『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
本場イタリアで修業したシェフが腕を振るうイタリアンランチ | |
国鉄時代、北海道から九州まで幅広いエリアで活躍したキハ28 | |
「伊勢海老特急・お刺身列車」の刺身盛りも非常に豪華 |
いすみ鉄道大多喜駅から徒歩約15分の「大多喜城分館」(写真)は徳川家の重臣・本多忠勝の居城跡で、現在は歴史博物館となっている。同じく大多喜町内の「ベジタブルガーデン」は、ハーブの摘み取りやハーブ料理を楽しめるスポット。房総の名所・養老渓谷へは、いすみ鉄道上総中野駅から小湊鉄道に乗り換え、養老渓谷駅から徒歩約20分。
いすみ鉄道の観光列車「キハ28」は、かつてJR高山本線で運転されていた昭和ムード漂うディーゼルカー。車内には木目調のテーブルなどが設置され、落ち着いた高級感あふれるレストランへと変貌。週末には「イタリアンランチクルーズトレイン」、「伊勢海老特急・お刺身列車」として運転されている。
イタリアンランチは、茂原市で「ペッシェアズーロ~青い魚~」を営むオーナーシェフが外房の食材を利用して、イタリア仕込みの腕を振るう。伊勢海老・刺身料理は「九十九里ヴィラそとぼう」の料理長が担当。地元の伊勢海老・アワビ・サザエや房総半島特有の郷土料理「なめろう」などを、舟盛り風に豪快に盛り付けた料理をいただける。
夏休み中は新企画を実施予定(いすみ鉄道ホームページで発表)。
運転日●土・日曜(一部日程を除く)
運転区間●大多喜(11:38発)→上総中野(12:00着・12:14発)→大原(13:25着)
料金●イタリアンランチクルーズトレイン(大多喜発着)1名1万2000円、伊勢海老特急・お刺身列車(大多喜発着)2名1組2万2000円(いずれも運賃込)
問合せ●いすみ鉄道株式会社 TEL.0470-82-2161
詳しくはコチラ
多種の寒天料理が並び、目にも楽しく、ヘルシーでおいしい |
|
恵那駅から東美濃地方の高原地帯を縫って南下する、全長25.1kmの明知鉄道 | |
山里ならではの四季折々の食材が楽しめる。6~8月はあゆ料理も! |
JR中央本線・明知鉄道恵那駅からバスで訪ねる恵那峡は雄大な渓谷美が広がり、遊覧船で周遊できる。渓谷を望む天界橋やフラワーガーデンのある「恵那峡 天界苑」を散策するのも楽しい。明知駅に降り立ったら訪ねたいのが「日本大正村(写真)」。大正時代の雰囲気を保存・再現した店舗や資料館、博物館などが軒を連ねている。
明知(あけち)鉄道の沿線に位置する岐阜県恵那市山岡町は、細(ほそ)寒天の生産量日本一を誇り、国内生産量の80%以上を占める。寒天は低カロリーでダイエットに効果的なうえ、食物繊維が豊富で血圧やコレステロール、血糖値を下げる作用も期待されるなど、ヘルシーフードとして注目されている。そんな地域の大名物を昼食として車内で味わえるのが明知鉄道の「寒天列車」。それぞれ5~6個に仕切られた3つの木箱の中には小皿が並び、さまざまな寒天料理が楽しめる。
秋には「きのこ列車」、冬には「じねんじょ列車」の運転もあり、それらは寒天列車同様、列車内で料理を楽しめる。車内の食事ではないが、6~8月には温泉施設で入浴と料理を楽しむ「あゆ料理と花白温泉」も運転。
運転日●4~9月の火~日曜
運転区間●恵那(12:45発)→明智(13:38着)
料金●5000円(往復の運賃込)
問合せ●明知鉄道株式会社 TEL.0573-54-4101
詳しくはコチラ
ランチコースは北近畿タンゴ鉄道宮津線天橋立~豊岡駅を走行 | |
漆黒ボディに金色とえんじ色のラインを施し、引き締まった印象。 JR九州の列車などで知られる水戸岡鋭治氏によるデザイン |
|
選りすぐりの丹後の地酒とともに味わいたい |
日本海に突き出す丹後半島は海景色が素晴らしく、情緒ある町並みが点在する。そんな“海の京都”の食と風景に出合う列車として、2014年5月25日から「丹後くろまつ号」が漆黒のボディを光らせ運転開始。
車内に備えられたキッチンから、各テーブルへと沿線の食の魅力が届けられる。週末中心の定期コースは3通り。「スイーツコース」は3種のスイーツと飲み物を列車で味わい、2種類のスイーツのみやげ付き。「ランチコース」は丹後の海山の幸を用い、京丹後市の旅館「佳松苑(かしょうえん)」の深野総料理長が監修した料理を堪能。「地酒コース」は地元13蔵から選んだ数種類の酒と、SAKEソムリエが監修した料理の詰め合わせに舌鼓を打てる。
運転日●金~日曜、祝日
運転区間●丹後くろまつ1号(スイーツコース) 福知山(10:22発)→天橋立(11:44着)、丹後くろまつ3号(ランチコース) 天橋立(12:25発)→豊岡(14:54着)、丹後くろまつ2号(地酒コース) 豊岡(17:14発)→西舞鶴(19:07着)
料金●スイーツコース4000円、ランチコース1万円、地酒コース5000円、SAKEソムリエ講座付き地酒コース8500円(月4回〈隔週土または日曜〉)(いずれも運賃込)
問合せ●北近畿タンゴ鉄道株式会社 TEL.0772-25-2323
詳しくはコチラ
大洲編では、地元農園野菜たっぷりのモーニングプレートが楽しみ | |
茜色と黄金色を基調とし、和紋様が施されたレトロモダンな車両 | |
双海編では、内子町の「レストランからり」が手がけるランチボックスを提供 |
夏目漱石ゆかりの地である松山では「道後温泉本館」(写真)を訪ねたい。八幡浜市は明治の町並みが残る港町で、擬洋風建築や赤レンガ塀などを眺めながらのそぞろ歩きが楽しい。八幡浜駅または伊予大洲駅からJR内子線に乗り換えて内子町を訪れるのもオススメ。八日市護国重要伝統的建造物群保存地区に残る、江戸後期から明治時代にかけて栄えた商家群の町並みはみごと。
夕日を連想させる茜色を基調とした1号車と、太陽と柑橘類の輝きを表す黄金色の2号車からなる観光列車で、2014年7月26日デビュー。車内には伊予灘の絶景を望む海向き展望シートや4名用ボックスシート、2名用対面シートが設置され、景色を楽しみながらゆったりと寛げる。
伊予灘ものがたり「大洲(おおず)編」は松山市のレストラン「道後やや・ヨーヨーキッチン!」が、郊外の自社農園で育てた野菜を用いたモーニングプレートを提供。「双海(ふたみ)編」は、内子町の山里の風土で育まれた食材がたっぷり詰まったランチボックス。「八幡浜(やわたはま)編」は、「レストラン門田」が提供する瀬戸内産の素材をふんだんに生かしたフランス料理の松花堂弁当。「道後編」は事前予約制の食事はないが、車内でオードブルや飲み物の販売を行なう。
運転日●2014年7月26日~2015年3月31日の土・日曜・祝日
※年末年始を除く
運転区間●大洲編 松山(9:10発)→伊予大洲(10:33着)、八幡浜編 松山(13:28発)→八幡浜(15:50着)、双海編 伊予大洲(10:52発)→松山(13:12着)、道後編 八幡浜(16:05発) →松山(18:06着)
料金●松山~伊予大洲(大洲編・双海編)大人1人1930円(運賃、普通列車グリーン券料金)、松山~八幡浜(八幡浜編・道後編)大人1人2260円(運賃、普通列車グリーン券料金)。
食事代●大洲編2500円、双海編・八幡浜編4500円(事前予約制) 問合せ●JR四国電話案内センター TEL.0570-00-4592
詳しくはコチラ
ゴージャスな雰囲気のバーでドリンクやおつまみ、デザートを楽しめる | |
青い海沿いを走るJR三角線は「あまくさみすみ線」という愛称も付けられている | |
熊本県の名物であるデコポンを使用した「“A”ハイボール」520円 |
JR三角線三角駅からバスで約15分の三角西港は、福井県三国港、宮城県野蒜(のびる)築港とともに明治三大築港に数えられ、往時の港の面影が色濃く残る。現在も港として機能している三角港から船で天草に渡るのもいい。三角線網田(おうだ)駅から徒歩約15分の御輿来(おこしき)海岸(写真)では、対岸に雲仙普賢岳が望め、干潮時に現れる砂紋もまた素晴らしい。
“16世紀に天草へ伝わった南蛮文化”をテーマにデザインされた車両は、ブラック&ゴールドの重厚で落ち着いた趣。植物などをモチーフにしたさまざまな模様が施されたソファやステンドグラス、木の優しい風合いを生かした内装はレトロモダンな雰囲気。
全席指定の2両編成だが、1号車の共有スペースに「A-TRAIN BAR」を設置。ドリンクメニューはビール、ワイン、天草特産の天然健康食品「天草しもん芋」から造った芋焼酎「倉岳」、昨今人気のハイボールなど。特に、地元のデコポンを使用した「“A”ハイボール」が評判。「馬刺の薫製スライス」や「明太チーズちくわ」などとともに、車内の雰囲気や車窓に広がる眺めが最高のおつまみだ。
運転日●土・日曜・祝日のほか、夏休み中は毎日運転
運転区間●JR三角線 熊本~三角間
料金●1870円(運賃、指定席特急券)
問合せ●JR九州案内センター TEL.050-3786-1717
詳しくはコチラ
文=大友康子
写真提供=JR四国、JR九州、千葉県観光物産協会、岐阜県観光連盟、熊本県
※掲載されているデータは2014年7月現在のものです。