『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
伊豆高原の桜並木。駅周辺のおおかん桜、並木道のソメイヨシノ、と咲き続く。 | |
特急「スーパービュー踊り子」(251系)。先頭車両には展望席、1号車1階にはグリーン車専用のサロン室(フリースペース)がある。 | |
下田はキンメダイの水揚げ量日本一。水深400~600mの冷たい深海域に棲むため、脂ノリノリで、プリップリの白身が抜群の旨さ。 |
1号車と2号車がグリーン車で2階が1+2シート。2号車のA席は海側になる。東京・新宿~伊豆急下田の特急グリーン料金4,820円(2014年4月以降は4,960円)。
・座席配置表はコチラ
(伊豆急行のウェブサイトへ)
都心と伊豆・下田を結ぶ人気の特急がこちら。小田原を過ぎ、早川~湯河原までは相模湾、伊東~河津あたりまでは相模灘の車窓風景が素晴らしい。グリーン席の1号車・2号車の各2階は1+2シートになっているので、ひとり旅にもってこいだ。JR東日本の在来線特急としては唯一、グリーン車でソフトドリンクとおしぼりのサービスがあるのもうれしい!
沿線の見どころとしては、やはり春の花。早咲きの河津桜に続き、伊豆高原駅前のおおかん桜などが見どころの「伊豆高原桜まつり(3月12日~4月6日)」、また、伊豆稲取駅からアクセスできる稲取文化公園のしだれ花桃も4月ごろ開花の見込みだ。稲取文化公園には温度の違う5つの足湯もあり、花見と温泉をセットにして散策の疲れを癒したい。
終点の伊豆急下田駅では、周辺の食事処などで海の幸を。一年を通して水揚げされる名物のキンメダイは煮付けや寿司など定番で堪能できるほか、近年は金目コロッケやキンメフライを挟んだ「下田バーガー」といったB級グルメも登場している。
特急「はくたか」681系は、 新幹線を除く在来線としては日本最高速度の160km/hでの運転が可能。 | |
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている高岡市金屋町。かつて鋳物産業で栄え、石畳と千本格子の風情ある町並み。 |
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越後湯沢駅から徒歩約20分の「駒子の湯」のほか、雪見もできる露天を備える「街道の湯」(写真)など湯沢町内には共同浴場が5つ。 |
列車は681系と683系があるが、ともに1号車が1+2並びのグリーン席で、C席がひとりがけ。金沢~越後湯沢間の特急グリーン料金7,210円(2014年4月以降は7,410円)※。
・座席配置表はコチラ
(北越急行のウェブサイトへ)
北陸の金沢から上越の越後湯沢を結ぶ特急「はくたか」は、この区間を最速2時間半ほどで結ぶ。
金沢駅や富山駅で京阪神からの特急「サンダーバード」、名古屋方面からの特急「しらさぎ」に接続でき、かたや、越後湯沢駅では上越新幹線と接続できるので、首都圏からの北陸への旅行にも使い勝手がいい。
“おひとりさま”シートを狙うなら、グリーン車である1号車のC席がおすすめ。隣席を気にせず、直江津駅~魚津駅間の日本海の風景を楽しめる。
この時期、沿線はまだ冬の気配のため、脂がのった日本海の幸や、ぽかぽかの温泉に期待大。1日1本だけ七尾線に乗り入れするので、能登半島の和倉温泉で、地元のカキや地酒を味わうのも楽しそう。
金沢や、氷見線・城端(じょうはな)線の起点駅でもある高岡の両町では、歴史情緒溢れる町並みを散策するのもいい。
少し足を延ばすなら富山駅で富山地方鉄道に乗り換え、北アルプスの絶景を望む宇奈月温泉もおすすめ。秘湯ファンなら、泊(とまり)駅から事前予約で送迎してもらえる、野趣溢れるお湯の小川温泉で温まろう。
犀潟(さいがた)駅からの北越急行線では、トンネルの合間に新潟の田園風景を楽しんだら、最後少しだけ上越線を走り、越後湯沢に到着。まさに「トンネルを抜けると雪国であった」といった風情だ。川端康成の名作『雪国』の舞台となった越後湯沢温泉で、文豪よろしく、しみじみひとり湯を堪能すべし。
指宿駅から車で約20分の池田湖からも湖越しに開聞岳を一望。 | |
砂むし会館「砂楽(さらく)」の砂むし入浴の様子。浴衣の上から砂をかける。砂むし入浴の後は同施設の温泉へ。 | |
白黒のバイカラーが目を引く特急「指宿のたまて箱」。デザインは「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏。車内には南九州産の杉材を使用。本棚も設置。 |
1人掛けの回転椅子席は、1号車は12A~16A、2号車は8A~18A。
・座席配置表はコチラ
(JR九州のウェブサイトへ)
“いぶたま”の愛称で親しまれる特急「指宿のたまて箱」は、2011年3月の九州新幹線全線開業に伴い誕生した観光特急列車。1日3往復運転されており、レトロなキハ47形を白黒で塗り分けたユニークなルックスで人気だ。列車名を薩摩半島の竜宮伝説にちなんでいるほか、浦島太郎のたまて箱のイメージを演出し、駅の到着時には煙に見立てたミストがドア上部から噴出する。
鹿児島中央から指宿までの1時間弱、錦江湾(鹿児島湾)を沿うように走るため、車窓からは海や桜島を一望! 1号車は12A~16A、2号車は8A~18Aが“おひとりさま席”で、カウンター付きの車窓に面した回転椅子は、絶景の特等席といえよう。
指宿に着いたら、通常の温泉もいいけれど、やはり名物・砂むし温泉を体験したい。温泉熱で温められた砂で顔以外を埋めつくされれば、すぐさまジワーッと汗が! デトックス効果や美肌効果が高いとされるので、女性のおひとりさまはぜひ。
指宿のご当地グルメ「温たまらん丼」や「温たまらん豚」を堪能したら、さらに3駅足を延ばして日本最南端のJRの駅・西大山へ。駅周辺から望む美しい円錐形の開聞岳(かいもんだけ)という絶景は、はるばるやってきた旅人へのご褒美なのだ。
■ 特急「指宿のたまて箱」(JR九州)
通常の旅用枕と違い、ベルトで長さが調節可能。最適なフィット感を得られるほか、腰に巻いたり、うつぶせた際に顔をうずめることもできるので、長時間の列車移動にもってこいなのだ。細かなマイクロビーズを内包しているので肌あたりもふかふか。2,100円。
TEL.0120-915-874
列車の時刻検索や写真撮影など、今や旅先で欠かせないアイテムのスマホとタブレット。この充電器があれば、2つのUSBポートを備えているので、旅先で充電が切れても安心。高出力な2.4Aポートでは各種タブレットPC、1Aポートでは各種スマートフォンと2台同時に充電可能。実勢価格2,480円前後。
TEL.046-236-3522
車窓風景はもちろん、お寺で仏像のディテールを観察するときなど、旅の楽しみを広げてくれるのが双眼鏡。光学レンズの専門メーカーが手掛けるこの双眼鏡は、235gと軽量ながら倍率は8倍、レンズに多層膜コートを施し明るい視界を実現するなど、なかなかの本格派。実勢価格4,500円前後。
TEL.03-5982-1068
アウトドアブランドによる魔法の速乾タオル。髪の毛より細い極細ナノ繊維の超ファインポリエステルファイバーの力で、水だけで汚れや皮脂を落とせる。繊維が細かく通常のタオルの数十倍の表面積をもつため、吸水拡散性能に優れ、広げればすぐ乾く。汗を拭いたり雨で濡れたカメラを拭いたりと、旅先でマルチに活躍! 2,835円。
TEL.0120-080-375
構成・文=鈴木健太
本編写真=JR九州、鈴木健太、SONIC RAIL GARDEN、裏辺研究所、静岡県観光協会、下田市観光協会、湯沢温泉観光協会、指宿市観光協会、富山県観光連盟、交通新聞サービス
便利グッズ写真=コンサイス、オウルテック、ケンコー・トキナー、ファイントラック
※掲載されているデータは2014年3月現在のものです(運賃や特急料金は全て通常期で計算)。
※掲載のきっぷは、紹介エリア近郊の鉄道の利便性を考慮して掲載しています。各特急列車については個別の利用条件をご確認下さい。