『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
白神山地の山々など世界遺産核心部を望むことができる、標高1,086mの二ツ森。例年10月下旬が紅葉の見頃。
TEL.0185-76-4100(八峰町観光協会)。ガイドの問合せはTEL.0185-70-4211(白神ネイチャー協会)へ
例年、10月中旬あたりから白神山地は紅葉まっ盛り。艶やかな紅葉をはじめ、恋のパワスポや手作り体験など、女子力UPしそうな旅へご案内。
まずは、秋田駅から奥羽本線・五能線などで北上、八森駅で下車しよう。車で約5分の白神山地案内所「ぶなっこランド」で情報を手に入れたら、さらに車で約45分の二ツ森登山口へ。ここから、紅葉の二ツ森山頂へ、いざ50分ほどのトレッキング! 二ツ森は世界最大級のブナ林が一望できるうえ、駒ヶ岳、岩木山などの山々や日本海を遠望できる絶景トレイルだ。「山ガールじゃない私は……」という方は登山口近辺を散策するだけでも、世界遺産の雰囲気にふれられる。
下山後は五能線で再び北上し、あきた白神駅で下車。駅隣接の「緑地等管理中央センター」では、なんと白神山地で発見された「白神こだま酵母(R)」を使ってのパン作りが体験できちゃう。
初日ラストはウェスパ椿山駅まで上がり、お待ちかね、絶景の黄金崎「不老ふ死温泉」へザブン。黄金色の湯をたたえた露天風呂は、海岸と一体化していて、目の前には日本海の雄大な水平線が! 潮騒をBGMに沈む夕陽を眺めて、ぼーっとする贅沢ときたら……。
黄金崎不老ふ死温泉で朝風呂を満喫したら、同館の前から出ているバスで、リターン・トゥ・白神山地。奥十二湖で下車したら、大小33の湖沼が点在するブナの森のなかをお散歩しよう。特に澄んだブルーの青池とブナの黄葉のコントラストは、絵本に描かれたような風景で、じっと見入ってしまいそう。
バスで五能線の十二湖駅へ戻ったら、南下して滝ノ間駅に向かう。徒歩約10分の「はちもり観光市」では、旬を迎えたハタハタなどの新鮮魚介や、その加工品がずらり。場内にある「日本海食堂」で、ほっけのつみれ汁200円をいただけば、冷えた体もあったまる~。白神山地から栄養たっぷりの清流が近海に流れ込んでいるから、こんなに魚がおいしいのかな。
さらに東八森駅まで下り、低カロリー高タンパクの豆腐作り体験。徒歩約15分の「松岡食品」では、豆乳とにがりを混ぜるところから体験可能。原料の大豆や豆乳の美肌効果などの話には興味津々!
今晩はあきた白神駅徒歩すぐの「八森いさりび温泉 ハタハタ館」に宿泊。海を望む舟型の露天風呂で極上のリラックスを。
遊歩道が整備されている青池周辺の黄葉の見頃は10月中旬〜下旬。足を延ばして沸壺(わきつぼ)の池や、ブナ自然林も体感してみて。周囲には抹茶を一服できる「十二湖庵(11月上旬までの営業)」や、特産品が並ぶ「森の物産館キョロロ」も。
TEL.0173-74-2111(深浦町観光課)
きみまち阪公園案内所の近くには、丸型の恋文ポストが。ここに投函された手紙には、七座山や米代川、恋文ポストを図案化した二ツ井郵便局特製のハート型日付印が押印される!(平日投函のみ) ここからラブレターを送れば恋も成就!?
DC期間中は、秋田~弘前・青森間を五能線経由で毎日運行する「リゾートしらかみ」。「青池(写真)」「橅(ぶな)」「くまげら」の3編成で運行。日により運行本数は違うが、基本1日3往復。全車指定席料510円。事前に指定席券の購入が必要。時刻表など詳細はJR東日本秋田支社
朝、出発前に「ハタハタ館」でゲットしておきたいのが、地酒「白瀑(しらたき)」純米カップとハタハタなど地元魚介料理がセットになった「晩酌セット」。希望によっては、地酒をご飯と取り替えられるので、お昼の駅弁として楽しんじゃうなんてアイデアも。
駅弁、またはフライング気味の晩酌を楽しみつつ、東能代駅で五能線から奥羽本線へ乗り換え、二ツ井駅へ。車で約5分の「きみまち阪公園」は、東北を巡幸中の明治天皇へ宛てた皇后からのお手紙が、ここで天皇の到着を待っていたという云われから、その名が付いた。10月中旬~11月上旬の頃は、まさに紅葉の盛り。奇岩の屏風岩をキャンパスに、紅葉の赤と松の緑が色を添える。
園内には夫婦杉に見守られた恋文神社が。お祈りすれば恋や結婚が叶うかもしれないので、女子やカップルはぜひ参拝を。
帰路はタイミングが合えば、東能代駅から「リゾートしらかみ」にライドオン。駅ホームにある、同列車「くまげら編成」にそっくりの「くまげら待合室」で列車を待てば、旅情もグッとUP!
晩秋から冬にかけ、八峰や秋田、男鹿など秋田県の沿岸部で主に食される県魚・ハタハタ。煮てよし、焼いてよしのコクのある白身魚で、塩焼きや田楽、鍋(写真上)など、どの料理法でもうまい。塩と米と麹で漬け込んだハタハタずし(写真下)は、秋田の正月に欠かせない郷土料理だ。粘りのあるプチプチ食感の卵「ぶりこ」も美味。
TEL.0185-76-4100(八峰町観光協会)、0185-24-4700(男鹿市観光協会)
文・構成=鈴木健太
写真協力=JR東日本、秋田県、八峰町観光協会、交通新聞サービス
※掲載されているデータは2013年10月現在のものです。