『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
日露戦争で活躍した松山出身の3人―秋山好古・真之兄弟、正岡子規―を主人公にした司馬遼太郎の『坂の上の雲』。NHKで3年にわたるドラマ化で話題を呼びました。松山を代表する観光スポットとなった「坂の上の雲ミュージアム」には、小説だけでなく当時の時代背景や風俗、松山の街あるきのヒントまでが展示されています。近くには、子規と秋山兄弟生誕の地や、少年時代の子規と真之が学び、夏目漱石が英語教師として赴任した松山中学校・勝山学校跡も。坂の上の雲ファンにはたまらない!!
一方、「ドラマ見てなかったしな~」という女子にもおススメなのが、大正浪漫あふれる萬翠(ばんすい)荘。大正11年(1922)に旧松山藩主の子孫の別邸として建てられた洋館で、松山を来訪した皇族や名士が必ず立ち寄ったんだって。フランス風の建物がステキです。城下町を散策したら、ロープウェイ・リフトで松山城へ。現存する天守からは、天気がよければ瀬戸内海の島々や佐田岬も見られる絶景スポットです。
開館時間:9:00~18:30、月曜休(祝日は開館)。観覧料:一般400円、高校生200円。交通:JR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩2分。TEL.089-915-2600
開館時間:9:00~18:00、月曜休(祝日は開館)。観覧料:外観、1階は無料。企画展は大人300円、小人100円。JR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩5分。TEL. 089-921-3711
営業時間:本丸広場=5:00~21:00、ロープウェイ(8月)=8:30~18:00、天守(8月)=9:00~17:30。料金:観覧券+ロープウェイ・リフト往復券=大人1000円、小学生400円。交通:ロープウェイ・リフト「東雲口(しののめぐち)」までJR松山駅から路面電車で約14分の大街道下車、徒歩5分。TEL.089-921-4873
萬翠荘~ロープウェイ前を周遊する無料バス。伊予鉄道 自動車課TEL.089-948-3172
街あるきの後半は、3000年の歴史を持つと言われる日本最古の温泉「道後温泉」にちなんだスポットをめぐります。
まずは、温泉の守護仏として県の文化財に指定されている湯釜薬師。伊予国の守護・河野氏ゆかりの湯築(ゆづき)城跡(道後公園)にあります。すぐ近くの子規記念博物館にも立ち寄りたい。毎年3月に「湯祈祷」が行なわれる湯神社を過ぎれば、いよいよ道後温泉本館へ。明治27年(1894)に建てられた風格ある三層楼の建物は、まさに道後温泉のシンボル!! 銭湯感覚で楽しめる「神の湯」と、大島石を使った浴槽でくつろげる「霊(たま)の湯」の2種5つの浴槽を目的にあわせて選んで☆ 2階にあがれば、お茶やお菓子もいただけます。
湯上りには、道後温泉駅までのびる道後ハイカラ通りをぶらり散策。さまざまな土産物店や飲食店が軒を連ねます。駅前には足湯やからくり時計もあり、温泉気分が盛りあがっちゃいます。
交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後公園下車すぐ。TEL. 089-941-1480
開館時間:9:00~18:00、月曜休(祝日の場合は翌日)。観覧料:400円、小中高校生無料。交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後公園下車、徒歩5分。TEL. 089-931-5566
開館時間と料金:「神の湯 階下」=6:00~23:00、1時間大人400円、小人150円▼「神の湯2階(浴衣、お茶、せんべい付き)」=6:00~22:00。1時間大人800円、小人400円など。交通:JR松山駅から路面電車で20分の道後温泉下車、徒歩5分。道後温泉事務所TEL. 089-921-5141
道後温泉本館と道後温泉駅を結ぶ約250mの商店街。
足湯=利用時間:6:00~23:00。無料。坊っちゃんからくり時計=8:00~22:00(1時間ごと)。交通:伊予鉄道道後温泉駅下車すぐ。松山市観光産業振興課TEL. 089-948-6556
見どころがたっくさんある松山ですが、ぜったいに外せないのがスイーツ&グルメ。個性豊かな地元のガイドが、テーマに沿ったまちの歩き方を紹介してくれる「松山はいく」の「道後グルメコース」で、松山らしい食べ物めぐりをしちゃおう!
まずは、坊っちゃん団子。緑(抹茶)・黄(卵)・茶(餡子)の3色が串に並ぶ姿がカワイイ♪ 名前の由来は、小説『坊っちゃん』に登場したからなんだって。松山スイーツといえば、タルト。…といってもサクサクの洋菓子タルトレットではなく、柚子を練りこんだ餡をカステラで「の」のカタチに巻いたお菓子です。南蛮渡来の洋菓子が松山に伝わり、独自に発展したそう。
海の幸が豊富な愛媛ならではの、新鮮な魚のすり身を使ったかまぼこやちくわも松山の特産品です。特に、すり身を油であげてつくるじゃこてんはカルシウムたっぷりで、お土産にもぴったり。ほかにも、ミカンのジェラードや一子相伝のまんじゅうなど、2時間たっぷり美味しいもの尽くしのコースに大満足!!
道後グルメコース=出発・到着時間:10:30・12:30。集合/解散:道後温泉駅前 からくり時計。料金:2000円。事務局TEL.089-945-6445
♪このほか、松山はいくには「美人はいく」「パワースポットはいく」など、多彩なコースがあります。
予讃線に揺られて40分、美しい島々がおりなす瀬戸内海に面した今治市に到着。日本一のタオル生産地・今治では、世界でも珍しいタオルとアートを融合した美術館へGO! ヨーロッパ風の庭園がある広大なタオル美術館では、コットンをタオルに織り上げる工程を見学したり、全長40mにもなるカラフルなタオルアートを鑑賞したり。フィンランド生まれの『ムーミン』のブロンズ像たちが迎えてくれる、ムーミンガーデンにも癒されます。
アウトドア派は、自転車を借りてサイクリングするのもいいかも。レンタサイクルの基地「サンライズ糸山」をスタートし、来島海峡大橋を越え大島に渡る大島半周コースは、瀬戸内海の穏やかな景色を満喫できておススメ。日が沈んだら、海水を堀に引きこんだ珍しいお城・今治城が幻想的に照らされるライトアップも必見です。
営業時間:9:30~18:00(11月~3月は9:30~17:30)。無休。ギャラリー棟の入場料:大人800円、中高生600円、小学生400円。交通:JR今治駅からタクシー25分。TEL.0898-56-1515
営業時間:8:00~20:00。レンタル料:大人500円、小学生以下300円。交通:JR今治駅からバス30分の糸山展望台入口下車。TEL.0898-41-3196
大島の海岸線を右回りにのんびり走る約5時間のコース。今治地方観光協会TEL.0898-22-0909
営業時間:9:00~17:00。ライトアップは日没30分後~23:00。入場料:一般500円、学生250円。交通:JR今治駅からバス7分の今治城前下車。TEL.0898-31-9233
色鮮やかな珊瑚や熱帯魚、生産量日本一の真珠など、豊かな恵みを育む宇和海。松山からさらに南に1時間25分、「うみ・かわ・もり・ひと・楽園めぐり」をテーマにしたイベント「いやし博」が開かれている宇和島市に着きます。
「伊達十万石の城下町」と呼ばれた宇和島市の中心地にある宇和島城を見学したら、豊後水道にむかって延びる三浦半島まで足をのばします。遊子水荷浦(ゆすみずがうら)は、急斜面の頂上まで50段以上石積みの段畑(だんばた)が続く景勝地。平均勾配が約40度もあるんだって! 江戸時代から続く青い海と段畑。絶景だけど、石垣を守る作業は大変そう…。
市街地に戻って、日本一のパール生産地ならではの体験。なんと!パールパウダーを使ったエステ☆ 真珠みたいに白くつるつるのお肌になれるかな。アコヤ貝を使ったパールランチが食べられるイタリアンレストランや、パールアイテムがそろう道の駅など、嬉しいスポットもあります。
温州みかんのほかにも、県内全域で柑橘類が栽培されている
愛媛県は柑橘(かんきつ)類の生産量日本一の「みかん県」。日本人にはなじみが深い“温州みかん”の他にも、デコポンやポンカン、伊予柑、ネーブルなど中晩柑類も数多く栽培し、生産品種数でも日本一なんです!! 愛媛に行ったら、必ず目にするだろう“みかん”について調べてみました。
年間を通して雨が少ない愛媛では、むかしから米づくりよりも、山間や傾斜地を利用した農作物の栽培が盛んでした。その代表が果樹。特に、江戸の寛政年間に鹿児島から伝わったと言われる温州みかんは、宇和島など県南地域を中心に栽培が奨励されたそう。傾斜地で太陽をいっぱい浴びた温州みかんは、段畑の石垣の反射光も手伝って、あまーく、おいしく育ちます。
また、早くからハウス栽培にも成功した愛媛の温州みかんは、ほかの地域に先駆けて夏ごろから出荷がスタート。中晩柑類もあわせると、1年中柑橘類が全国に向けて出荷されています。
そんな柑橘類を、地元では生で食べたり、ジュースやゼリー、ソフトクリームにしたり。ほかにも、小さなみかんをまるごと白あんと一緒に求肥(ぎゅうひ)で包んだ「まるごとみかん大福」や、みかんの花から採取した蜂蜜を混ぜた「神島(みしま)まんじゅう」、松山の伝統的な和菓子「薄墨羊羹」に温州みかんのパウダーをまぜた「薄墨愛媛みかん羊羹」、などのご当地スイーツにもなっています。ちょっと変わったものでは、「みかんたまご」なんていう特産品も。鶏の餌には、温州みかんの果皮を混ぜているそう。
また、こんなうわさを聞いた人もいるのではないでしょうか?
「愛媛県の家庭では蛇口からポンジュースが出る」
「県内の小中学校の給食では、みかんジュースでご飯を炊いた“みかんの炊き込みご飯”が出る」
両方とも本当だったらびっくりしちゃいますが……。真相を愛媛県農林水産部農産園芸課に聞いてみました。
「家庭で蛇口からポンジュースが出ることはありませんが、ポンジュースを作っている(株)えひめ飲料さんが、平成19年から松山空港にポンジュースが出る蛇口を設置しています」(果樹係)
ポンジュースの蛇口は、毎月第3日曜日の時間限定で体験できるそうです。みかんの炊き込みごはんは、確認がとれませんでしたが、生の果実を生地に練りこんだ「みかんパン」を学校に納品していたパン屋さんはあるとか。
県内各地で、さまざまな柑橘類の加工品に出会えますので、ぜひお試しください。
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