トレたび JRグループ協力

こんなに快適! グリーン車活用術

グリーン車を使って賢くスマートに旅へ(中級者編)

第2回 “おなじみのきっぷ”でも使えるグリーン車。乗り放題やグレードアップのきっぷなどさまざま うまく活用しよう

鉄道の旅をより快適にしてくれるグリーン車。
鉄道ファンにはおなじみのきっぷでも、
グリーン車に乗車できる場合も少なくない。

“おなじみのきっぷ”でグリーン車が乗り放題!

 まずは「フルムーン夫婦グリーンパス」。新幹線や特急を含むJR全線のグリーン車が乗り放題(「のぞみ」「みずほ」など一部の列車・設備を除く)で、82800円(大人2名/一般用/連続5日間用)という価格は見逃せない。東京駅から新大阪駅まで新幹線「ひかり」グリーン車を大人2人で利用した場合、片道37840円。なので東京駅〜新大阪駅の往復料金+αで元が取れてしまう。「フルムーン夫婦グリーンパス」はグリーン車を楽しむ「最強のきっぷ」といえるかもしれない。夫婦の年齢合わせて88歳以上からといった利用条件があるが、おトクに優雅な「大人の鉄道旅行」を計画できる。

 ほかにグリーン車が乗り放題のきっぷとしては、JR四国の「四国グリーン紀行」(大人1名/連続4日間20570円)や「バースデイきっぷ グリーン車用」(大人1名/連続3日間13000円)も挙げられる。こうした乗り放題きっぷなら、「グリーン車で新幹線・特急乗り比べの旅」も挑戦しやすいだろう。

知らないと損する? 意外と多い、グリーン車が利用できるきっぷたち

 JRから発売されるおトクなきっぷは、料金を追加するだけでグリーン車に乗れるものも多い。JR北海道とJR東日本の「三連休東日本・函館パス」やJR東日本の「週末パス」「休日おでかけパス」、JR東海の「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」「青空フリーパス」、JR西日本の「冬の関西1デイパス」、JR九州の「ぐるっと九州きっぷ」などだ。またJR九州の「2枚4枚きっぷ」、JR四国の「指定席Sきっぷ」といったきっぷを、グリーン車用にアップグレードすることができる「グリーン料金券」や「ザ・グリーン券」なども用意されている。

 たとえば今度の冬休みには「三連休東日本・函館パス」に追加代金でのんびり北海道新幹線グリーン車の旅を楽しむもよし、「ぐるっと九州きっぷ」をアップグレードしてグリーン車を乗り比べながら九州をまわってみるのもいいだろう。

グリーン車なら現地まで楽々! 「レール&レンタカーきっぷ」

 「レール&レンタカーきっぷ」でもグリーン車が使え、さらにおトクになる。JRと駅レンタカーを組み合わせたきっぷで、利用条件を満たせば同乗者全員の乗車券が20パーセント引き、特急料金やグリーン料金なども10パーセント割引。レンタカーも特別料金になる。条件を満たせば往復で特急券や乗車券を買う必要はなく、行きは新幹線で帰りは飛行機で……といった柔軟な使い方ができるのも特徴だ。

快適に鉄道旅を楽しむ裏ワザ

 「グリーン車の旅」とは逆のイメージかもしれないが、普通・快速列車が乗り放題の「青春18きっぷ」も、追加料金で普通・快速列車のグリーン車自由席に乗車できる。たとえば東海道本線熱海駅から東北本線黒磯駅まで、普通列車で関東を大縦断した場合。走行距離は250キロメートル以上、所要時間はなんと5時間近くに。そこでリクライニングシートのグリーン車と、そうでない普通車、どちらが快適かはいうまでもないだろう。しかもグリーン料金は780円(ホリデー/事前料金)。

 むしろグリーン車の自由席車両が多い関東を縦断する場合こそ、グリーン車を活用することで鉄道旅をより楽しむことができるのかもしれない。

たまにはぜいたく! グランクラスに乗ろう

 2011年にE5系はやぶさで営業運転が開始された新幹線のファーストクラスともいわれるグランクラス。現在は東京駅〜新函館北斗駅間で運転される東北・北海道新幹線車両と、東京駅~金沢駅間で運転される北陸新幹線車両に備わっている。東北・北海道新幹線のグランクラスは「特別な旅のひとときをあなたに -Exclusive Dream-」をコンセプトに内装がデザインされ、シートピッチはグリーン車よりもさらに140ミリメートル広い1300ミリメートル。軽食やフリードリンク、スリッパなどのアメニティのサービスがあり、グリーン車のさらに上をゆくぜいたくな空間となっている。

 このグランクラスも「モバイルSuica特急券」で、乗車区間によって変わるが、平均3パーセントほどお得に乗車できるのはご存じだろうか。購入方法は「モバイルSuica」を利用できる携帯でアプリをダウンロード、必要な情報を登録すれば、あとは好きなときに自分の携帯でみどりの窓口に並ばずにきっぷが購入できる。

 たまにはぜいたくしてグランクラスに乗ってみるのもいいかもしれない。きっと旅の思い出がさらに特別になるだろう。

文・写真/恵 知仁

1975年東京生まれ。鉄道ライター、イラストレーター、WEBメディア「乗りものニュース」編集長。小学生の頃から鉄道旅行記を読みあさり、カメラを持って子どもだけでブルートレインの旅へ出かけていた「旅鉄」兼「撮り鉄」。
日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済みで、完乗駅はJRが稚内駅、私鉄がわたらせ渓谷鐵道の間藤(まとう)駅。

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