『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
名古屋駅に到着の東海道新幹線700系。西へも東へも行きやすい名古屋駅から夫婦旅が始まる
「外湯めぐり」が人気の城崎温泉。駅周辺にも「外湯」があり、少しの時間でも湯が楽しめる
3月中旬頃までは地物のカニも名物の城崎。ピンクのタグがついた「柴山がに」もおいしそう!
日本三景・天橋立。駅からほど近い展望台に行けば、天に昇る龍のように砂州が続いていた
天橋立ではぜひ夫婦で「股のぞき」も。こうやって眺めると本当に天に昇る龍のように見える
特急「きのさき20号」は新型車両287系電車で運転。グリーン車は横3席(1席+2席)とゆったり
日本列島の中央に位置する中部地方。その中心、名古屋はフルムーンパスの旅を始めるのにも絶好のところ。名古屋より東にある東京は西へ行くのにちょっと時間がかかり、名古屋より西にある大阪は反対に東へ行くのにちょっと時間がかかる。
新青森から鹿児島中央まで新幹線ネットワークが広がった今、名古屋ほど「地の利」に恵まれ、東へ西へと旅が楽しめる都市もない。5日間用フルムーンパスを利用し、日本三景もグルメも楽しむ名古屋発着の「でらうま」(すごくおいしいの意)フルムーン、おすすめです!
旅の初日は城崎温泉から日本三景・天橋立をめぐる日帰り旅。このコース、東京からでは日帰りは難しいが、名古屋からなら楽々可能。名古屋6時51分発の「こだま691号」に乗車すれば11時前には城崎温泉に到着。ここ城崎は「外湯めぐり」で知られる温泉地。駅近くの外湯で湯あみをし、ランチといこう。
午後は城崎から日本三景・天橋立へ。途中の豊岡からの区間は、かつては国鉄線、JR西日本線だったが、今は第三セクター線。フルムーンパスの効力外のため、別途運賃が必要になる。
宮津湾と阿蘇海とを南北に隔てる砂州、天橋立。伊射奈芸命(いざなぎのみこと)が天に通う橋を立てたという独特の景観はまさに必見。特に「股のぞき」と呼ばれる股越しの光景も圧巻で、天橋立らしさが一段と引き立つ。
帰路は福知山から京都経由で。名古屋には19時59分の到着。翌2日目からは中国地方や九州を周遊する2泊3日旅が始まる。
1日目●乗車距離:709.1km 運賃合計2人分:59,820円 ※北近畿タンゴ鉄道分を含む
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
名古屋~新大阪:@8,340円(乗3,260円 特グ5,080円)乗車距離186.6km
新大阪~城崎温泉:@7,610円(乗3,260円 特グ4,350円)乗車距離187.5km
城崎温泉~豊岡:@190円(乗190円)乗車距離9.6km
豊岡~天橋立:@1,160円(乗1,160円)乗車距離54.5km ※北近畿タンゴ鉄道線
天橋立~福知山:@1,380円(乗750円 普自630円)乗車距離34.8km ※北近畿タンゴ鉄道線
福知山~京都:@3,630円(乗1,450円 特グ2,180円)乗車距離88.5km
京都~名古屋:@7,600円(乗2,520円 特グ5,080円)乗車距離147.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
名古屋発5日間・前編【旅の1日目】 |
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1 日 目 |
発着駅 | 時間 | メモ |
城崎温泉&天橋立、日帰り旅(自宅泊) |
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名古屋 発 | 6:51 | 東海道新幹線【こだま691号】グリーン車(700系) | |
新大阪 着 | 7:53 | 乗り換え | |
新大阪 発 | 8:06 | 特急【こうのとり1号】グリーン車(381系) | |
城崎温泉 着 | 10:54 | ランチ&立ち寄り入浴 | |
城崎温泉 発 | 13:04 | 山陰本線、快速列車 | |
豊岡 着 | 13:14 | 乗り換え | |
豊岡 発 | 13:33 | 北近畿タンゴ鉄道、普通【丹後あかまつ2号】自由席(※別途運賃1人1,160円) | |
天橋立 着 | 14:50 | 日本三景「天橋立」では「股のぞき」を! | |
天橋立 発 | 16:38 | 北近畿タンゴ鉄道、特急【たんごリレー6号】自由席(※別途運賃1人1,380円) | |
福知山 着 | 17:15 | 乗り換え | |
福知山 発 | 17:28 | 特急【きのさき20号】グリーン車(287系) | |
京都 着 | 18:49 | 乗り換え | |
京都 発 | 19:09 | 東海道新幹線【こだま682号】グリーン車(N700系) | |
名古屋 着 | 19:59 | この日は自宅泊 |
観光の問合せ
■城崎温泉:
城崎温泉観光協会 TEL. 0796-32-3663
■天橋立:
天橋立観光協会 TEL. 0772-22-8030
日本の真ん中近くに位置する名古屋。新幹線ネットワークの発達とあいまって、名古屋の日帰り圏もどんどん拡大中。なんと、北海道も日帰り可能に!
名古屋を朝7時18分発の「ひかり504号」に乗車すれば、途中、東京、新青森で列車を乗り継ぎ、函館には14時58分に到着する。
函館で食事を楽しみ、約1時間後、函館15時55分発の「スーパー白鳥40号」に乗車すれば、往路同様、新青森、東京と2回の乗り継ぎで、名古屋には23時49分に帰着。
名古屋から鉄道利用で北海道日帰り往復は昔だったら絶対に不可能の世界。ところが、東海道新幹線と東北新幹線の連携によって現在は可能に!
やがて北海道までネットワークを広げていく新幹線。函館での滞在時間もさらに拡大し、観光もグルメももっと楽しめるようになるのだろう。
新青森・青森~函館間を走る「スーパー白鳥」は、青函トンネルをくぐり本州と北海道を結ぶ列車
朝の清々しい空気に満ちた東海道新幹線700系グリーン車。ゆったりとくつろぎつつ新大阪へ
日本三景・宮島への玄関となる山陽本線宮島口駅。ここからフェリー乗り場までは徒歩約6分
JR西日本宮島フェリーで宮島へ渡る。時間帯によっては大鳥居に接近する「大鳥居便」で運航
宮島に立つ日本三景碑。日本三景はいずれも海辺の景勝地、穏やかな風景が心にしみてくる
宮島の海に浮かぶ嚴島神社の大鳥居。ここはかつてフルムーンパスのポスター等にも登場
豚骨醤油スープの広島ラーメン。名物、お好み焼きを味わった後、〆の一杯に食べてみたい
フルムーンパスの大きな特徴の一つ、それは東海道新幹線も利用できること。「のぞみ」には乗車できないものの、「ひかり」や「こだま」はOK、快適なグリーン車の旅は時間の流れがとても速く感じられる。
2日目は名古屋から日本三景・宮島を訪ね、広島市内に宿泊するコース。名古屋を8時44分に出発すれば、途中、新大阪、広島で列車を乗り継ぎ、宮島口には12時26分の到着。さて、ここからはフルムーンパスが利用できるJR西日本宮島フェリーに乗って宮島へ。わずか10分の船旅とはいえ、瀬戸の穏やかな風景に心が躍る。そして、時間帯によっては宮島のシンボル、朱塗りの大鳥居が間近に見える航路をとるのもうれしいポイントだ。
日本三景であるとともに世界遺産にも登録されている宮島、嚴島神社。一方、周辺は日本有数のカキ(牡蠣)の産地としても名高い。この見どころ食べどころ満載の宮島では、滞在時間を4時間以上も確保。平清盛ゆかりの嚴島神社もじっくりと拝観できる。そして、もし潮が引いていれば、大鳥居まで歩いて行くこともOK。高さ約16m、奈良の大仏とほぼ同じ高さの大鳥居、すぐそばで見上げれば、スケールの大きさに圧倒される。
夕方近く、再びJR西日本宮島フェリーに乗って島を離れ、山陽本線で広島へ。広島というとお好み焼きが有名。また、広島ラーメンも根強い人気を誇っている。豚骨醤油スープの広島ラーメン。春告鳥の「うぐいす」など鳥の名の店が多く、「鳥系」という別名も。広島ではこちらも味わってみては。
2日目●乗車距離:573.8km 運賃合計2人分:45,840円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
名古屋~新大阪:@8,340円(乗3,260円 特グ5,080円)乗車距離186.6km
新大阪~広島:@13,440円(乗5,460円 特グ7,980円)乗車距離341.6km
広島~宮島口:@400円(乗400円)乗車距離21.8km
宮島口~宮島:@170円(乗170円)乗船距離1.0km(営業キロ)※JR西日本宮島フェリー
宮島~宮島口:@170円(乗170円)乗船距離1.0km(営業キロ)※JR西日本宮島フェリー
宮島口~広島:@400円(乗400円)乗車距離21.8km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
名古屋発5日間・前編【旅の2日目】 | |||
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2 日 目 |
発着駅 | 時間 | メモ |
安芸の宮島、広島へ (広島泊) ~ N700、700系に乗車 ~ |
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名古屋 発 | 8:44 | 東海道新幹線【こだま697号】グリーン車(700系) | |
新大阪 着 | 9:50 | 乗り換え | |
新大阪 発 | 9:59 | 山陽新幹線【さくら551号】グリーン車(N700系) | |
広島 着 | 11:26 | 乗り換え(荷物はコインロッカーに預けましょう) | |
広島 発 | 12:00 | 山陽本線、普通列車 | |
宮島口 着 | 12:26 | 乗り換え | |
宮島口 発 | 12:40 | JR西日本宮島フェリー(この時間帯は「海から参拝大鳥居便」です) | |
宮島 着 | 12:50 | ランチ、そして、日本三景「宮島」を散策 | |
宮島 発 | 17:10 | JR西日本宮島フェリー | |
宮島口 着 | 17:20 | 乗り換え | |
宮島口 発 | 17:38 | 山陽本線、普通列車 | |
広島 着 | 18:06 | この日は広島泊 |
観光の問合せ
■宮島:
宮島観光協会 TEL. 0829-44-2011
■広島:
広島市観光案内所(広島駅南口) TEL. 082-261-1877
名古屋からの日帰りフルムーン。北海道の函館まで日帰り圏に入っている今、それより手前の東北地方は本当に行きやすい。
桜が咲き出す季節、東北有数の桜名所、青森県の弘前であれば、函館へ行く時と同じ列車、名古屋7時18分発の「ひかり504号」に乗り、途中、東京、新青森で列車を乗り継げば、弘前には13時26分の到着。弘前ではなんと4時間以上も時間が確保でき、お花見にしても弘前城あたりで存分にできる。
帰路は弘前17時45分発の「つがる53号」に乗車、往路同様の乗り継ぎで、名古屋には23時49分の到着。
また、同じく桜名所の角館(秋田県)であれば、秋田新幹線の停車駅のため、乗り換えも東京駅での1回きりと楽々。名古屋をほぼ同時刻の発着で、角館での滞在時間は5時間近くもとれ、武家屋敷も桜も満喫できる。
新青森・青森と弘前方面を結ぶ特急「つがる」。今では弘前は名古屋からも日帰り圏になった