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週末で南九州、よか旅ほかほか旅 球磨川・霧島・鹿児島市編
球磨川・霧島・鹿児島市の旅|ローカル線で川越え山越え 名湯エリアを楽しく縦断

本湯やばんぺい湯などを備える「日奈久温泉センター」。毎年12月中旬~1月には特産の晩白柚(ばんぺいゆ)を湯船に浮かべる晩白柚風呂を、同施設や周辺の宿で実施。TEL.0965-38-0617。10:00~22:00、第3火曜休(10月は20日休)。本湯200円、ばんぺい湯500円

米と球磨川の伏流水だけで作られる球磨焼酎。昨年5月にオープンした球磨焼酎の蔵元・高橋酒造の「白岳伝承蔵」などで、焼酎の製造工程を見学しよう。TEL.0966-32-9750。9:00~16:00、年末年始休。無料

アユと並ぶ人吉の名物・ウナギ。古くから球磨川水系でウナギ漁が行なわれてきたことから、市内にはウナギの名店が多数存在。注文を受けてからさばいて焼くというこだわりを持つ老舗も。

<観光の問合せ>
日奈久温泉観光案内所●TEL.0965-38-0267(火曜休) 人吉市観光案内所●TEL.0966-22-2411
1日目 球磨川|2つの懐かし町を のんびりはしご

 この旅、最初の目的地は開湯600年以上の日奈久(ひなぐ)温泉。細川藩が藩営する温泉場の時代があったり、放浪の俳人・種田山頭火が訪れ絶賛したりと、さまざまな歴史を見てきた古湯である。豊富な湯量も特徴で、ほとんどの宿や銭湯が源泉かけ流しというのもうれしい。

 歴史ある温泉街ゆえ、薩摩街道やなまこ壁の建物、猫の歩く路地裏など懐かしい風景に出会う町歩きも魅力。ラムネや香ばしい日奈久ちくわを片手に散策すれば、ワクワクも倍増!

 次なる旅先も、懐かしい風景が魅力の人吉だ。街には、石畳が残る鍛冶屋町など今も相良藩700年の歴史の残り香がそこかしこに。平成24年3月まで無料の人力車乗車体験(主に土・日曜・祝日、SL人吉運転日に合わせ運行)で街を巡れば、なお旅情が増す。創業100年の老舗「上村うなぎ屋」などで人吉のウナギを味わったら、球磨焼酎の蔵元巡りや、初の夜間開園(10~12月の土曜21時まで)を行なう永国寺での幽霊の掛け軸拝観などで、人吉を満喫。夜は老舗宿「人吉旅館」などで、人吉温泉につかろう。

2日目午前 球磨川・霧島|急峻な山線を上った先に 現れる日本三大車窓

 2日目の朝は、鎌倉初期から約700年に渡り人吉球磨地方を治めた相良家の城跡・人吉城跡公園をお散歩。例年11月中旬~下旬は紅葉が艶やかに色づき、石垣を鮮やかな朱に染める。

 散歩後は人吉駅に戻り、肥薩線で霧島温泉へ。人吉までは球磨川沿いを行くやや平坦だった肥薩線も、ここからは急勾配の連続だ。その険しい山地を上るために、大畑(おこば)駅は日本で唯一、ループ線とスイッチバックを併設。隣駅の矢岳(やたけ)駅を過ぎるころ、日本三大車窓のひとつと形容される霧島連山の絶景が窓の向こうに広がる。うたた寝して見逃さないよう!

人吉盆地は朝霧が発生することもあるため、人吉城跡公園では朝霧に霞む紅葉という幻想的な風景に出会えることも。TEL.0966-22-2111(人吉市教育委員会社会教育課)。無休。無料

山線と呼ばれる急峻な路線にある大畑駅は、日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを備える駅。古代うるし色の観光列車「いさぶろう号」で行けば、ローカル線気分も一層高まる。

<観光の問合せ>
人吉市観光案内所●TEL.0966-22-2411

硫黄泉ほか多くの泉質を楽しめる霧島温泉郷。近くには布引の滝、千畳敷、霧島最古という岩風呂など名所も多数。同温泉郷の南西に位置する新川渓谷温泉郷には、坂本龍馬と妻・お龍が入ったという塩浸(しおびたし)温泉も。

鹿児島県内で生産・肥育される「かごしま黒豚」は日本を代表するブランド豚。特に「霧島高原純粋黒豚」はその最高峰で、肉の旨みが濃い。しゃぶしゃぶやトンカツで味わうと抜群!

薩摩半島の西方約30㎞、東シナ海に浮かぶ甑(こしき)島列島近海はキビナゴ漁獲量が日本一。鹿児島市内各店でその海の幸を味わえる。天ぷらやヅケも旨いが、新鮮な刺身を酢味噌でいただくのが一番!

市内各所からその秀峰を見渡せる桜島。錦江湾にそびえる火山島で、今もなお火山活動を続けている。島内には温泉が湧いており、桜島の山肌を望む露天風呂を備えた宿が点在。

<観光の問合せ>
霧島市観光協会●TEL.0995-78-2115 鹿児島中央駅総合観光案内所●TEL.099-253-2500

心ほかほかパワスポCOLUMN 霧島神宮

建国神話の主人公・ニニギノミコトを祀る神宮は、なんと創建が6世紀頃。天孫降臨の地とされ、樹齢800年という御神木の老杉や、近くの山神社などがパワースポットとしても有名だ。豪華絢爛な朱塗りの社殿や、例年11月中旬~11月下旬に深紅に色づくカエデなどが見どころ。TEL.0995-57-0001。無休。拝観無料

2日目午後 霧島・鹿児島市|火山の恵み硫黄泉に入浴 夜は黒じょかでほろ酔い

 霧島温泉駅まで移動した後は、バスで霧島温泉郷を目指す。複合火山帯の霧島連山にはさまざまな泉質の温泉が湧いており、霧島温泉郷でも硫黄泉を中心に大小8つの温泉地が集まる。また、標高が高いため展望自慢の湯も多く、快晴時は桜島まで見渡せることも。今回は同温泉郷中心地区の丸尾温泉「旅行人山荘」の野趣溢れる露天風呂で、体の芯からぽかぽかに。

 お昼にぜひ食べたいのが鹿児島の名産・黒豚。霧島温泉郷にある「焼肉わきもと」では、サツマイモで育てられた肉質の細かな黒豚を、しゃぶしゃぶや焼き肉などで味わえる。しゃぶしゃぶを頬張れば、ほのかな甘みをもつ脂肪がまろやかにとろけ、口に旨みがジュワーッ!

 再び肥薩線に戻ったら、「特急はやと」で鹿児島中央駅に夕方頃到着。鹿児島のシンボル・桜島を城山展望台などの高台から見渡すのも良いけれど、桜島港と鹿児島港を15分で結ぶ桜島フェリー(150円、24時間運行)に乗り、島の夕景や市街地の夜景を海上から眺めるのもおすすめだ。下船後、時間が許せばこちらも鹿児島名産のキビナゴの刺身を肴に、芋焼酎のお湯割りでほろり。薩摩の旨い酒と肴は、旅人を帰らせたくなくなるから困りものです。

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス
1

博多発 8:27 新幹線みずほ601号に乗車(新大阪から向かう場合は6:00発)
熊本着 9:01  
熊本発 9:34 肥薩おれんじ鉄道のスーパーおれんじ1号に乗り換え(土曜・休日運転)
日奈久
温泉着
10:14 名湯と懐かしい町並みを満喫
日奈久
温泉発
11:45 八代でJR肥薩線の特急くまがわ3号に乗り換え
人吉着 13:10 昼食に「人吉うなぎ」を。その後は球磨焼酎の蔵元・高橋酒造の見学施設『白岳伝承蔵』や10月~12月にかけ夜間開園する永国寺を巡る。人吉温泉の老舗宿「人吉旅館」で一泊
2

人吉発 10:08 出発前に紅葉が美しい人吉城址公園を散歩。いさぶろう1号で人吉駅を出発後、大畑駅のスイッチバックとループ線に大興奮!
霧島
温泉着
11:57 バス停「丸尾」で下車し、霧島温泉の名湯を堪能。焼肉わきもとで「黒豚のしゃぶしゃぶ」などを味わう
霧島
温泉発
15:32 バスで駅に戻り、特急はやとの風3号に乗車
鹿児島
中央着
16:32 桜島フェリーで桜島の夕景や夜景を楽しむもよし、キビナゴの刺身を肴に芋焼酎を一杯やるのもよし
鹿児島
中央発
19:52 新幹線みずほ606号
博多着 21:12 熊本の場合は20:37、新大阪の場合は23:37着

文・構成=鈴木健太
写真協力=熊本県、鹿児島県観光連盟
※掲載されているデータは平成23年10月現在のものです。

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