『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

北陸新幹線とイベント列車で、石川・富山・福井へGO!美食に美技、美観あり 北陸、beauty三昧の旅 Vol.3 ●福井県

旅のスケジュール
一日目|海岸線たどって越前の美味と美景三昧
妙楽寺
奈良時代に行基が本尊を彫り、その後、弘法大師が堂舎を建立したとされる小浜の古刹。鎌倉時代建立の本堂は若狭における最古の建造物で、珍しい二十四面の木造千手観音菩薩立像(写真)を安置。拝観料400円
詳しくはコチラ
鯖・小鯛ずし&和菓子食べ比べクーポン
小浜の名物・鯖ずじと小鯛ずしをお得に味わえるクーポン。JR小浜駅周辺の有名すし店7軒のうち、好きな2軒で上記のすしを味わえる。和菓子も参加5軒のうち1軒で実食OK。小浜駅の観光案内所などで購入できる。2016年3月末まで販売。1枚1000円
詳しくはコチラ
敦賀赤レンガ倉庫
敦賀湾の東側に建つ県内有数のレンガ建築物で国の登録有形文化財。かつては石油貯蔵庫として使われていた。南棟は海鮮料理屋などを併設する「レストラン館」、北棟は「ジオラマ館」にリニューアル。ジオラマ館9:30~17:30、水曜、年末年始休。400円。TEL. 0770-47-6612
詳しくはコチラ
越前がに
毎年11月6日に解禁される、キング・オブ・日本海の幸。漁場となる越前海岸沖の海面は段々畑のような地形で、ズワイガニなど魚介の生息しやすい場所となっている。カニにとって快適な「住環境」がおいしさの秘密とも。旬は11月上旬~3月下旬。
越前海岸の水仙
毎年冬に越前海岸で咲き誇る水仙。濃厚な甘い香りで、旅人を迎えてくれる。芦原温泉駅前から同海岸などをめぐるバス「越前すいせん号」が1月9日~31日の土・日曜・祝日に運行。TEL.0776-54-3733(京福バス)
詳しくはコチラ
越前温泉
写真の日帰り入浴施設「越前温泉露天風呂 漁火」からは日本海を一望。特に冬の夕陽は息を飲むほど美しい。11:00~22:00(曜日によって変動あり)、11~3月は第2・4火曜休。510円。TEL. 0778-37-2360。車で15分ほど南に行くと「越前温泉露天風呂 日本海」も。
詳しくはコチラ
国宝も重文も。大陸文化の玄関・若狭を訪ねて
 北陸新幹線の開通により、東海道新幹線との併用で関東からぐるり周遊旅が可能となり、ますます楽しみやすくなった福井。往路は東京から東海道新幹線に乗り、米原経由で「海のある奈良」こと小浜(おばま)へ。中国や朝鮮半島など、文化が小浜に上陸し、そこから京都・奈良へ伝搬していったことから、市内には古い寺社が多数残る。本堂と高さ約22mの三重塔が国宝の明通寺や、奈良・東大寺二月堂への「お水送り」で有名な神宮寺など、一度は拝観の価値がある寺社をめぐってみよう。

 「鯖・小鯛ずし&和菓子食べ比べクーポン」で、ほど良く酢ジメした身が旨い郷土ずしを堪能したら、敦賀へ移動。立派な赤い鳥居が有名な氣比神宮や白砂青松の景勝地・気比の松原などの定番スポットに加え、「敦賀赤レンガ倉庫」。2015年10月にリニューアルし、北棟は全長約27mを誇る鉄道と港のジオラマが再現された「ジオラマ館」、南棟は創作イタリアンなどを味わえる「レストラン館」に生まれ変わった。
怒涛×可憐の絶景を堪能したら、冬の味覚の王様に破顔
 JR北陸本線でちょっと北上し、武生(たけふ)駅で降りたら、バスに乗り換えよう。お目当ては、越前海岸を白く埋め尽くす水仙。晴れた日の凪いだ海と水仙の競演もいいが、荒れた日本海と可憐な花々との対比も圧巻の風景!

  日本海らしい迫力の波濤と美しい花畑という絶景に心洗われた後は、近くにある越前温泉(玉川温泉や厨温泉、南部温泉など)で初日の宿をとりたい。海沿いにある宿や日帰り温泉は、日本海を一望できる露天を備えるところも!
 夜は、冬の福井における味覚の王道・越前がにで至福のひととき。黄色のタグが目印の越前がには、茹でるとお腹がほんのり山吹色に。身は甘くて香り高く、カニ味噌は奥深い味わいで、燗した地酒と合わせれば思わず相好を崩し「幸せ~」。
二日目|伝統の技に見惚れ、越前の小京都で和む
越前打刃物
700年以上前に、京都から来た1人の刀匠が農民のために鎌を作ったことがルーツとされる。刃物産地としては、全国で最初の伝統的工芸品の認定を受けた。武生駅からタクシー15分の「TAKEFU KNIFE VILLAGE」などで購入可能。
詳しくはコチラ
めがねミュージアム
同館では、糸のこで切り出し、ヤスリで研ぐといった本格的なめがね手づくり教室1万8900円も開催(完全予約制)。500円で楽しめる手軽なめがね型ストラップづくりも人気。10:00~19:00、年末年始休。入場は無料。TEL.0778-42-8311
詳しくはコチラ
JR越美北線(えつみほくせん)
越前花堂~九頭竜湖間の52.5kmを結ぶ、山峡の非電化の単線路線。通称・九頭竜線。沿線には一乗谷朝倉氏遺跡や越前大野の城下町、九頭竜湖など観光スポットも多い。写真は2014年夏、開業50周年記念でリニューアルされたラッピング車両。
寺町通り
京都に模して碁盤の目の町づくりを進めた金森長近。城の手前から順に、武家屋敷、・町人町・寺町と配し、敵からの侵略に備えた。TEL.0779-65-5521(大野市観光協会)
詳しくはコチラ
越前おろしそば
福井の北緯は36度で、そば栽培に最適とされる緯度。石臼でひいた玄そばを打ったやや太めのそばは、この時期まだ新そばの風味が残り、最高の喉越し。TEL.0779-65-5521(大野市観光協会)
詳しくはコチラ
越前大野城
大野盆地にある標高約249mの亀山に築かれた平山城。10月下旬~4月の早朝から9:00頃までは、気候条件が合えば盆地が雲海に覆われ、雲上の城といった様相に。12月は6:00~16:00(積雪状況により入場不可)、1~3月休。200円。TEL.0779-65-5520(大野市歴史博物館)
詳しくはコチラ
越前の誇る2つの伝統工芸を体験!
 翌朝、武生駅に戻ったら、少し足を延ばて訪ねたいのが「TAKEFU KNIFE VILLAGE」。こちらでは700年余の歴史を誇る越前打刃物やナイフなどを販売。熱した鉄を打つところから始める本格的な刃物作り体験から、所要時間1時間半のペーパーナイフ教室などライトなものまで、幅広い体験教室も気になるところ。

 一駅北の鯖江(さばえ)でも伝統の技が待つ。鯖江は全国のめがねフレーム生産シェアの9割を誇り、海外有名ブランドからの製造依頼も多い地域。同駅徒歩10分の「めがねミュージアム」では、鯖江のめがね作りの歴史や生産現場風景の再現、有名人眼鏡コレクションなどで、めがねのアレコレにふれることができる。
ローカル線で山峡を分け入れば、その先には天空の城
 越前花堂駅からは、楽しいローカル線の旅がスタート。越前大野へ向かうJR越美北線(えつみほくせん、通称・九頭竜線)は、蛇行する足羽(あすわ)川に沿って走り、素朴な山里や田園、山峡の風景は、いかにもローカル線といった風情。
 次々と鉄橋を越え、列車は50分ほどで越前大野駅に停車。ここからは「越前の小京都」とよばれる大野の街歩きを楽しみたい。信長の家臣である金森長近が築いた越前大野城の城下町は、430年以上を経ても町割はほぼ当時のまま。とことどころに清水が湧いていたり、南北に約20ヶ寺が並ぶ寺町があったり、ひょいと古い酒蔵に出くわしたり――つい足取りが弾む懐かしい町並みなのだ。

 越前大野は風景だけじゃなく、ご当地グルメも魅力的。福井の玄そばで打った風味薫るそばとピリッとした薬味の大根おろしが好相性の越前おろしそばや、大野市にある老舗蔵・野村醤油などの醤油を使った醤油カツ丼で、味覚でもローカル感を満喫すべし。
三日目|ローカル線で繋ぐ福井屈指の観光地
七間朝市
400年以上の歴史をもつ朝市。路上に敷いたゴザや机に、新鮮な農産物や加工品が並ぶ。売り手のおばあちゃんが大野弁で食材のレシピを教えてくれることも。毎年春分の日~12月まで行なわれる。7:00~11:00頃。降雪日は店が出ないことも。
詳しくはコチラ
福井県立恐竜博物館
4500㎡という広大な空間に、恐竜全身骨格や大型復元ジオラマなどを展示。「恐竜の世界」「地球の科学」「生命の歴史」という3ゾーンに分かれており、ティラノサウルスの実物化石にふれられるコーナーも。9:00~17:00、第2・4水曜、年末年始休(臨時休あり)。TEL. 0779-88-0001
詳しくはコチラ
えちぜん鉄道
勝山~福井を結ぶ勝山永平寺線と、福井口~三国港を結ぶ三国芦原線からなるローカル線。特に勝山永平寺線は、日本百名山でもある白山と九頭竜川、のどかな山里風景など車窓風景の宝石箱。日中に運行される列車には女性アテンダントが乗車。TEL.0120-840-508(8:00~21:00)
詳しくはコチラ
へしこ
サバなどの魚を糠漬けにした若狭地方伝統の保存食。塩味がたっぷり効いた身をちびちびつまみながら、熱燗を合せると最高! 茶漬けにしても旨いが、最近は寿司やピザ、パスタにも使われる。
詳しくはコチラ
芦原舞妓・芸妓変身体験
芦原芸妓による着付けや化粧で、芸妓・舞妓さんになりきろう。希望すれば太鼓の手ほどきも受けられる。通常の変身体験は1万3000円だが、北陸DC期間(~2015年12月31日)のみエステセットも加わる特別プラン1万6000円も用意。TEL.0776-78-6767(あわら市観光協会)
詳しくはコチラ
芦湯(足湯)
5種の浴槽で同時に30人以上が楽しめるほど広い足湯。目印は、あわら湯のまち駅前にある大正レトロな雰囲気の外観。7:00~23:00、無休。無料。TEL.0776-78-6767(あわら市観光協会)
詳しくはコチラ
朝市でほっこり、巨大恐竜にびっくり
 越前大野は朝にも旅の楽しみあり。七間朝市通りには朝7時頃から市がたっており、例えば12月なら里イモや白カブ、柿など採れたての農産物が並ぶ。12月になると、さすがに出店数も減ってくるけれど、売り手であるおばちゃんたちとの大野弁丸出しの会話は楽しく、心ぬくまる。

 朝市に元気をもらったら、ここからはバスかタクシーで北上し、勝山市にある「福井県立恐竜博物館」へ。福井は1億2000万年前の地層から多数の恐竜化石が見つかった、国内随一の恐竜化石発掘地。同館では、銀色のドーム型の展示室に千数百点もの標本を展示する。特に日本で初めて全身復元された肉食恐竜フクイラプトルや草食のフクイサウルスなど、42体もの恐竜全身骨格は圧倒的な迫力で太古の世界にまぎれこんだかのよう。
山里のローカル線にゆられ、福井の誇る湯のまちへ
 「恐竜博物館」のある勝山から福井までは、えちぜん鉄道勝山永平寺線で。この路線がまた、九頭竜線に負けず劣らず、車窓がすばらしい。福井へ向かい、ほほ真西へ延びる路線は、背後に霊峰・白山、すぐ脇には九頭竜川が流れ、その先に田園が広がる。狭い山里の斜面を行くようなところもあり、変化に富む車窓風景なのだ。

 福井口で同鉄道の三国芦原線に乗り継いだら、あわら湯のまち駅に到着。開湯130周年に沸くあわら温泉は、2014年春に無料の「芦湯」がオープンするなど、県内随一の温泉地。74本も源泉があり、各宿で自家源泉をもっているのが最大の魅力だ。おもに塩化物泉だが、宿により微妙に泉質が違うので、「湯めぐり 味めぐりくーぽん」などを駆使し、はしご湯を堪能したい。
 夕方からは駅前にある「湯けむり横丁」などで福井の地酒と海の幸で一杯。へしこふくいポークなど、地元の味覚と地酒のペアリングを心行くまで謳歌しよう。

 福井駅からの帰路は金沢経由、2015年3月デビューの北陸新幹線で東京へ。地酒と料理のあまり美味しさで、終電にお乗り遅れなきよう!

約2万個のLED電球で飾られるアップルロードや福井駅周辺商店街、グリフィス記念館など、JR福井駅界隈がおよそ10万球の光で華やかにライトアップ。

ふくい 冬のイルミネーション
17:00~21:00。1月11日まで(日時は施設により変動)。
問い合わせ:福井市商工振興課 TEL.0776-20-5325

厳冬の中、白いパンツに鉢巻姿の男衆が、1年の豊漁や無病息災を願い、若狭湾近くの日向橋から水中へダイブ! 東西に分かれ直径30cm、長さ40mの綱を切れるまで引き合う。

日向の水中綱引き
綱引き1月17日14:00頃~(20分ほど)。
問い合わせ:美浜町観光協会 TEL.0770-32-0222

例えば、こんな旅のスケジュールはいかが?

●東京
 東海道新幹線
●米原
 特急「しらさぎ」、JR小浜線
●小浜
 ・「海のある奈良」こと小浜で寺社拝観
 ・「鯖・小鯛ずし&和菓子食べ比べ
   クーポン」で食べ歩き
JR小浜線
●敦賀
 ・氣比神宮参拝、赤レンガ倉庫などを見学
JR北陸本線
●武生
 ・バスで越前海岸へ。水仙を鑑賞
 ・越前温泉で一泊。晩餐は越前がに

●越前温泉
タクシー
●武生
 ・「TAKEFU KNIFE VILLAGE」で
  越前打刃物などおみやげ購入
タクシー
●鯖江
 ・徒歩10分の「めがねミュージアム」へ
JR北陸本線
●越前花堂
JR越美北線
●越前大野
 ・越前大野城や寺町通りを散策
 ・醤油かつ丼か越前そばを食べて一泊

●越前大野
 ・大晦日まで開催の七間朝市で
  地元の人たちと交流
バスまたはタクシー
●勝山
 ・「福井県立恐竜博物館」を鑑賞
バス、えちぜん鉄道
●あわら湯の町
 ・芦湯(足湯)で疲れた足を温める
 ・「湯めぐり 味めぐりくーぽん」で温泉はしご
 ・女性なら芦原舞妓・芸妓変身体験も
 ・へしこで地酒一杯、終電に乗り遅れないように帰路へ
えちぜん鉄道
●福井
特急「サンダーバード」など
●金沢
北陸新幹線
●東京

ふくしまデスティネーションキャンペーン
関連サイト
観光の問い合わせ
  • 福井県観光連盟●TEL.0776- 23-3677
  • 若狭おばま観光協会●TEL.0770-53-1111
  • 敦賀観光協会●TEL.0770-22-8167
  • 越前町観光連盟●TEL.0778-37-1234
  • 越前市観光協会●TEL.0778-23-8900
  • 鯖江観光協会●TEL.0778-52-2323
  • 大野市観光協会●TEL.0779-65-5521
  • 勝山市観光協会●TEL.0779-87-1245
  • あわら市観光協会●TEL.0776-78-6767
文・構成=鈴木健太
写真提供=JR西日本、福井県観光連盟、大野市
※掲載されているデータは2015年12月現在のものです。

バックナンバー

このページのトップへ