『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
東京駅で発車を待つ700系新幹線「ひかり」。「ひかり」で新大阪へ行き「さくら」に乗り継ぐ
N700系新幹線「さくら」のグリーン車。ヘッドレスト(枕状の頭あて)付きの座席は快適だ
博多や小倉と別府、大分を結ぶ特急「ソニック」。ブルーメタリックの車体はロボットさながら
リゾート地、由布院への旅で人気の特急「ゆふいんの森」。格調ある独特のスタイルをしている
由布院の宿、部屋付き露天風呂にのんびりと浸る。源泉かけ流しの湯はさらりとして心地いい
宿の夕食(部屋食)は、盛り付けもおしゃれで美味。夫婦二人、水入らずでいただく
人生80年といわれる今、人々は結婚をあまり急がなくなった。晩婚化の傾向は、結婚した途端にフルムーンパスが使える幸せな新婚カップルも生んでいる。ハネムーンがフルムーン。フルムーンパスなら二人の門出、めでたい旅がグリーン車で乗り放題、しかも、おトクにできる。
今回はフルムーンパス利用の新婚旅行、いわば“新婚フルムーン”におすすめのプランをご紹介。まだ新婚旅行に出かけていなかったご夫婦や、昭和の頃、新婚旅行をされたご夫婦も、新婚時代の気分に戻り、平成の“新婚フルムーン”にお出かけを。
東京から東海道新幹線で新大阪へ、新大阪で山陽新幹線に乗り継いで九州に入る。由布院へのルートは、博多・久留米経由と、別府・大分経由があるが、人気の列車、特急「ゆふいんの森」の運行ダイヤに合わせ、今回は別府・大分経由を選択。
良質の温泉を備えた大人向けの宿が多い由布院。源泉かけ流しの露天風呂が付いた客室を予約し、“新婚フルムーン”最初の夜を贅沢に、ゆったりと過ごしたい。
昭和の頃(1960年代)、九州・宮崎へのハネムーンが一大ブームとなった。宮崎を流れる大淀川やフェニックス並木の魅力は今も変わらず、もし宮崎に滞在されるのなら、新大阪からの「さくら551号」でそのまま鹿児島中央(14時5分着)へ向かい、同駅14時28分発の特急「きりしま12号」に乗れば、宮崎には16時27分着。南国の夕暮れ、情熱的な光景は二人の心にきっと残るだろう。
1日目●乗車距離:1283km 運賃合計2人分:88,620円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
新大阪~小倉:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離555.1km
小倉~別府:@5,150円(乗2,420円 特グ2,730円) 乗車距離120.8km
別府~由布院:@2,380円(乗1,080円 特指1,300円) 乗車距離54.5km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
<東京発5日間・前編【旅の1日目】> |
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1日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
九州、由布院へ(由布院温泉泊) ~ 700系、N700系に乗車 ~ |
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東京 発 | 6:26 | 東海道新幹線【ひかり501号】グリーン車(700系) | |
新大阪 着 | 9:30 | 山陽新幹線に乗り継ぎ | |
新大阪 発 | 9:59 | 山陽新幹線【さくら551号】グリーン車(N700系) | |
小倉 着 | 12:21 | 駅弁を買って、乗り換え | |
小倉 発 | 13:09 | 特急【ソニック23号】グリーン車 | |
別府 着 | 14:27 | 別府始発の特急に乗り継ぎ | |
別府 発 | 14:41 | 特急【ゆふいんの森4号】普通車指定席 | |
由布院 着 | 15:46 | 人気の由布院温泉でゆったり |
観光の問合せ
■由布院:由布院観光総合事務所 TEL. 0977-85-4464
九州新幹線(鹿児島ルート)が全線開業し、ぐんと便利になった九州。1960年代には宮崎が新婚旅行のメッカとなったが、日本初の新婚旅行をしたとされる坂本龍馬夫妻は、薩摩地方(霧島山、鹿児島など)を旅している。
平成の今、九州の新婚旅行先として本プランでは由布院温泉の滞在としたが、まだまだ多くの好適地がある。たとえば、懐かしい昭和の新婚旅行を“再現”し、宮崎や日南地方をめぐるのもいい。坂本龍馬ファンであれば、彼の足跡をたどってみよう。オランダ坂や天主堂に代表される異国情緒に満ちた長崎、ここにも亀山社中に龍馬の余韻が残っている。
温泉旅行派なら別府・鉄輪(かんなわ)温泉(大分県)を筆頭に、リゾート地として歴史深い雲仙温泉(長崎県)もおすすめ。また、指宿(いぶすき)温泉(鹿児島県)で夫婦一緒に「砂むし」を体験するのも良き思い出になるだろう。
長崎のオランダ坂。新婚フルムーンで長崎へ来たら異国情緒あふれる坂道をぜひ歩いてみたい
由布院温泉の朝ごはん。いい湯にひたれば食欲も全開。ごはんもおかわりして完食!
由布院駅ホームの足湯。料金は大人160円。足湯を楽しみながら列車を待つのも旅ならでは
普通列車に乗って由布院から大分へ。真っ赤な愛らしいディーゼルカーは軽快に走っていく
新大阪に到着の山陽新幹線N700系「さくら」。流れるような先頭部分、赤いライトが美しい
食の都・食い倒れの都・大阪。夕刻、さまざまな味覚が集まる道頓堀界隈に明かりが灯る
大阪名物、法善寺横丁の夫婦善哉。仲良く並ぶお椀のように、仲の良い夫婦でありたく思う
由布院温泉で迎えた朝。露天風呂に浸り、朝食をいただき、ゆっくりチェックアウト。ところで、由布院は湯布院と書くことも。由布院温泉の所在地もややこしく、現在は「大分県由布市湯布院町」にある。表記はさておき、湯の坪街道など二人で散策しよう。
食の都・大阪に行く旅の2日目。由布院を11時41分発の普通列車で出発し大分へ。大分で12時45分発の特急「ソニック32号」に乗り継ぐが、乗り換え時間が3分と短いので行動は迅速に。また、由布院を一つ前の列車、11時7分発の普通列車に乗車すれば大分12時1分着。こちらなら乗り換え時間もたっぷりとれる。
前夜、宮崎にお泊りのご夫婦は、宮崎9時37分発の特急「にちりん8号」にご乗車を。大分には12時39分に到着し、特急「ソニック32号」に合流できる。
小倉で山陽新幹線に乗り換え、新大阪には16時44分到着。江戸時代から「京の着倒れ、大阪の食い倒れ…」といわれるほど、おいしいものがいっぱいの大阪。たこ焼き、お好み焼きに、串かつ、どて焼き、きつねうどん等々、数々の庶民派グルメから高級料理まで実に多彩な食文化を誇る。大阪の元気の源は豊かな食にこそあるのだろう。
夫婦で大阪を食べ歩き、デザートにはぜひ名物の夫婦善哉(めおとぜんざい)を味わってみたい。
由布院の静かな夜と大阪の賑やかな夜。対照的な時間が楽しめるのもフルムーンパスの旅ならではだ。
2日目●乗車距離:730.4km 運賃合計2人分:48,900円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
由布院~大分:@910円(乗910円) 乗車距離42.4km
大分~小倉:@5,150円(乗2,420円 特グ2,730円) 乗車距離132.9km
小倉~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離555.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
<東京発5日間・前編【旅の2日目】> 由布院温泉から食の都・大阪へ |
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2日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
由布院から大阪へ(大阪泊) ~ N700系に乗車 ~ |
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由布院 発 | 11:41 | のんびり普通列車で出発 | |
大分 着 | 12:42 | 大分始発の特急にサクッと乗り換え | |
大分 発 | 12:45 | 特急【ソニック32号】グリーン車 | |
小倉 着 | 14:03 | 山陽新幹線に乗り換え | |
小倉 発 | 14:22 | 山陽新幹線【さくら556号】グリーン車(N700系) | |
新大阪 着 | 16:44 | 食の都・大阪の夜を堪能 |
観光の問合せ
■大阪:大阪観光コンベンション協会 TEL. 06-6282-5900
■大阪:大阪市ビジターズインフォメーションセンター新大阪(JR新大阪駅3階) TEL. 06-6305-3311
1970年代の中頃、「アンノン族」と呼ばれた若い女性が各地を旅していた。彼女たちも今ではフルムーン世代となったが、その代表的な旅行先といえば中国地方。かつて「アンノン族」が押し寄せた萩(山口県)、津和野(島根県)、倉敷(岡山県)の魅力は今も変わらず、おすすめしたい。また、昭和の懐かしさ漂う尾道(広島県)や、妖怪アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』ゆかりの境港(鳥取県)も楽しめると思う。
四国地方ではグルメ旅。さぬきうどんを高松(香川県)で味わい、徳島では徳島ラーメン、高知ではカツオをいただき、松山(愛媛県)では鯛料理といきたい。そして、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋では、島々を眺めながら「瀬戸の花嫁」を口ずさもう。
温泉旅行派なら道後温泉(愛媛県)や玉造温泉(島根県)に泊まりたい。玉造温泉は美人の湯としても知られている。
瀬戸内海に面した岡山県笠岡の夕景。新婚フルムーンでは港町や瀬戸の島々をめぐる旅もオススメ