理専門店SABAR鯖街道京都烏丸店~
↓徒歩
京都駅
感想
鉄道研究会に所属していて、列車や路線を目的地にすることはあっても、沿線の街道をテーマにしたことはなく、「鯖街道」という街道をテーマにした行程は面白いと思った。「鯖街道」という言葉自体を知らなかったため、調査に苦労した。
近畿以上北陸未満という狭い範囲の中で、有名な場所や、特徴的なルートを通っており、また地の産品を食することができる日帰りながら楽しめる行程で、さすが鉄道研究会が考える行程という感じがした。(立命館大学 鉄道研究会)
解答
- 長浜鉄道スクエア。ルート上において伏字2字の本線は北陸本線のみであるので、北陸本線上に存在する12/29~1/3のみ休業の鉄道資料館(博物館)は長浜鉄道スクエア。
- 先述の通り、2字の本線は北陸本線。「北陸」本線の起点駅は米原駅なので、そこかから分岐する3字の本線は「東海道」本線。この東海道本線で米原駅から1駅東に進んだ醒ケ井駅が最寄りで、かつ食用となりうる品種を養殖する施設は、「醒井養鱒場」のことである。すなわちこの駅弁のメインの食材は鱒であり、答えは「元祖鱒寿し」と分かる。
- ルートの一部である西日本ジェイアールバス若江線は、その一部において「鯖街道」と呼ばれている区間を通る。古来若狭湾で獲れた鯖は、小浜からこの道を経て京都へと運ばれた。
- ②、③より、鯖と鱒である。
- 北陸本線新疋田~敦賀間のループ線を指す。通称「鳩原(はつはら)ループ」と呼ばれ、アルファベットのXを描くアングルで上下線が交差するシーンを抱える。
- 比叡山坂本駅は1994年に叡山駅から、おごと温泉駅は2008年に雄琴駅から改称されている。
- 近江「八」幡、「三」方、「十」村、「三」条の計21。
- 西日本ジェイアールバス若江線にはJR西日本各路線との間に連絡運輸が設定されている。
トレたび編集室より
青春18きっぷ第3弾、いかがでしたでしょうか? 今回はまさに青春を過ごす大学生のみなさんに協力してもらって記事をつくりました! 青春18きっぷに興味のある人にも、鉄道研究会に興味のある人にも楽しんでほしいと思い、この企画を考えました。青春18きっぷに年齢制限はありません。いくつになっても青春を楽しみましょう!
予定どおりいかなくても慌てることなく別ルートで対応するところや、相手校をうならせる行程であったなど、さすが鉄道研究会の対決!! と感動しました。トレたびでは、ほかにも青春18きっぷのおすすめの旅を紹介しています。下の「青春18きっぷの旅一覧へ」からぜひご覧ください!