北陸の旅をさらに魅力的にする観光列車が2015年10月3日、JR七尾線に登場する。その名も「花嫁のれん」。嫁ぐ女性の幸せを願う、旧加賀藩に伝わる風習から名付けられた。
輪島塗と加賀友禅をイメージしたボディと、金沢金箔を施した贅沢なインテリアで、北陸の和と美を表現。
豪華さは見た目だけでない。車内には友禅のオールドコレクションをあしらった和室の半個室が備わり、車内サービスによる和軽食やスイーツ、ほろよいセットなど、北陸グルメのお楽しみも(※別料金、要事前予約)。車内に展示された美しい伝統工芸品をうっとり眺めれば、あっという間に和倉温泉へ。列車で過ごした時間が、極上の旅時間となるに違いない。
★特急「花嫁のれん」
運転日:2015年10月3日~2015年12月29日までの月・火・金・土・日曜・祝日(ただし12月8日はのぞく)、2016年1月1日~2月28日までの土・日曜・祝日、2016年2月12日
運転区間:JR七尾線金沢~和倉温泉間(1日2往復)
※全車指定席です。
※金沢~七尾・和倉温泉間をご乗車になる場合に限り、事前予約制の食事サービスをお申込みできます。事前予約はJR西日本・四国・九州管内の主な駅のみどりの窓口および主な旅行会社・JR東日本管内のびゅうプラザ(旅行カウンター)および主な旅行会社・JR東海管内の主な旅行会社で、乗車日1カ月前の10時から4日前まで受け付けます。
歴代加賀藩主・前田家が江戸時代から築いてきた加賀百万石の文化。優美な伝統工芸に触れられるのは石川の大きな魅力。せっかくなら伝統工芸に挑戦する体験プログラムに参加してみよう。なかでも金沢金箔は、加賀藩初代藩主・前田利家の命で始まったとされる金沢伝統工芸のひとつ。箔の製造に適した湿度と温度、水質に恵まれた北陸の気候風土と、この地で育まれてきた忍耐強い職人気質と技術こそが、金沢金箔が発展してきた理由とか。
また、伝統工芸とモダンデザインをミックスした感度の高いアイテムが揃うショップも多く、一生モノの逸品が見つかるかも。一期一会の出合いに、心が躍りそう。
高岡銅器や高岡漆器といった伝統産業で育まれた、ものづくりの技と心が脈々と受け継がれている富山。なかでも高岡は、デザイン性の高いクラフトを次々と生み出すエリアとして、注目が高まる。毎年「高岡クラフト市場街」が開催され、地元の作家作品のみならず、全国からクラフトが集結。風情溢れる町並みを散策しながら、作品と触れ合える趣向が人気を博している。
また多様な生態系に恵まれた富山湾を有しており、海の幸など、グルメも旅の楽しみのひとつ。
富山人の気質が生み出す文化に触れ、自然が育んだ恵みを味わう、忘れがたい旅になりそう。
信心深い福井の人々の精神的な支柱ともいえる永平寺は、寛元2年(1244)、曹洞宗の座禅修行の道場として開創された。「禅」は、ものの命の尊さ、日常の立ち居振る舞いの大切さ、時間の大切さといった、現代を生きる私たちにもさまざまな気づきを与えてくれる。福井を訪れたなら、永平寺で座禅や写経を体験して、清らかな時間を過ごしてみてはどうだろう。
また、関西の奥座敷と呼ばれるあわら温泉は、明治16年(1883)の開湯以来、小説家の水上勉や田山花袋(たやま かたい)らに愛された名湯。各宿が京都の庭師を招いて築いた日本庭園は見ごと。泉質が異なる宿の湯を「湯めぐり手形」(1枚1620円、3カ所で入浴可)でまわり、心身ともにリフレッシュしよう。