会津の城下町・会津若松は懐が深くてアツイ。再建された漆喰の白壁に赤瓦の鶴ケ城。城を守るべく戦った白虎隊(びゃっこたい)。大正浪漫の雰囲気漂う七日町(なぬかまち)通りで伝統を守り続ける人々。どこに行っても会津人の想いがビンビン伝わってくる。だから、城を見上げ、町を歩いているだけで、自分までホットになってくる。旅が始まる前に悩んでいたちっぽけな悩み。バカらしくなって、笑い転げる。老舗の暖簾をくぐり、美酒に酔いしれる。会津東山温泉でサラサラの湯に浸かるころには、心も身体もポッカポカ。 これぞ、なでしこ流道楽!
鶴ケ城天守閣の威風堂々とした姿にうっとり。これが戊辰(ぼしん)戦争の際に1カ月もの籠城に耐え、難攻不落の城として知られる名城の威厳!? もちろん往時のままの姿ではないが、白虎隊も見上げた赤瓦がよみがえり、歴女でなくとも思わず幕末に想いをはせてしまう。園内には千利休の子・少庵(しょうあん)が建てたといわれる茶室「麟閣(りんかく)」があり、抹茶も楽しめる。
七日町の旅籠として古くから親しまれてきた料理旅館。館内に入ると、会津の民芸品や古美術品が陳列され、華やかさと郷土感が同居した空間が妙に落ち着く。お目当ての郷土料理「めっぱめし」は四季で具が変わり、夏ならぎっちり詰まった枝豆だ。小鉢とこづゆがセットになった「会津おもてなし膳」1944円(写真右)もおススメ。
○11時30分~13時45分L.O.、17時30分~20時30分L.O.、不定休
○只見線七日町駅から徒歩7分趣ある会津若松の建造物のなかでも美しく、第一回福島県建築文化賞を受賞したのが、創業180年以上続く老舗の鈴善漆器店。ここでは日本独自の技法「蒔絵(まきえ)」の絵付け体験ができる。まずは下書きで絵柄を決め、細い筆で漆器に描いていく。集中しないと、筆が思わぬ方向に。プロのようにはいかないが、世界でたったひとつの器はワタシのお気に入り。
美酒なくして女子旅なし。会津の水、会津の米、会津の人々が造りあげた正真正銘の地酒をいただこう。木造3階建て、鬼瓦の末廣酒造。エントランスを入ると開放感のある吹き抜けで、ここからぐるりと酒蔵見学できる。見学の後は試飲ができる酒蔵ショップ(写真左)や大吟醸のシフォンケーキ(写真右)が食べられる酒蔵カフェ「杏(きょう)」があり、旅の初日の最後にエネルギーチャージ!
風に当たりながら川の流れに、耳を傾ける。夕暮れ時の心地よいひとときを一層盛り上げてくれるのが、春から秋にかけて湯川沿いに設けられる「川どこ」
(写真右上)。薄暮に浮かぶ幽玄の空間での食事は格別だ。自家源泉かけ流しの湯でお肌を整え、宿のおしゃれ浴衣を着て季節限定の野外ダイニングで福島の味覚に舌鼓――これこそ女子旅のゼイタク。
○磐越西線会津若松駅からタクシー15分
暮らす人々が温かい心でもてなしてくれた会津若松。旅の2日目は、只見線から直通の会津鉄道で約1時間、南会津へ。目の前に広がる自然がワタシを優しく包んでくれる。新緑のような青々とした草原にピンクの花々が顔をのぞかせ、可憐に風になびくヒメサユリ――別名オトメユリ。その艶やかな名前が示す通り、濃厚で甘い花の香りがする。自然だけが与えてくれる開放感たっぷりの空気を胸いっぱいに吸い込んで、明日へのエネルギーを充電していこう。
ヒメサユリが自生する高清水自然公園。例年6月中旬から7月上旬(平成28年は6月末まで)、標高850メートルの山の上7ヘクタールに100万本の花が咲く。日本特有のユリで、野生種は環境省のレッドリストにあがる貴重な花だ。散策しながら香りに包まれるシアワセ。花言葉は「飾らぬ美」「純潔」「私の心の姿」など。今のワタシの心は、ヒメサユリのおかげでピュア。
○8~16時(ヒメサユリ群生地は平成28年は6月末まで開園、入園料300円)
○会津鉄道会津田島駅からひめさゆりシャトルタクシー約50分(2500円、要予約)
会津デザイン工房の設計事務所でもあるカフェ。築60年の古民家をリノベーションした空間は心地よく、有機栽培にこだわった挽きたてコーヒーやピザ、パスタを食べながらのんびりできる。幻のバンドのリードボーカルであるマスターがつくるこだわりのカレーも気になる存在。隠し味に味噌を使った味も試してみたい。
郡山駅のエキナカで旅の思い出をカタチに。観光列車「フルーティアふくしま」で味わった旬のフルーツタルトをプロデュースしている「フルーツピークス」に立ち寄ってみる。フルーツマイスターが厳選したフルーツをふんだんに使ったタルトを旅の思い出と一緒に持って帰ろう。初夏なら佐藤錦、7月以降は桃やイチジクなどのタルトが並ぶ。
協力店のスイーツをワンコインでお得に楽しめるイベント。さらに協力店2店舗をめぐると、日帰り温泉を500円で利用できる。キャンペーン終了後にはお楽しみ抽選会もあり、嬉しい!平成29年3月31日まで実施中。
「福島県観光キャンペーン2016」に合わせ、4月1日から11月30日まで会津若松市内の鶴ケ城や酒蔵、歴史的建築物などがライトアップされる。まちなか周遊バスも夜間運行されるので夜の城下町を楽しもう。ライトアップは日没~21時。