SL「やまぐち」号は3月中旬~11月下旬(2014年は23日まで)の土・日曜・祝日、夏休み、GWなどの繁忙期に1日1往復運転 | |
小京都・津和野で唯一天然温泉を有する「わた屋」の露天風呂 |
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赤・黄・緑の点描画が施されたような長門峡の紅葉。見ごろは11月中旬まで |
『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
SL「やまぐち」号は3月中旬~11月下旬(2014年は23日まで)の土・日曜・祝日、夏休み、GWなどの繁忙期に1日1往復運転 | |
小京都・津和野で唯一天然温泉を有する「わた屋」の露天風呂 |
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赤・黄・緑の点描画が施されたような長門峡の紅葉。見ごろは11月中旬まで |
鉄道の近代化に伴い、蒸気機関車はしだいに数を減らし、最後の定期列車の運行は北海道・室蘭本線長万部~岩見沢間の1975年12月14日。山口線ではそれに先んじて1973年にSLが姿を消していたが、沿線の自治体やSLファンなどによる活動が実り、1979年SL「やまぐち」号がいち早く復活し、2014年で35周年を誇る。
SL「やまぐち」号を牽(けん)引するC57形1号機は、細いボイラーと大きな動輪を組み合わせた全体のバランスが美しく、「貴婦人」の愛称で親しまれている。展望車風・欧風・昭和風・明治風・大正風とそれぞれ趣向の凝らされた客車5両を引いて、黒煙を高く上げて走る。
新山口駅でSL弁当「貴婦人の旅」を買い込み、客車の雰囲気や車窓を楽しみながら、駅弁に舌鼓。SLと駅弁を存分に楽しんで訪れる津和野は、歴史と伝統が息づく小京都。なかでも最も古いたたずまいを残す殿町は鯉も泳ぐ用水路がめぐり、カトリック教会・藩校養老館跡・郡庁跡・津和野藩家老多胡家表門などの史跡が多く集中している。
町内唯一の温泉宿「わた屋」などに宿泊し、翌日も津和野散策を満喫したら、山口線で長門峡(ちょうもんきょう)駅へと移動し、渓谷の紅葉狩り。阿武(あぶ)川の本流沿いに探勝道が続き、両岸の絶壁を彩る紅葉を楽しみながら散策できる。馬の瀬、舟入りなどと名づけられた甌穴(おうけつ)や滝、青く淀んだ淵などの眺めも絶妙だ。旅の締めくくりに、長門峡駅16:32発のSL「やまぐち」号に再び乗車すれば、往復ともにSL「やまぐち」号の魅力を余すところなく感じることができるだろう。
「貴婦人の旅」というネーミングを意識して、上品に仕上げられた弁当。ピンクを基調とした掛け紙もオシャレ。柚子味噌や寒漬、ゴボウ、リンゴなどSL「やまぐち」号が走る沿線の特産品が用いられている。1030円。
小郡駅弁当
TEL.083-973-0126
一晩昆布〆にしたフグの身を軽く焼いて、風味を引き出し、小ネギ、一味などの薬味を入れて押し寿司に。フグの皮の湯引き、天ぷらなども付く。1030円。
小郡駅弁当
TEL.083-973-0126
津和野城主と吉良上野介の悶着の際、家老がこの餡巻き焼き菓子を贈って上野介に取り入り、事なきを得たと伝わる。町内の和菓子店やみやげ店などで販売。
津和野町観光協会
TEL.0856-72-1771
昨夏の豪雨により不通となっていた山口線地福(じふく)~津和野間の復旧を記念し、11月23日までに下りのSL乗車の方に抽選で津和野オリジナル切手を贈呈。
津和野町観光協会
TEL.0856-72-1771
2014年10月、開業50周年を迎えた東海道新幹線。昨年2月には中央締結ブレーキディスクや定速走行装置を採用した最新車両「N700A」がデビュー | |
「原鉄道模型博物館」では、蒸気機関車から電気機関車へと鉄道が著しい発展を遂げた時代の、日本・ヨーロッパ・アメリカを中心とした世界中の鉄道車両を中心に走行・展示されている |
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夜景の名所は多々あるが、特に「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」からは、横浜ならではの夜景を楽しめる |
日本初、世界初の高速鉄道として1964年に東海道新幹線がデビューして今年で半世紀。名古屋駅で「東海道新幹線50周年記念弁当」を買い込み、横浜へと旅立つ。
まずは鉄道界で記念すべき年である点を意識し、横浜の鉄道スポットを訪ねてみよう。「原鉄道模型博物館」は日本で初めて鉄道が開通した横浜で、製作・収集家として著名な原信太郎氏が生涯をかけて製作・収集した鉄道模型と鉄道関係コレクションを公開。本物の鉄道車両を忠実に再現し、本物の鉄道で使われている技術を搭載した模型が走るジオラマは感動ものだ。
鉄道好きなら、いつまでいても飽きないが、旅好きでもあるならば、JR根岸線で石川町駅へ移動し、元町・山手・山下公園・中華街を散策しよう。開国後、外国人居留地として開かれた山手は西洋館や外国人墓地などの見どころ豊富。戦前に豪華客船として太平洋航路を航海していた氷川丸や赤い靴をはいていた女の子像のある山下公園を歩き、中華街で食べ歩きや夕食を楽しむ。山下公園やみなとみらい21エリアに宿泊すれば、ホテルの客室からはもちろん、横浜「大(おお)さん橋国際客船ターミナル」などへ出向くことにより、赤レンガ倉庫や観覧車、個性的な形をしたビル群の見事な夜景を眺めることができる。
みなとみらい21エリアや三溪園、八景島シーパラダイス、新横浜ラーメン博物館など好みに応じて横浜を十分堪能し、帰路につく。横浜駅の大名物、崎陽軒の「シウマイ弁当」を買い込んで新幹線に乗り込みたい。
東京・品川・新横浜、名古屋、京都・新大阪で、各地域の名物を盛り込んだ3種の「東海道新幹線50周年記念弁当」が12月末まで販売予定。東海道新幹線のオリジナルカード全50種類のうち、1枚が付いている。1000円。
ジェイアール東海パッセンジャーズ TEL.03-3273-2941
多くの人々から愛される横浜のソウルフード「シウマイ弁当」。シウマイを筆頭に、鶏唐揚げ・鮪の照り焼・筍煮など冷めてもおいしいこだわりが詰まったお弁当。800円。
崎陽軒
TEL.0120-882-380
中華街は中華まんや月餅などの中華菓子、甘栗など、おいしいものが盛りだくさん。甘栗の優良推奨店には、横浜中華街発展協同組合が選定した優良推奨プレートを掲示してあり、オススメ。
横浜中華街発展協同組合
TEL.045-662-1252
点心フェアなど食関連イベントを多数開催。中国茶マイスターから直接指導を受ける「中国茶お楽しみサロン」や親子の中華料理クッキングなど体験も。11月30日まで開催。
横浜中華街発展協同組合
TEL.045-662-1252
原則、土曜に下り、日曜(月曜が祝日・振り替え休日の場合は月曜)に上りが運行する「SL銀河」。宮沢賢治の時代をイメージしたレトロな客車も魅力 | |
遠野市の常堅(じょうけん)寺裏を流れる小川の淵「カッパ淵」には河童が多く住み、人々を驚かし、いたずらをしたと伝わる |
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遠野観光に便利な「フォルクローロ遠野」。夕食には遠野名物のジンギスカン鍋などを味わうことができ、朝食は無料 |
岩手県盛岡市内の交通公園に保存されていたSLが復元され、JR釜石線花巻~釜石間に2014年春、「SL銀河」として華々しくデビューした。東北地方の観光面からの復興支援や地域活性化も牽(けん)引する。
新花巻駅で買い込んだ「SL銀河弁当」を食べながら釜石線(SL銀河利用も可)に揺られ、まずは遠野に立ち寄る。カッパ淵や姨捨山だったといわれるデンデラ野など『遠野物語』ゆかりの地や、南部曲り家などの古民家を移築保存する「遠野ふるさと村」で民話の世界のような光景を堪能する。宿泊は遠野駅2階にある「フォルクローロ遠野」が便利。
翌日は、いよいよ「SL銀河」に乗車。遠野駅からの乗車でもいいが、SLを満喫するため、釜石駅まで向かうことにする。釜石線の前身である岩手軽便鉄道は宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』のモデルであり、SL銀河の客車はガス灯風の照明やステンドグラスなど、宮沢賢治が生きた大正から昭和の世界観を表現している。ジョバンニとカムパネルラの2人が乗っていたのも、まさにこんな列車ではなかろうかとワクワクする。
終点のひとつ手前の新花巻駅から車で3分ほどの「宮沢賢治童話村」などを見学し、東北新幹線の車内でも宮沢賢治の世界の余韻に浸ろう。
戦中・戦後の釜石で作られていた炊き込み御飯「めのこ飯」に三陸名物のウニやホタテを加え、SL時代の味付けを再現。花巻の名物である「金婚漬」やサケ、ワラビやゼンマイなどの山菜も盛りつけられている。1000円。
日本レストランエンタプライズ
TEL.0120-658-078
岩手県大船渡市小石浜で養殖されている「恋し浜ホタテ」の照り焼きがプリップリ。海草やイクラも載り、ニンジンでできたカニがかわいい。1000円。
日本レストランエンタプライズ
TEL.0120-658-078
「オリザ」は宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』に登場する穀物の名前。「注文の多いロールケーキ オリザ」は、賢治の実弟のお孫さんが命名した、花巻のケーキ店「プティシュシュ タナカ」の逸品。生地がしっとりモチモチ。1300円~。
プティシュシュ タナカ
TEL.0198-22-6650
「遠野ふるさと村」で仕込んだ「どぶろく」と地元の造り酒屋による「どべっこ」を飲んだり、郷土料理を味わったり、神楽鑑賞などを楽しめる「どべっこ祭り」。11月22・23日、2015年1月24・25日、2月21・22・28日、3月1日開催。
遠野ふるさと村
TEL.0198-64-2300