『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
「サシ」と呼ばれる、とろけるような霜降りの具合と味わいで「肉の芸術品」とも言われる松阪牛は、カロリーを気にしつつ、やっぱり食べたい憧れのお肉☆ 秋空の下、本家本元の松阪で牛肉弁当を持って公園ピクニックはいかが?
JR松阪駅前にある「駅弁のあら竹」は、今年で創業118年を迎える老舗です。百貨店の駅弁イベントでも大人気の松阪牛をたっぷり使ったお弁当を手に入れたら、「松阪農業公園 ベルファーム」へGO! ベルファームには、遊歩道を備えた3つの大きな池や広場、イングリッシュガーデンがあり、四季を通じて花や緑に親しむことができます。ガーデンカフェや農家市場、松阪牛を使った体験講座などもあり、楽しみ方はさまざま。松阪牛を全国に発送できるお店もあるので、旅先からお土産を送るのもいいかも!
営業時間:松阪駅前あら竹本店7:00~20:00、JR松阪駅改札横売店7:00~21:00ほか。TEL.0598-21-4350
営業時間:9:00~21:00(施設により営業時間は異なる)。入園無料。休園日はホームページで要確認。交通:松阪駅からタクシー約20分。TEL.0598-63-0050
松阪市観光協会のサイト。和食、洋食問わず、松阪牛を食べられる店の情報を掲載している。
戦国時代の終わりの1588(天正16)年に、武将・蒲生氏郷(がもううじさと)が城を建てて町を開いたのが「松坂」のはじまり。城下町はやがて氏郷の「楽市」制度などによって、遠く江戸にも名を馳せる商人の町になりました。そんな城下町&商人の町・松阪は徒歩でめぐれます。
今でも歌舞伎役者が縞の着物を着ることを「マツサカを着る」と言うほど、縞の反物が有名だった松阪木綿。まずは、そんな松阪木綿の専門店「松阪もめん手織りセンター」でお買い物。さらに、松坂城警護のために紀州藩士が住んだ「御城番(ごじょうばん)屋敷」が建ち並ぶ石畳の道を歩き、石垣が残る松坂城跡(松阪公園)へ。ここから松阪の町並みを一望できます。最後は、江戸で紙や木綿を商っていた豪商の邸宅「松阪商人の館」。質素な外観に反して蔵が2つもある広々としたお屋敷は、さすが伊勢・松阪商人の館です。
ちなみに、松阪の地名は明治前半に「松坂(マツザカ)」から「松阪(マツサカ)」へ改められたそう。これにならって、国史跡の松坂城跡は「坂」を使うと定められたんだって!
営業時間:10:00~18:00(12~2月は~17:30)。木曜休(祝日の場合は営業)。交通:松阪駅から徒歩約10分。TEL.0598-26-6355
開館時間:10:00~16:00。月曜 (祝日の場合は翌日)・年末年始休。見学無料。交通:松阪駅から徒歩約15分。TEL.0598-26-5174
見学自由。交通:松阪駅から徒歩約15分。松阪市観光協会TEL.0598-23-7771
開館時間:9:00~16:00(4~9月は~16:30)。月曜・祝日の翌日・年末年始休。交通:松阪駅から徒歩約10分。TEL.0598-21-4331
伊勢神宮は「お伊勢さん」、「大神宮さん」などと呼ばれていますが、正式な名前は「神宮(じんぐう)」。内宮(ないくう)、外宮(げくう)の2つの正宮を中心に別宮、摂社、末社など総計125社のお社の総称です。シンプルな名称に、日本で最高のお社の気高さが感じられます。
伊勢神宮は今年、20年に一度の式年遷宮(しきねんせんぐう)の年。遷宮とは、新しいお宮を造って大御神に移っていただくこと。つまり、神様のお引っ越しです。戦国時代に一時期中断されたこともありますが、690(持統天皇4)年の第1回から数えて今年で62回目となった遷宮は、10月2日に内宮、5日に外宮でもっとも重要な儀式「遷御(せんぎょ)の儀」が斎行されました。
外宮の勾玉(まがたま)池のほとりに建つ「せんぐう館」は、そんな神宮と式年遷宮についてわかりやすく展示した博物館。1953(昭和28)年に調えられた外宮正殿の御扉が展示されていたり、遷御当夜の様子を体感できたりと、日本人のルーツとなる伝統文化に触れることができます。
20年前の前回の式年遷宮の年(1993年)に、お伊勢さんの「おかげ」という感謝の気持ちをもって開業した「おかげ横丁」。約4000坪の敷地に江戸から明治にかけての伊勢路の建築物を再現した内宮の門前町として多くの参拝者に親しまれてきました。
10月には遷宮のみならず、伊勢神宮でその年の新穀を神様に奉納する神嘗祭(かんなめさい)が行なわれました。
11月以降、おかげ横丁では様々な催し物を開催。毎月1日には、地元で採れた新鮮な野菜や果物が並ぶ「朔日(ついたち)朝市」や旬の食材をふんだんに使った朝粥が味わえる「朔日朝粥」、伊勢志摩の季節の恵みをそろえた「おかげの市」(毎週土・日曜)ほか、「きもの日和」(12月上旬予定)や「歳の市」(12月中旬予定)など、季節の催しも行なわれます。
営業時間:9:30~17:30(11~2月は~17:00、8月は~18:00)。年中無休。
*店舗によって異なります。交通:伊勢市駅からバス約15分の神宮会館前下車すぐ。
旅の楽しみは、今も昔も「食」。江戸時代から多くの参拝客が往来した伊勢路には、旅人をもてなす名物餅がたくさん生まれました。それぞれ興味深い由来を持ち、素朴でホッとする味わい。アナタのお気に入りのお餅を見つけてみては?
言わずと知れた伊勢の名物「赤福」の創業は1707(宝永4)年。五十鈴川のせせらぎをかたどり、白い餅は川底の小石、餡に付けた三筋は清流を表しているそうです。
川にちなんだお餅といえば「へんば餅」。参拝客が宮川の渡しの前の茶店で休憩し、馬を返して参拝したことから「へんば(返馬)」と名付けられました。こんがり焼き目がついた香ばしいお餅です。
豊臣秀吉が参宮したときに2本の竹をあやつって餅菓子を焼いたのがはじまりとされる「太閤出世餅」は、一つひとつを手焼きし丁寧に個包装したお餅。お土産にもぴったりです。
さらに「二軒茶屋餅」は、今から約400年前に2軒の茶屋があり、その1軒でこの名物餅を売っていたことが名前の由来。きな粉をまぶした柔らかい餅にこしあんがたっぷり。毎月25日には昔ながらの黒砂糖あんの餅が限定販売されます。
伊勢市観光協会TEL.0596-28-3705
「伊勢えび」と言えば、高級食材の代名詞。引き締まったぷりっぷりの身と噛めば噛むほど広がる甘味が特徴で、刺身でも、焼いても、茹でてもおいしい、まさにエビの王様です。三重県では、伊勢湾口から熊野灘沿岸の岩礁域で漁獲され、漁獲量は、常に全国水揚げ量のトップを占めています。
名前に「伊勢」と冠しているのは、伊勢志摩方面で獲れたエビを伊勢神宮に献上したことに由来します。ちなみに、伊勢神宮の神饌(しんせん)として供される魚介類は、アワビやタイ、サザエがありますが、伊勢・志摩で獲れたものを奉納します。なんだか高級食材ばかり……。神様への供物だと思えば納得ですね。
伊勢の隣、志摩市浜島町では、毎年6月に「伊勢えび祭」が行なわれます。約50年前に始まった海の幸への感謝と豊漁を祈願したお祭りで、巨大な「伊勢えび神輿」が圧巻です。三重県では、産卵期の保護のために毎年5月1日~9月30日(鳥羽市離島地域以北の海域においては~9月15日)を、伊勢えびの禁漁期間としています。「伊勢えび祭」は禁漁期に開催されるお祭りですが、この日に網掛けされた初物の伊勢えびを伊勢神宮に奉納するそうです。
伊勢神宮があるからこその「伊勢えび」。ぜひ現地で食べてみてください。
塩水で茹でると真っ赤になる伊勢えびは、古代から縁起物として欠かせない
「伊勢えび祭」では、巨大な伊勢えびをかたどった神輿を担ぐ
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