北陸新幹線「はくたか」が停車する上越妙高駅から乗り込みたいのは、新潟らしいイベント列車「越乃(コシノ)Shu*Kura」だ。なんといっても、地酒王国新潟の「酒」が味わえるのが最大の魅力。3両編成のうち、1・3号車の客車では地酒がふるまわれ、景色とともにゆっくり味わえるのが嬉しい。
また、2号車はイベントスペース。蔵元と酒談義できたり、バーテンダーが作る日本酒カクテルが飲めたり、長岡に伝わるからくり盃「十分盃」で試飲したりと、めくるめく酒文化を体感し放題。さらに、車内で利用できる呑みくらべクーポンを利用すれば、利き酒コーナーで常時5種の地酒をたしなんだり、地元ならではのつまみ、グッズを購入することだってできるのだ。
日本一海に近い青海川駅をはじめ、城下町、海、山、田んぼなど、多様な景観が次から次へと彩りを変える車窓も楽しみ。運転日限定ながら、越後湯沢へ向かう「ゆざわShu*Kura」もあるので、目的地を変えて巡るのもいい。
新潟は酒王国だ。なかでも、うまし米、清冽(せいれつ)な水で醸す日本酒の酒蔵は、県内に90蔵余りがひしめき、しのぎを削って渾身の酒を仕込んでいる。蔵見学ができる所も少なくないので、いくつかを巡り歩いて、飲み比べてみるのも愉しみだ。しかも新潟は、日本海に面した魚介の宝庫。酒に合う料理はもちろん、ご当地つまみもあるので、酒と合わせて味わいたい。
日本酒だけでなく、クラフトビールの工房や、ワイナリーもあり、和洋の酒が揃うのも、新潟の特徴だ。職人たちがていねいに作り上げた生命の水を、ゆったりのんびり味わい尽くして。
棚田やブナ林など、日本の原風景と称される風景が今も息づく十日町。冬は日本有数の豪雪地帯ともなる場所だからこそ、特有の気候と風土と人が織りなす山里文化が受け継がれてきた。思わず見とれてしまう景観や、心とろかす湯、地場の米、野菜などを用いた郷土料理、豪雪地特有の古民家など、存分に味わい尽くしたい。
また、2000年より3年に1度開催されているのが、「大地の芸術祭」だ。越後妻有(十日町市・津南町)地域に内在する価値を、現代アートを媒体に、世界へ発信。自然の息吹と現代アートの融合は、今夏、催される。