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51回目を迎える「京の冬の旅」キャンペーンは「大政奉還150年記念」がテーマ。武家政権から近代国家へ転換する契機となった「大政奉還」ゆかりのスポットで、通常非公開の文化財が特別公開されます。今回は洛西エリアを中心にご紹介。さあ、志士たちの魂が宿る京都へいざ!
渓谷美をトロッコ列車で観賞
トロッコ嵯峨駅~トロッコ亀岡駅を結び、保津川沿いにトロッコ列車が走る。片道7.3キロメートル、約25分の間、四季折々の風景を味わえる。とくに景色が美しい場所では速度を落として走るため、渓谷美を思う存分楽しめる。平成29年3月14日まではストーブ列車も走行する。
京都最大の禅寺で、食と知恵を
つかさどる二つの堂宇を拝観
臨済宗妙心寺派大本山である妙心寺の境内に並ぶ七堂伽藍(がらん)のひとつ、大庫裏は寺の台所兼食堂。大きな竈(かまど)など、修行僧である雲水たちが数百人分の食事を用意したという大きな行事の際の様子が偲(しの)ばれる。あわせて公開される経蔵内の、6527巻もの経典を納めた回転式輪蔵(写真)も必見。
優しい筆致で描かれた
障壁画72面をじっくり鑑賞
妙心寺の塔頭寺院のひとつで、「京の冬の旅」初公開。客殿には江戸末期から明治初期の漆芸家・蒔絵師の柴田是真(ぜしん)が描いた襖絵72面が残り、猿が愛らしい『滝猿図』や中国・唐代の武将を題材にした『郭子儀(かくしぎ)図』など部屋ごとに異なるテーマの作品を鑑賞できる。
掛け軸『酒茶論』など
秘められた寺宝の数々を堪能
妙心寺塔頭寺院のひとつ、「京の冬の旅」初公開の寺院で、数々の寺宝が特別公開される。酒と茶の徳についての論争から教えを説く『酒茶論』は、現代の酒豪も下戸も思わず納得の内容。絵師・曽我直庵(ちょくあん)筆の白と黒の『鷹の図』(写真)や、鑑真和上(がんじんわじょう)請来と伝わる鉄鉢なども見逃せない。
妙心寺御用達の精進料理店で
“精進の心”を味わう
妙心寺の庫裏で修業をした妹尾吉隆が昭和37年に創業した精進料理の名店。建仁寺久昌院や西福寺などをめぐる京の冬の旅 定期観光バス「やすらぎコース」の昼食処にもなっており、胡麻豆腐や名物・餡かけ「黄鐘(こがね)うどん」など、美味なる京料理を味わえる。
わらびもちや煎餅など
嵐山の名物を食べ歩き
風光明媚な嵐山を散策する際にちょうどいい人気の菓子などをお得に買ったり食べたりできるクーポン(500円)。「峯嵐堂(ほうらんどう) 渡月橋本店」のわらびもち(写真)や「六角庵 嵐山店」のからめる焼など、7店舗から3店舗を選んで使用できる。
古都・京都に湧く
雅な温泉で優雅に憩う
京都市中心部や嵐山・鞍馬・大原などの温泉施設では、「京の冬の旅」パンフレット提示等でプレゼントや割引といった特典を受けられる。2月の実施が中心だが、「京都温泉 京湯元 ハトヤ瑞鳳閣」「京都桂温泉 仁左衛門の湯」では平成29年3月20日まで実施している。
嵯峨野の古人形専門の
博物館でお雛様を鑑賞
木彫彩色の嵯峨人形をはじめ、全国の郷土人形を展示。平成29年4月2日までは江戸時代から現代までのお雛様を特別展示。人形の寺「宝鏡寺」などとともに、京の冬の旅 定期観光バス特別コース「京のお雛さまと平安王朝の雅の世界」でもめぐることができる。
高くそびえる竹林をぬう
旅情満点の小道
昭和初期に活躍した映画俳優・大河内伝次郎が造営した「大河内山荘庭園」から野宮神社まで約200メートルにわたって続く風情のある小道。道沿いには世界遺産の天龍寺の北門が位置する。約700年前に夢窓国師が作庭した曹源池庭園などがある天龍寺の拝観も併せて楽しみたい。
境内のツバキと神殿天井の
花絵を解説付きで見学
平岡八幡宮は弘法大師が自ら描いた僧形八幡神像を御神体として創建。春と秋に、江戸時代に描かれた神殿天井の極彩色の花絵44枚を公開。個人、団体にかかわらず説明を受けることができ、大福茶の無料接待も受けられる。春の公開時には境内のツバキも見頃となる。平成29年3月4日~5月15日。
老舗のおしゃれな逸品が揃う
嵐山のみやげスポット
京福電鉄嵐山駅前に建ち、京都の選りすぐりの名店が1階に集合。京漬物の名店「西利」のだし茶漬けや京漬物寿司など、限定商品やテイクアウトメニューも多数。2階では香作り・象嵌(ぞうがん)作り・竹籠編みなどの伝統工芸品製作体験ができる。