『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅日本の秋、紅葉狩りフルムーン~東北・北海道、京都・山陰。燃ゆる秋の旅~

  • 1日目|東北の秋を眺め一路、北海道へ
  • 2日目|大沼公園を訪ね秋景色を楽しむ
  • 3日目|深まる秋の京都夫婦で紅葉狩り
  • 4日目|京都から山陰へ三朝温泉に滞在
  • 5日目|秋の松江を散策新幹線で東京へ

1日目|みちのく宮城でマグロ丼を味わい弾丸列車で、一路、秋の北海道へ|東北新幹線・仙石線[東京⇒本塩釜]/仙石線・東北新幹線・奥羽本線・津軽線・津軽海峡線・江差線[本塩釜⇒函館]

  • 明るく落ち着いた雰囲気のE5系グリーン車。ヘッドレスト(枕)つきのシートは実に快適

  • 塩釜(塩竃)で食べた「マグロ二色丼」。すき身と炙りが丼に盛られ、さながら紅葉のよう

  • 鹽竈(しおがま)神社、鳥居と紅葉。例年、10月末頃から色づき始め、見頃は11月だという

  • 仙石線「マンガッタンライナー」が本塩釜駅に到着。ヒーローはいつ見てもかっこいいもの

  • 函館で食べた「ジンギスカン」。「ジンギスカン」は北海道に来るとなぜか食べたくなる

  • 夜景が美しい街、函館。元町界隈ではライトアップされた教会がエキゾチックな夜に浮かぶ

 天高く馬肥ゆる秋、日本列島はあでやかな紅葉の季節。速くて快適な新幹線に乗って、紅葉狩りも温泉も、そして、グルメも楽しむ5日間の夫婦旅に出かけてみませんか。

 旅の前半は1泊2日で東北と北海道をめぐり、後半は2泊3日で京都と山陰へ。おりしも山陰地方では12月31日まで「山陰デスティネーションキャンペーン」が開催されている。キャンペーンにちなみ、コラムでは山陰の魅力をあれこれご紹介。

 旅の初日、宮城でマグロを食べ、北海道まで足を延ばそう。東京8時56分発「はやて19号」で仙台へ。ここで仙石線に乗り換えて本塩釜に向かう。『JR時刻表』にあるように、仙台駅での乗り換え標準時間は、仙石線は10分と他のJR線よりも2分多めになっている。これは仙石線が地下ホームにあるため。本プランでは乗り換えにゆとりを持たせたが、“仙台駅の達人”なら10分もかからずに乗り換え可能。その場合、仙石線の電車は1本前のものに乗れると思う。

 さて、本塩釜では名物のマグロをランチにいただこう。生マグロ水揚げ日本一というだけあって、お寿司によし、丼によし、ぜひお好みの店でご堪能を。ところでこの「しおがま」、JRの駅は「塩釜」と書き、自治体名は「塩竈市」、そして、紅葉名所の「鹽竈神社」となると本当に画数が多い。食後は紅葉狩りかたがた参拝し、21画もある「竈」の字の書き順を夫婦でなぞってみるのも面白い。

 仙台に戻り、「はやて27号」と「スーパー白鳥27号」に乗って北海道へ。函館到着は18時53分、翌2日目は道南の紅葉スポット、大沼公園が待っている。

1日目●乗車距離:909km 運賃合計2人分:72,820円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~仙台:@14,080円(乗5,780円 特グ8,300円) 乗車距離351.8km
仙台~本塩釜:@320円(乗320円) 乗車距離15.5km
本塩釜~仙台:@320円(乗320円) 乗車距離15.5km
仙台~新青森:@14,190円(乗6,090円 特グ8,100円) 乗車距離361.9km
新青森~函館:@7,500円(乗3,150円 特グ4,350円) 乗車距離164.3km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「紅葉狩りフルムーン」1日目
塩釜(塩竈)でランチを食べ、函館へ[函館泊]
東北の秋を眺め、一路、北海道へ

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発着駅 時間 メモ
塩釜(塩竈)でランチを食べ、函館へ
(函館泊)
~ E5系、E2系に乗車 ~
東京 発 8:56 東北新幹線【はやて19号】グリーン車(E5系)
仙台 着 10:37 在来線に乗り換え
仙台 発 11:07 仙石線快速電車
本塩釜 着 11:24 マグロ丼を食べ、紅葉さんぽ
本塩釜 発 13:43 仙石線快速電車
仙台 着 14:08 新幹線に乗り換え
仙台 発 14:38 東北新幹線【はやて27号】グリーン車(E2系)
新青森 着 16:33 在来線に乗り換え
新青森 発 16:41 特急【スーパー白鳥27号】グリーン車
函館 着 18:53 この日は函館泊

旅のメモ

観光の問合せ
■塩竈:塩竈市観光物産協会 TEL.022-364-1165
■函館:函館市観光案内所(JR函館駅内) TEL.0138-23-5440

山陰あれこれガイド 1 山陰の観光地

 「山陰デスティネーションキャンペーン」(平成24年12月31日まで開催)にちなんだコラムの第1弾は、鳥取&島根で行きたい観光地。
 まず鳥取県では、砂漠のような光景が海辺に広がる鳥取砂丘。南北2.4km、東西16km、高低差は最大90m、日本三大砂丘の一つという。続いて、県西部の境港も面白い。『ゲゲゲの鬼太郎』の作者、水木しげるさんの出身地だが、ここは妖怪による町おこしがユニークで、いわば町全体が妖怪のテーマパークみたい。
 お隣の島根県では、神話や“縁結びの神様”として知られる出雲大社が筆頭にあげられるだろう。また、松江市内から望む宍道湖(しんじこ)の夕日も美しい。松江は城下町であり、そのシンボル、松江城は山陰地方で唯一、堂々たる天守閣を備えている。
 島根には世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」もあり、銀山周辺を歩くのもいい。

山陰地方を代表する観光スポットでもある「出雲大社」。縁結びの神様として知られている

2日目|大沼公園の雄大な秋景色に癒されE5系「はやぶさ」で一旦、東京へ|函館本線[函館⇔大沼公園]/江差線・津軽海峡線・津軽線・奥羽本線・東北新幹線[函館⇒東京]

  • 函館のホテル、朝食バイキングにイクラや地元産タラコ等が並び「勝手丼」にしていただく

  • 景勝地、大沼の玄関、JR大沼公園駅は愛らしい駅舎。函館からも近く特急列車で20分ほど

  • ナナカマドが大沼でも赤く色づいていた。漢字で「七竈」と書くが、「竈」の字がまた登場!

  • のんびり水辺を散策し、大沼の地ビールで渇いた喉をうるおす。北海道で飲むビールは旨い!

  • 北海道名物の一つ「大沼だんご」を大沼公園駅そばのお店で購入。紅葉の包み紙も秋らしい

  • 特急「スーパー北斗12号」が大沼公園駅にやってきた。ブルーの車体は秋空のように精悍だ

 函館で迎えた2日目の朝。まずはしっかりと朝食を。季節は秋、北海道らしく「アキアジ」と呼ばれる鮭やイクラも食べたい。宿によってはバイキング形式の朝食に地元食材が並び、イクラやイカ刺しなどで「勝手丼」が楽しめるところも。これはおすすめ!

 道南を代表する観光スポット、大沼公園。函館からもことのほか近く、特急「スーパー北斗7号」ならわずか19分、ほんの少しの時間で駒ヶ岳が雄大にそびえる大沼の風景と出会える。大沼ではゆったりと過ごしたい。

 広大な大地、北海道。秋の風景もスケールが大きい。大沼あたりでは例年10月中旬から11月上旬が紅葉の見頃となるが、たとえ見頃ではなくとも、初秋なら秋の気配を感じ、晩秋なら冬の足音が聞こえる。大沼の散策路を夫婦で歩けば、イタヤカエデやナナカマドのふとした変化にも気づき、ささやかな秋の旅情に心癒されるだろう。

 散策の後は地ビールや名物の「大沼だんご」。「大沼だんご」は特急の車内販売でも購入できるが、大沼のお店であれば胡麻味のものも販売されている。大沼の小島に見立てた「大沼だんご」、紅葉の包み紙まで秋らしい。

 東北新幹線の新青森延伸やE5系「はやぶさ」の登場により、大沼公園は東京からも近くなった。「スーパー北斗12号」、「スーパー白鳥40号」、「はやぶさ6号」と乗り継げば、およそ6時間で東京に帰ってこられる。

 この日は自宅をホテル代わりとするが、一時帰宅しない派の方々は寝台特急にご乗車を。函館からであれば「北斗星」、新青森からであれば「あけぼの」の利用が便利だ。

2日目●乗車距離:934km 運賃合計2人分:67,200円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
函館~大沼公園:@2,370円(乗530円 特グ1,840円) 乗車距離28.0km
大沼公園~函館:@2,370円(乗530円 特グ1,840円) 乗車距離28.0km
函館~新青森:@7,500円(乗3,150円 特グ4,350円) 乗車距離164.3km
新青森~東京:@21,360円(乗9,870円 特グ11,490円) 乗車距離713.7km ※「はやぶさ」の運賃
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「紅葉狩りフルムーン」2日目
名勝、大沼で紅葉狩りを楽しみ、東京へ[自宅泊]
大沼公園を訪ね、秋景色を楽しむ
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発着駅 時間 メモ
名勝、大沼で紅葉狩りを楽しみ、東京へ(自宅泊)
~ E5系に乗車 ~
函館 発 10:40 特急【スーパー北斗7号】グリーン車
大沼公園 着 10:59 名勝地、大沼公園をゆったり観光
大沼公園 発 15:17 特急【スーパー北斗12号】グリーン車
函館 着 15:38 乗り換え
函館 発 15:55 特急【スーパー白鳥40号】グリーン車
新青森 着 17:56 東北新幹線に乗り換え
新青森 発 18:14 東北新幹線【はやぶさ6号】グリーン車(E5系)
東京 着 21:24 この日は自宅泊

旅のメモ

観光の問合せ
■大沼公園:大沼観光案内所 TEL.0138-67-2170

山陰あれこれガイド 2 山陰の味覚

 山陰地方にもおいしい食べものがたくさんある。お腹いっぱい食べて帰ろう。
 二十世紀ナシ、らっきょうで知られる鳥取では、豆腐と魚のすり身でこしらえた「とうふちくわ」に注目。そして、カレールウの消費量日本一を競うほど鳥取はカレー好きの街。当地のカレーにトライしてみるのもいい。鳥取県中部では「牛骨ラーメン」がご当地ラーメンとして名をあげ、また、境港などでは日本海の幸、松葉ガニ(ズワイガニ)が11月上旬からシーズンに。
 島根にも美味が控えている。まずは宍道湖七珍(しんじこしっちん)。スズキ、シラウオ、コイ、ウナギ、モロゲエビ、アマサギ、シジミを指すが、このうち1つでも2つでも食べてみたい。鳥取がラーメンなら、島根はそばだ。伝統の「出雲そば」もぜひ味わってみたい。

「とっとり松葉がに」のタグも誇らしげな境港産ズワイガニ。11月上旬からシーズンとなる

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