『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
世界遺産に指定されている「菅沼合掌造り集落」。合掌造りの屋根は雪を落としやすいように60度という急勾配になっている。豪雪地帯の厳しい風土と環境に対応した合掌造りを真冬に堪能する意義は大きい
ライトアップイベント、四季の五箇山「雪あかり」は、1月26・27日の西赤尾、2月3日の菅沼集落でのライトアップに加え、世界遺産相倉合掌造り集落でも3月に開催される予定
国指定重要文化財の「岩瀬家」の囲炉裏端で聞く、五箇山の暮らしに関する語りは興味深い。囲炉裏から立ちのぼる煙が木材や屋根の茅をいぶし、防虫効果が生じる。
TEL.0763-67-3338。8:00〜17:00、無休。300円
五箇山和紙は、「越中国和紙」として奈良・正倉院文書にも記述が残る、五箇山を代表する伝統工芸品。東中江集落の「五箇山和紙の里 和紙体験館」や下梨の「五箇山和紙」で紙漉体験ができる
深山に囲まれ、5つの谷間(やま)に開かれた五箇山(ごかやま)は長らく秘境と呼ばれたが、現在は東京・名古屋・大阪を朝出発すれば、14時過ぎにはたどり着ける。世界遺産の「相倉(あいのくら)合掌造り集落」で合掌造りの民宿に泊まるのもいいし、エリア内に何軒かある温泉宿に泊まるのもいい。1月26・27日は西赤尾集落にある岩瀬家・行徳寺、2月3日は菅沼集落をライトアップする「雪あかり」が開催される。イベント開催日は夜の外出を念頭に宿選びをするといいだろう。
宿に荷物を置いたら、昔話の世界のような合掌造り集落の風景を楽しんだり、合掌家屋の中で生活用具など暮らしぶりを展示する「五箇山民俗館」、五箇山の一大産業であった塩硝を紹介する合掌家屋「塩硝の館」などを見学したりするといい(ともに菅沼集落内)。最も大きな合掌家屋「岩瀬家」では囲炉裏で合掌造りについての解説を聞け、“あま”と呼ばれる2・3階部分へ登ることもできる。
東京駅7:48発の新幹線「Maxとき307号」(越後湯沢駅で特急「はくたか4号」接続)、名古屋駅7:50発の特急「しらさぎ1号」、大阪駅8:42発の特急「サンダーバード7号」に乗車すると、いずれも高岡駅11:51発の城端線普通列車に接続できる。城端線終点・城端駅から13:25発の加越能バス約40分で菅沼バス停などに到着。
漁場が近く、まるで生け簀から魚を獲るようにキトキトの魚が揚がる富山湾。県内62軒の寿司店が「富山湾鮨」セットを展開中。富山湾の魚と県産米を用いた寿司10貫で2000〜3500円(店舗により異なる)。
富山県観光・地域振興局観光課TEL.076-444-3200
近江町市場は享保6年(1721)から始まる歴史ある市場。ズワイガニ・ブリなどの魚介やカブラなどの野菜がずらり。
近江町市場商店街振興組合TEL.076-231-1462。営業時間・定休日は店舗により異なる
卯辰山(うたつやま)山麓を流れる浅野川の川岸に続く古い町並みで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。夕暮れになると、軒灯のともる茶屋から三味線や太鼓の音がこぼれてくる
金箔の美しさ、薄さ、繊細さを感じながら金箔貼り体験をしてみたい。今回の旅のスケジュールにピッタリなのは「箔座稽古処(箔座ひかり藏内)」。
TEL.076-252-3641。10:00〜17:00、月・日曜・祝日休、要予約。「箔座ひかり藏」は9:30〜17:30、無休。 ※写真はイメージ
浮御堂が湖面にたたずみ、日に7度色を変えるという、美しい柴山潟湖の湖畔に位置する片山津温泉。ナトリウム・カルシウム塩化物泉で、美肌にも効果がある。施設の充実したホテル・旅館が12軒ある
五箇山の旅をもう少し楽しみ、11時過ぎのバスで出発し金沢へ。駅から徒歩10分ほどの「近江町(おうみちょう)市場」で、金沢の食文化を支える市場の賑わいを体感。北陸の産物を買い込んで、帰宅日にあわせて宅配便で送るのもいい。
市場から、ひがし茶屋街へは徒歩15分ほど。木虫籠(きむすこ)と呼ばれる出格子が続く町並みがなんとも美しい。茶屋街のなかほどにある「箔座ひかり藏」の中にある「箔座稽古処」で15時30分からの回を予約しておき、金箔貼り体験。時間的に所要約15分のミニ色紙への金箔貼り体験が適当、所要約30分の箸づくりもなんとかできるだろう。
「城下まち金沢周遊バス」かタクシーで兼六園へと移動。ことじ灯籠や雪吊りなどの雪景色はなんとも印象的で、冬の北陸の美しさをひしひしと感じる。
金沢駅に戻り、北陸本線で片山津温泉へ。浮御堂(うきみどう)の眺めなども情趣深い湖畔の温泉で、旅の疲れを癒そう。
菅沼バス停(11:07発)など朝の観光を終えた最寄りバス停から乗車。城端駅12:54発の城端線普通列車に乗り継ぎ、高岡駅発13:53発の「はくたか8号」に乗り継ぐと、金沢駅に14:18着。12分間隔で運行する「金沢周遊バス」もあるが、バスの待ち時間を考えると、徒歩移動がラク。兼六園から金沢駅へ戻る際は、兼六園下バス停17:06発の金沢周遊バスかタクシーを利用するといい。金沢駅17:48発の特急「しらさぎ64号」に乗車すると、加賀温泉駅18:14着。タクシーか宿の送迎車で片山津温泉の各宿へ。
情緒満点の夜景スポットをめぐる毎週土曜運行の「ライトアップバス」に乗車すると、観光ボランティアガイド「まいどさん」が夜のひがし茶屋街界隈をご案内。地元の方の案内で茶屋街散策の魅力が倍増。
金沢市観光協会TEL.076-232-5555。ライトアップバスは土曜19:00〜20:00発の7便が対象、12月29日・1月5日休、専用フリー乗車券300円
東尋坊は荒々しい岩肌の柱状節理が1kmにわたって続き、地質学的に世界でも例が少なく、日本随一の奇勝として知られる。岩肌に雪がうっすらと積もり、日本海の荒波が打ち寄せる冬景色は恐ろしいほどの迫力
カニの釜揚げは普段なかなか見学できないが、平成25年1月5日〜2月17日の土・日曜・祝日を中心(観光バス「越前すいせん号」運行日)に、東尋坊商店街の「夕なぎ」が12時30分頃から実演公開。
TEL.0766-81-3323。見学無料
三国沖で獲れたズワイガニは「越前ガニ」と呼ばれ、毎年皇室へも献上されている。冷たく栄養価の高い日本海の海流に何年ももまれて大きく育ち、ぎゅっと身がつまり、驚くほどうまい
越前岬灯台をバックに、12月下旬から2月上旬にかけてスイセンが咲き広がる「越前岬水仙ランド」。スイセンの甘い香りをかぎながらの散策は気分爽快。
TEL.0778-37-2501。9:00〜17:00、無休。300円
旅のシメは東尋坊(とうじんぼう)。奇勝を愛でながら遊歩道を歩いたり、東尋坊タワーから眺め降ろしたり、遊覧船に乗り海側から絶景ポイントを眺めるのもいい。12月から平成25年3月まで「東尋坊食べ歩きクーポン」(500円。東尋坊観光遊覧船TEL.0776-81-3808)が東尋坊商店街の8店舗で発売中。さざえのつぼ焼き・甘えび塩焼き・かに汁などをお好みの5店舗で味わえる。さらに、カニ料理などのランチも楽しんで、帰路につこう。
平成25年1月5日〜2月17日の土・日曜・祝日を中心に、芦原温泉駅から東尋坊・越前水仙ランドなどをめぐるバス「越前すいせん号」が運行(芦原温泉駅9:10発、13:30または14:30着。1800円。詳しい運行日など詳細は京福バスTEL.0776-54-3733)。美しいスイセンに加え、東尋坊でカニの釜揚げも見学できるによう組まれており、運行日にはこのバスの利用がとても便利。
加賀温泉駅7:51発の北陸本線普通列車に乗車し芦原温泉駅8:07着、同8:20(土休日8:35)発のバスに乗り継ぐと、東尋坊バス停9:01(土休日9:16)着。帰路は、東尋坊バス停13:42(土休日13:50)発の京福バスに乗車すると、芦原温泉駅に14:20(土休日14:29)着(芦原温泉駅での待ち合わせ時間を利用し、タクシーなどで「セントピアあわら」へ向かい、温泉入浴という手も)。東京へは芦原温泉駅15:24発の特急「しらさぎ12号」に乗車、米原駅16:55発の新幹線「ひかり528号」に乗り継げば、東京駅19:10着。名古屋駅へは芦原温泉駅15:24発の特急「しらさぎ12号」で17:48着。大阪駅へは芦原温泉駅14:54発の特急「サンダーバード28号」で17:07着。
大根おろしをたっぷり載せた「越前おろしそば」は福井県を代表する郷土料理。あわら温泉の「セントピアあわら」では、市内のそば屋さんが指導のもと、福井県産の新そばを使用して、そば打ち体験ができる。
あわら市観光協会TEL.0776-78-6767。12月〜平成25年3月の水曜日開催(12月第3・4水曜は休)、10:00〜15:00(約1時間)、要予約。2〜5名1組3000円
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