『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
新潟駅から日本海に沿って北上する羽越本線。コトコトとローカル列車の旅もいいけど、この春は旅のテンションが上がること間違いなしのジョイフルトレインに乗るのがおすすめ。
グリーン車並みのゆとりのある座席で日本海の雄大なパノラマを思う存分楽しめる「きらきらうえつ」には、2014年3月1日から2号車“きらきらラウンジ”車両に「きらきら情報コーナー」が登場! 床が一段高くなった和風ラウンジの一角で、プロジェクションマッピング(建物や物体に映像を映し出す技術)で沿線の観光ポイントや地産品を紹介したり、観光に便利なパンフレットを置いたり。お酒や食事を楽しみながら、旅の情報収集ができます。2014年4月4日~9月28日には、地産品が当たる「きらきらスタンプラリー」もあるよ☆
運転日:毎週金・土・日曜、祝日中心。新潟~酒田・象潟(きさかた)・羽後本荘を結ぶジョイフルトレイン。運行日や停車駅等は変更となる場合があるので、ホームページ等で確認を。
村上は、城跡、武家町、町人町(商人や職人が生活していた町)、寺町が残る古い城下町。なかでも町人町には、伝統的な町屋造りの建物が数多く残り、今でも商店や住居として使用されています。通り土間や囲炉裏の茶の間、箱階段、太い梁(はり)と高い天井……。どの風景を切り取っても、懐かしく、あたたかい町屋めぐりはいかが?
疲れたら1793年(寛政5年)創業の老舗和菓子店「酒田屋」で伝統のスイーツを買ったり、松尾芭蕉も宿泊したというノスタルジックな宿&カフェ「井筒屋」で休んだり。江戸・明治期にタイムスリップした気分でゆったりとした町歩きを楽しんで。
また、今年で15回目を迎えた「町屋の人形さま巡り」。約80軒の町屋が、家々に伝わる雛人形などを飾り、訪れた人を迎える春の風物詩です。江戸時代から現代までの数多くの美しい人形が見られます。
カフェ営業時間:11:00~16:00(ランチは11:30~13:00)。不定休。交通:村上駅から徒歩約30分。TEL.0254-53-3020
営業時間:9:00~17:00。日曜休(不定休)。交通:村上駅から徒歩約20分。TEL.0254-53-2527
開催期間:2014年3月1日~4月3日。村上市観光協会TEL.0254-53-2258
村上は、平安時代に三面(みおもて)川の鮭を朝廷へ献上していたという記録があるくらいに、「鮭」との関わりが深い町。江戸時代に「鮭は生まれた川に帰ってくる」ことに着目し、鮭の増殖システムを考えたのも、村上藩士・青砥武平治(あおと ぶへいじ)です。「イヨボヤ会館」は、そんな村上の鮭の歴史や文化を知ることができる日本で最初の鮭の博物館。 “イヨボヤ”とは、村上地方の方言で“鮭”のことなんだって。
また、村上に伝わる100種以上の鮭料理を残すために、あらゆる鮭製品を扱っているのが「味匠 喜っ川(きっかわ)」。店舗奥では、冬の季節風にさらして旨みが増した塩引き鮭が、町屋の太い梁にたくさん吊るされているのを見ることができます。
もうひとつの村上名物「さけ」は、酒=日本酒です。市内の蔵元は「〆張鶴」で知られる宮尾酒造と、14の地元の酒蔵が合併した大洋酒造の2つ。このうち大洋酒造の和水(なごみ)蔵では、日本酒の販売はもちろん、酒造りの道具や酒器の見学、蔵出し原酒の試飲もできます。
豊富な湯量と約95℃前後にもなる熱~い源泉が自慢の瀬波温泉。海水浴場に面したビーチリゾート&夕陽の名所としても知られています。瀬波温泉の海岸線からは佐渡島や粟島、角田山(かくだやま)、弥彦山などを眺めることも!
熱い源泉を体験するなら噴湯(ふんとう)公園がおすすめ。源泉やぐらの脇で温泉卵を作って食べたり、高台にある伊夜日子(いやひこ)神社の境内から海を眺めたり、ちょっとした散歩が楽しめます。
2014年3月16日にリニューアルオープンしたばかりの岩船港鮮魚センターも必見。岩船港の仲買人たちが運営する専門店だから、水揚げされたばかりの新鮮な魚介はもちろん、こだわりの干物や加工品、塩引き鮭など、地場名産品が集まっています。
営業時間:9:00~18:00。交通:村上駅からバスで約15分。瀬波温泉旅館協同組合TEL.0254-52-2656
交通:観光案内センターから徒歩約5分。村上市観光協会TEL.0254-53-2258
営業時間:1Fフロア8:30~17:00(1~4月は~16:30)、2Fお食事処10:00〜16:30。不定休。交通:村上駅から車で約10分。TEL.0254-52-1261
村上駅からさらに羽越本線を北上し、湊町・酒田市へ。かつて江戸や大坂との交易でにぎわった酒田には、武家屋敷や旧廻船問屋で大切に受け継がれてきた雛人形が数多く残っています。旧暦の雛祭りである4月3日頃まで雛祭りを行う風習があることから、毎年この時期に開催されるイベント「湊・酒田の雛めぐり」。城下町・村上とはまた趣の違った雛めぐりを楽しんで。
江戸時代に幕府の巡見使宿舎として使われた本間家旧本邸は、武家屋敷と商家造りが一体となった建物がステキ。雛めぐりに合わせて、京雛や江戸雛、ミニチュアのお雛道具などが展示されます。一方、酒田を代表する廻船問屋だった旧鐙(あぶみ)屋は、典型的な町屋造り。2014年4月3日までの雛めぐり期間中、酒田市在住の人形作家による和紙人形展「和紙あそび」が開かれています。さらに、今でも現役の農業倉庫として使っている山居倉庫の一部にある「夢の倶楽(くら)」では、江戸後期の40cmを超える大きな古今雛などが見られます。
開催期間:2014年4月3日まで(施設によって異なる)。酒田観光物産協会TEL.0234-24-2233
開邸時間:9:30~16:30(11~2月は~16:00)。12月中旬~1月下旬と展示替え日は休(要問合せ)。料金:大人700円、中高校生300円、小学生200円。交通:酒田駅から市営るんるんバス約6分の「二番町」下車、徒歩すぐ。TEL.0234-22-3562
開館時間:9:00~16:30。12~2月の月曜(祝日の場合は翌日)および年末年始休。入館料:大人310円、高校生以上210円、小中学生100円。交通:酒田駅から市営るんるんバスで約8分の「市役所東」または「市役所西」下車、徒歩すぐ。TEL.0234-22-5001
営業時間:9:00~18:00(12~2月は~17:00)。元日休。入館無料。交通:酒田駅から市営るんるんバスで約8分の「山居倉庫前」下車、徒歩すぐ。TEL.0234-22-1223
昨年、ユネスコの無形文化遺産に和食が選ばれ、和酒=日本酒にも世界の注目が集まっています。新潟県は県内に90以上の蔵元を抱え、蔵元数も一人当たりの清酒消費量も全国トップクラス。杜氏(とうじ=酒造技能者)を養成する世界唯一の教育機関「新潟清酒学校」や、清酒製造の免許を持った研究員による都道府県立として唯一の日本酒専門の研究機関「新潟県醸造試験場」があり、自他ともに認める「日本酒王国」です。
新潟の日本酒は、後味がすっきりとキレがいいことから「新潟淡麗」と呼ばれています。料理と合わせやすく、食中酒にぴったりなので、最近は全国的にこうした淡麗な味わいの日本酒を造る傾向にあります。
酒造りのポイントは米と水、そして人。人気の新潟淡麗が生まれた背景には、米どころ新潟の農業、山から運ばれる雪どけ水、そして確かな技術を持った杜氏や蔵人の努力があるのです。
そんな新潟でこの春、酒をコンセプトとして「乗る」こと自体が目的となる新しい列車「越乃Shu*Kura(コシノ シュクラ)」がデビュー! 外観は伝統色の「藍下黒(あいしたぐろ)」という青みをおびた黒と白をカップリング。車内には、酒樽がモチーフのスタンディングテーブルやサービスカウンター、イベントスペースも設置されます。「越乃Shu*Kura」に乗って、新潟の日本酒を飲みに行きましょう!
・新潟淡麗
新潟県酒造組合の公式ホームページ。イベント情報や県内の蔵元・銘柄の検索ができる。TEL.025-229-1218
・越乃Shu*Kura
飯山線十日町駅~信越本線高田駅を結ぶ「越乃Shu*Kura」が2014年5月2日に運行を開始する。
日本最多の90以上の蔵元がある新潟県の日本酒。蔵によって酸味や旨みなどの味わいが違うので、お気に入りの1本を見つけて。
■村上・酒田エリアの周遊に便利なきっぷ