『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
手つかずの大自然が広がる釧路湿原は、東京の山手線がすっぽり入ってしまうほどの日本最大の湿原。タンチョウやアオサギ、エゾシカなど野生動物の息吹にあふれる冬の湿原を、観光バスとレトロなSLに乗って旅します。
まず釧路駅を出発したバスは、釧路市丹頂鶴自然公園、阿寒国際ツルセンターに向かいます。冬季のみ開館する阿寒国際ツルセンターの分館、タンチョウ観察センターでは、野生のタンチョウが間近に観察できるよ。ランチで立ち寄る「山花温泉リフレ」は、源泉100%の温泉入浴をはじめ、地場産の野菜や卵が買える売店も併設。さらに、釧路市湿原展望台は、湿原に群生する草の固まり「ヤチボウズ」をモチーフにした建物で、湿原を再現したジオラマやライブ映像が見られます。観光バスでらくらく♪釧路湿原の代表スポットを網羅!
運行期間:2014年3月9日まで。料金:釧路→塘路(とうろ)=大人3000円、小学生以下1000円、釧路→釧路=大人3700円、小学生以下1350円など(大人料金には釧路湿原関連各施設の入場料などを含む)。阿寒バス株式会社TEL.0154-37-2221
開館時間:9:00~17:00。タンチョウ観察センター=2月1日~3月31日、8:30~16:30。無休。入館料:大人460円、小中学生230円。交通:釧路駅から車で約1時間。TEL.0154-66-4011
営業時間:温泉入浴=10:00~22:00(7月~9月は~23:00)入浴料:大人600円、中学生500円、小学生300円。交通:釧路駅から車で約30分。TEL.0154-56-2233
開館時間:9:00~17:00(5月1日~10月31日は8:30~18:00)。年末年始休。入館料:大人460円、高校生240円、小中学生120円。交通:釧路駅から車で約25分。釧路市湿原展望台 TEL.0154-56-2424
JR釧網本線の塘路駅からは、人気のSL列車「SL冬の湿原号」に乗車。車窓からは、釧路川やシラルトロ湖、塘路湖などが見られます。運が良ければ、タンチョウやエゾシカの姿も!
景色のみならず、車内にもお楽しみが待っています。まずは、レトロな制服を着込んだ車掌さん。記念撮影はお仕事の邪魔にならないように☆はい、チーズ。また、客車にはダルマストーブが備えられていて、車内の売店で買ったスルメを焼いて食べることもできます。アツアツのスルメが旅情を誘うね。地元ガイドによる無料のネイチャー講座も開かれるので、車内アナウンスにも注意です。
SLグッズの車内販売や乗車証明書の配布もあるので、旅の記念にどうぞ!
運転日:2014年3月9日まで、釧路駅~標茶(しべちゃ)駅間を1日1往復する。全席指定のため乗車前に要予約。JR北海道電話案内センターTEL.011-222-7111
太平洋に面した釧路市は、国内有数の漁獲高を誇る港町。そして美しい霧の街としても知られています。そのシンボル的な存在が、釧路川にかかる幣舞(ぬさまい)橋です。欄干には四季をイメージした4体の女性のブロンズ像があり、夕陽や街路灯に照らされる姿はとっても幻想的。
この橋を渡って下宿へ行き来していたという歌人・石川啄木は、ここ釧路で76日間、記者として旧釧路新聞社(現北海道新聞社)に勤めていました。当時働いていたレンガ造りの社屋が「港文館」として復元されています。
また、釧路には港町ならではの新鮮な魚介が楽しめるお店もたくさん。釧路和商市場では、とれたて海の幸をごはんの上に好きなだけのせてもらって食べる「勝手丼」が有名です。朝早くから営業しているので、朝ごはんにもぴったり。
美しい湖と極寒のオホーツク海をのぞむ網走市。網走といえば「監獄」、といってもいいくらい有名な「博物館 網走監獄」の見学からスタートします。観光に便利な「あばしり観光施設めぐりバス」がおすすめです。
網走監獄は、明治時代から実際に刑務所として使用されてきた建物を保存公開している歴史野外博物館です。もっとも古い建物は100年以上も昔のもの。少人数でも監視しやすいように、5本の指を放射状に広げたように配置された「五翼放射状舎房」など、有形文化財に登録された建物もあります。ランチは現在の網走刑務所で収容者が食べた食事メニューを再現した「監獄食」はいかが?
現在の網走刑務所前にある海産物専門店「オホーツクバザール」には、獲れたてのオホーツクの海の幸がズラリ。全国に配送可能なので、お土産にしたり、買った商品を2階のレストランに持ち込んで、調理してもらったりもできます。
開館時間:9:00~17:00(4月~10月は8:00~18:00)。無休。入館料:大人1050円、大学・高校生730円、小・中学生520円。監獄食堂=4月~10月と2月~3月の10:00~15:30に提供。交通:網走駅からバス約7分の「網走監獄博物館」下車すぐ。TEL.0152-45-2411
営業時間:売店8:00~17:00、レストラン10:00~14:30L.O.。交通:網走駅からバス約3分の「網走刑務所前」下車すぐ。TEL.0152-44-3005
運行期間:2014年3月31日まで(季節運行)。主だった観光施設をめぐる。料金:乗り降り自由な1dayパス=大人800円、小人400円。網走市観光協会TEL.0152-44-5849
シベリアから約1000kmも南下して知床半島に流れつく、冬の風物詩・流氷。冬の網走を訪ねたら、ぜひとも流氷を見なくっちゃ。
流氷観光砕氷(さいひょう)船「おーろら」は、観光用に設計された世界初の砕氷船で、船の重さで氷塊を砕き、船全体が振動する迫力は圧巻です。流氷で昼寝をするアザラシにも会えるかも!?
一方、網走駅と知床斜里駅を毎日2往復運行する「流氷ノロッコ号」は、オホーツク海沿いに片道約1時間。流氷を眺めながら列車旅を満喫できます。車内には大漁旗などオホーツクの番屋をイメージした飾り付けや、だるまストーブもあり、北国のムード満点。
運航期間:2014年3月31日まで。料金:大人3300円、小学生1650円。交通:網走駅からバス約10分の「道の駅流氷砕氷船のりば」下車。TEL.0152-43-6000
運転期間:2014年3月9日まで。網走駅~知床斜里駅間を1日2往復する。JR北海道電話案内センターTEL.011-222-7111
突然ですが、「ザンギ」ってご存知ですか? 大手のコンビニエンスストアで販売されたり、ご当地グルメとして紹介されたりしていますので、聞いたことのある人も多いのでは? 答えは「唐揚げ」。由来は諸説ありますが、昭和35年に釧路市の鶏料理屋さんが、中国料理の「炸鶏(ジャア・ジィ)」(=下味をつけた鶏肉をたっぷりの熱した油で揚げた料理) から名づけたと言われています。現在では、北海道のあちこちで見られるようになりましたが、釧路市ではザンギ発祥の地の「くしろザンギ」として、街づくりの一端を担っています。
「くしろザンギ」は「鶏はもちろん、地元の旨い食材を油でジュワッと揚げたもの」などと定義。「鮭ザンギ」「くじらザンギ」「たこザンギ」など、鶏肉以外の唐揚げも続々と登場しています。
一方の網走市では、網走産のオホーツクサーモン(カラフトマス)を使った「オホーツク網走ザンギ丼」を売り出し中です。網走ザンギ丼は、オホーツクサーモンを特製の魚醤に漬けこんで揚げ、北海道米のごはんの上にのせたもの。網走産の長いもと山わさびを添えます。
くしろザンギと網走ザンギ。道東に行ったら、ぜひ両方を味わってみて下さい。
・くしろザンギ
くしろザンギのキャラクターや最新情報を紹介するサイト。
くしろザンギ推進協議会事務局TEL.080-6060-9461
・オホーツク網走ザンギ丼
オホーツク網走ザンギ丼のルールや、食べられる店舗を紹介するサイト。
網走市観光協会TEL.0152-44-5849
鶏の唐揚げに代表される「くしろザンギ」。そのレパートリーは無限に広がる。イメージキャラクターの「ザンギリ侍」(右上イラスト)の好物は、当然「ザンギ全般」
市内の各店舗で具材や小鉢を工夫する「オホーツク網走ザンギ丼」。写真は「酒菜亭喜八」のもの。スライスしたオホーツクサーモンをくるっと巻いて揚げてある
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