JR飯山線に2015年4月デビューした観光列車は、“日本人のこころのふるさと”を走るローカル線を代表して、東京と真逆のふるさと(田舎)をイメージ。TOKYOを逆から読む「おいこっと」が車両名となった。車体デザインも、萱葺き屋根の古民家を彷彿とさせる、ふすまや障子がモチーフとなり、唱歌「故郷(ふるさと)」の歌詞「兎追ひし かの山~♪」に登場する兎などのアイコンが目印だ。
車内では「まんが日本 昔ばなし」でおなじみ、沿線の木島平村出身・常田富士男さんのナレーションがゆったり流れ、野沢菜のふるまいや、オカリナなどの楽器演奏なども繰り広げられる。のどかな信濃路の風景とあいまって、ほっこりした旅になる!
★飯山線観光列車「おいこっと」
運転日:土・日曜・祝日中心
※11月21・22日、12月23日、2月11・20・21日は運休
運転区間:JR飯山線長野~十日町間
運賃・料金:大人2260円(JR長野駅~十日町駅、片道乗車券1740円+普通車指定席料金520円)
※全車指定席です。
※車内のおもてなしは日によって異なり、中止の場合もあります。
※冬期(12~3月)は、長野~戸狩野沢温泉間を1日2往復運転します。
●信州のおでかけに!
・おトクなきっぷ
●詳しくはJR東日本 長野支社 飯山線観光列車「おいこっと」
長野県最北の飯山市は、山懐に日本最長の千曲川(信濃川)がせせらぎ、自然のなかで歴史や伝統文化、食文化が育まれた豊かな地。川中島合戦の折に、上杉謙信が築城した飯山城にはじまり、城下町には20以上の寺社が点在し、文豪・島崎藤村に「雪国の小京都」と言わしめた。
秋めく飯山での楽しみは、そんな風情ある町並みめぐり。のどかな山里の風景を眺め、ゆっくりそぞろ歩きしたい。また、雪上で楮(こうぞ)をさらして仕上げる内山紙などの伝統技法や、野戦食として謙信公に献上した笹ずし、自慢の米、実り豊かな果実を用いたスイーツなど、飯山の味わいも体感したい。
JR飯山線沿線には魅力あふれるスポットが数多い。
ひとつは、野沢温泉。飯山駅から直通バスの運行がはじまり、アクセスが至便になった。かけ流しの外湯が13も点在し、湯けむりで蒸した温泉まんじゅうや、リンゴをはじめとした旬の果物やスイーツを味わうのも楽しみ。また、温泉宿でのんびりと手足を伸ばすのは至福のひとときだ。
さらに、足を延ばして津南、十日町へと向かえば、山深き地に大自然の息吹が姿を現す。錦秋の山景色は言葉では言い表せない彩り。そして、地元の食材で彩る旬味もまた、最高のごちそうだ。
文・構成=佐藤さゆり
写真協力=信州いいやま観光局、飯山手すき和紙体験工房、パティスリー・ヒラノ、味蔵 月あかり、奈良屋旅館、
福田屋&ハウス サンアントン ジャム工房、津南町地域振興課商工観光班
※掲載されているデータは2015年11月現在のものです。