『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
700系「ひかり」。東海道・山陽新幹線から300系が引退し「ひかり」も700系とN700系の時代に
新大阪~新神戸間は乗車券類を購入し、フルムーンパスが使えない「のぞみ」にも乗ってみよう
新神戸でN700系「さくら」グリーン車に乗り継ぎ、鹿児島中央までゆったり快適に行こう
行く先々に美味待つ日本。鹿児島では名物の「キビナゴ」を味わおう。寿司で食べても旨い
南国、鹿児島もラーメンの本場。濃厚なのにさっぱりとした鹿児島ラーメンを食べてみたい
かつて西駅(西鹿児島駅)と呼ばれた鹿児島中央駅。観覧車のある駅ビルは夜景スポットに
今年、平成24年は新幹線の開業記念が相次ぐ年。3月には山陽新幹線の新大阪~岡山間が開業40周年を迎え、6月には東北新幹線の大宮~盛岡間が開業30周年、11月には上越新幹線の大宮~新潟間が開業30周年などなど。そして、九州新幹線(鹿児島ルート)も全線開業1周年となる。
節目にあたる今年、日本をつなぐ絆、新幹線すべてに乗車する旅をしてみたい。一部の例外を除き、新幹線グリーン車も乗り放題できるフルムーンパスなら、弾丸旅行さえも快適。思いのほか疲れ知らずの旅ができる。
フルムーンパスでは利用できない「のぞみ」や「みずほ」。これら列車にも必要な乗車券類を別途購入して乗ってみよう。たとえば新大阪~新神戸間の自由席であれば2人分2900円で済む。
さて、東京から「ひかり501号」で新大阪へ向かい、別途購入の乗車券・自由席特急券で「のぞみ9号」に乗り、お隣の新神戸へ。新神戸では、もともと「ひかり501号」と新大阪で接続の「さくら551号」がすぐに追いかけてくる。鹿児島中央へ快適なグリーン車でゆったり行こう。
まだ日が高い14時5分に鹿児島中央着。観光は噴煙上げる桜島へフェリーで渡ってみるのもよし、郷土のヒーロー、西郷隆盛の足跡を訪ねてみるのもいいだろう。
お楽しみはご当地グルメの夕食。「キビナゴ」をはじめ、さつま揚げ、黒豚料理などを味わい、鹿児島ラーメンで締めくくる。
桜島が目前の鹿児島。市内には温泉を備えた宿もあり、湯めぐり派のご夫婦はこちらに滞在を。
1日目●乗車距離:1463.8km 運賃合計2人分:96,940円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
新大阪~新神戸:@1,450円(乗620円 特自830円) 乗車距離36.9km ※のぞみ乗車分
新神戸~鹿児島中央:@28,630円(乗11,450円 特グ17,180円) 乗車距離874.3km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
<東京発5日間・前編 【旅の1日目】> 新幹線で1400km 南国、鹿児島へ |
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1日目 | 駅名 | 時間 | メモ |
「ひかり」「のぞみ」「さくら」に乗って鹿児島へ (鹿児島泊) ~ 700系・N700系に乗車 ~ |
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東京 発 | 6:26 | 東海道新幹線【ひかり501号】グリーン車(700系) | |
新大阪 着 | 9:30 | 【のぞみ】に乗り継ぎ (新神戸まで1駅【のぞみ】に乗車します) | |
新大阪 発 | 9:45 | 山陽新幹線【のぞみ9号】普通車自由席(N700系) ※乗車券・特急券を別途購入 | |
新神戸 着 | 9:58 | 【さくら】に乗り継ぎ | |
新神戸 発 | 10:13 | 山陽・九州新幹線【さくら551号】グリーン車(N700系) | |
鹿児島 中央 着 |
14:05 | 桜島望む鹿児島は、温泉もあり。南国の美味を! |
観光の問合せ
■鹿児島:総合観光案内所(鹿児島中央駅) TEL.099-253-2500
日本の大動脈「東海道・山陽新幹線」では、今年、山陽新幹線の新大阪~岡山間が開業40周年を迎える。一方、初代「のぞみ」として活躍した300系が引退し、より乗り心地のいい700系とN700系がメインの時代に。そして、平成24年度から、N700系を進化させた車両、N700Aの投入計画がアナウンスされている。
フルムーンパスが利用できる「ひかり」にもN700系がこれまで以上に姿を見せるようになった。グリーン車には各座席にコンセントが備えられており、パソコンもOK。
「ひかりレールスター」から九州新幹線直通N700系「さくら」に世代交代が進む山陽新幹線。「さくら」には落ち着いた雰囲気のグリーン車があり、もちろんコンセントも完備。他方、一世を風靡した500系は、現在、「こだま」で活躍中。
100系と300系が引退の東海道・山陽新幹線。今も人気の500系は山陽新幹線「こだま」として活躍中
鹿児島は市電が走る街。繁華街、天文館あたりから鹿児島中央駅へも市電で約10分と近い
博多から“在来線特急”の新幹線に乗って10分ほど。新幹線車両基地に隣接の博多南駅に着く
博多南駅のホームでは新幹線車両が間近に見える。鉄道ファンならずとも社会科見学の気分に
広島に立ち寄って、おやつはお好み焼きとビール。フルムーンパスなら途中下車も自由自在
お好み焼きが有名な広島。青ネギをどっさり盛った「ネギ焼き」もいい。大人の味がする
プランをアレンジして広島での滞在時間を延ばせば、原爆ドーム周辺に出かけることもできる
2日目はユニークな旅をしたい。鹿児島中央から「さくら」で熊本へ行き、ここで800系「つばめ」に乗り換えて博多着。博多からさらに1駅、行き「こだま」、帰り「みずほ」で小倉を往復する。フルムーンパスで利用できない「みずほ」にも別途乗車券等(自由席2人分4,100円)を購入して乗ってみよう。
N700系「みずほ605号」で11時25分、再び博多着。ここでちょっと小旅行を。『JR時刻表』の「さくいん地図」を見れば、博多から新幹線に沿って博多南線がのびている。全列車が新幹線車両なのに在来線特急として運転。ところが、特急にあるはずの「○○1号」といった愛称名がなく、仮に特急「はかた」と命名したいところ。
乗車時間10分足らずの博多南線は、新幹線のようで在来線という不思議な感覚を旅人に与えてくれる。博多南駅は新幹線の車両基地に隣接。ホームからも車両が手に取るように見え、さながら社会科見学の気分に。
博多南を後にし、ランチは博多駅で。そして、広島に立ち寄り、おやつに名物のお好み焼きを食べて東京に戻るこのプラン、フルムーンパスだからアレンジも多彩にできる。
もし博多の街をもっと楽しむのなら、16時4分発「さくら560号」で新大阪を経て、「ひかり534号」で22時10分に東京着。同じく、もっと広島で時間を作り市内散策する場合は、「さくら560号」が広島駅を17時15分に出るので、それまで3時間も余裕ができる。夫婦お好みのコースで、一旦、東京へ帰ろう。翌3日目からは北へ行く新幹線の旅が始まる。
2日目●乗車距離:1615.2km 運賃合計2人分:126,380円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
鹿児島中央~熊本:@8,250円(乗3,150円 特グ5,100円) 乗車距離170.5km
熊本~博多:@4,990円(乗2,070円 特指2,920円) 乗車距離118.4km
博多~小倉:@3,300円(乗1,110円 特指2,190円) 乗車距離67.2km
小倉~博多:@2,050円(乗1,110円 特自940円) 乗車距離67.2km ※みずほ乗車分
博多~博多南:@290円(乗190円 特自100円) 乗車距離8.5km
博多南~博多:@290円(乗190円 特自100円) 乗車距離8.5km
博多~広島:@12,190円(乗4,940円 特グ7,250円) 乗車距離280.7km
広島~新大阪:@13,440円(乗5,460円 特グ7,980円) 乗車距離341.6km
新大阪~東京:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
<東京発5日間・前編 【旅の2日目】> 博多南も広島も、新幹線で寄り道 |
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2日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
「つばめ」「こだま」「みずほ」も乗って、東京へ (自宅泊) ~ 500系、700系、N700系、800系に乗車 ~ |
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鹿児島 中央 発 |
8:03 | 九州新幹線【さくら544号】グリーン車(N700系) | |
熊本 着 | 9:00 | 【つばめ】に乗り継ぎ | |
熊本 発 | 9:06 | 九州新幹線【つばめ336号】普通車指定席(800系) | |
博多 着 | 9:55 | 【こだま】に乗り継ぎ | |
博多 発 | 10:22 | 山陽新幹線【こだま742号】普通車指定席(700系) | |
小倉 着 | 10:40 | 【みずほ】に乗り継ぎ、博多へ戻ります | |
小倉 発 | 11:09 | 山陽・九州新幹線【みずほ605号】普通車自由席(N700系) ※乗車券・特急券を別途購入 | |
博多 着 | 11:25 | 博多南駅へ行ってみよう! | |
博多 発 | 11:33 | 名もない“新幹線”(列車番号731A)普通車自由席(500系) | |
博多南 着 | 11:42 | 新幹線車両基地が目の前!博多南駅を“見学” | |
博多南 発 | 12:09 | 名もない“新幹線”(列車番号746A)普通車自由席(500系) | |
博多 着 | 12:18 | 乗り継ぎの時間を利用して、博多駅でランチ | |
博多 発 | 13:04 | 山陽・九州新幹線【さくら554号】グリーン車(N700系) | |
広島 着 | 14:14 | 広島で、おやつタイム | |
広島 発 | 15:10 | 山陽・九州新幹線【さくら556号】グリーン車(N700系) | |
新大阪 着 | 16:44 | 東海道新幹線に乗り継ぎ | |
新大阪 発 | 17:13 | 東海道新幹線【ひかり530号】グリーン車(N700系) | |
東京 着 | 20:10 | 自宅泊 |
観光の問合せ
■広島:広島市観光案内所 TEL.082-247-6738
平成24年春、全線開業1周年の九州新幹線鹿児島ルート。部分開業だった時の800系「つばめ」に加え、山陽新幹線と直通のN700系「みずほ」と「さくら」が仲間入りし、賑やかさが増した。フルムーンパスでは「みずほ」は利用できないが、「さくら」はOK。速度は「みずほ」には及ばないものの、新大阪~鹿児島中央間(およそ900km)で、到達時間の差は30分ほど。「さくら」もなかなかの弾丸列車といえる。
九州新幹線では、N700系にはグリーン車もあるが、800系にはない。しかし、800系の普通車は横4席とグリーン車に負けない雰囲気。「つばめ」と「さくら」の一部に使用されており、800系にも乗車してみたい。『JR時刻表』九州新幹線区間で「6両」と表記されている列車が800系のもの。旅程に組み込む際はぜひご確認を。
九州新幹線800系。グリーン車はないが、普通車は2+2の横4席でグリーン車並みに快適だ