『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
朝焼けや夕陽(写真)の松島も島々がシルエットとなって美しい。この時間帯には出航しないが、遊覧船で松島湾内を洋上散歩し、数々の奇岩を間近で観賞したい。
TEL.022-354-2233(松島島巡り観光船企業組合)。松島一周コース9:00~16:00ほか。1400円~
松島海岸駅から徒歩7分、橋を渡ると辿り着く五大堂。現在の建物は、 伊達政宗が慶長9年(1604)に創建したもので、四面の蟇股(かえるまた)には十二支の彫刻があしらわれている。拝観無料だが夕方には閉門。
TEL.022-354-2618(松島観光協会)
6月~9月末まで地元各店が、煮アナゴや天ぷらなど趣向を凝らした調理法で展開する「松島名物あなご丼」。松島のアナゴは小ぶりながら、脂がのって旨みが凝縮!
TEL.022-354-2618(松島観光協会)
震災後もすぐに観光地として復興に立ちあがった、日本三景の松島。今回は、この多島美の海岸線沿いをメインに旅に出よう。
仙石線松島海岸駅に着いたら、まずはランチに地元14店舗で展開中の「松島名物あなご丼」を。寿司屋や洋食屋などそれぞれで個性があるので、つい目移りしそう。
変わり種の地元グルメとしては、「松島さかな市場」の「かきバーガー」350円もおすすめ。松島産カキのクリームコロッケを、登米(とめ)産ササニシキの米粉製バンズで挟むという、宮城の味ぎっしりのバーガーなのだ。
満腹後は本日のメインイベント、松島湾内クルーズへ。仁王島や鐘島などの代表的な小島を遊覧船で巡るのは、なんとものどかで贅沢。餌付けエサ100円程度~を買って、洋上でカモメの餌付けが出来るのもこのクルーズの醍醐味だ。
下船したら、本堂は修理中ながら国宝の庫裏(くり)を特別公開中の瑞巌寺を拝観し、松島温泉で一泊。松島という立地を生かし、多くの宿が海を見渡す展望風呂を備えているので、見事な眺めと湯を堪能したい。
翌朝は、仙石線で東松島方面へGO! 高城町から仙石線代替バスに乗り換え、野蒜(のびる)駅で下車する。お目当ては、予約しておいた奥松島観光タクシー(TEL. 0225-88-3048)で15分の大高森から望む、松島湾の絶景だ。ここからの展望には、湾に浮かぶ260余島を東西南北から一望する「松島四大観(しだいかん)」のひとつ、“壮観”という呼び名がつく。高峰から見下ろす松島湾は、まるで箱庭のような美しさ!
この美しい海の恵みを使った、新・ご当地グルメが本日の昼食。東松島の大曲浜で獲れた海苔を練り込んだ「東松島のりうどん」は、真っ黒な見た目に一瞬びっくりするが、いざ啜るとホワッとたちあがる磯の風味が絶品で、一気呵成に平らげてしまう。
再び仙石線に乗って本塩釜駅まで南下したら、伝統的な和館に洋館の雰囲気を取り入れた貴重な建物である海商の館・旧亀井邸を見学。
夜はお待ちかね、塩竈の寿司で一杯のほろ酔いタイム。本塩釜周辺には「すし哲」をはじめ名店が選りどりみどりなのだ。合わせるお酒は塩竈の地酒「浦霞」でキマリ!
豊饒な三陸の海からほど近い石巻、気仙沼、塩竈は地モノの握りを食べさせてくれる寿司屋がいっぱい。この3市は「みやぎ寿司海道」と銘打ち、おいしい寿司が食べられる店を、駅構内や観光協会に置かれたパンフレットなどで紹介中。
TEL.022-364-1165(塩釜市観光交流課)
野蒜駅から登口まで車15分、山頂まで徒歩20分の大高森から望む“壮観”の風景。東松島市宮戸島のほぼ中央にある高峰で、頂からは嵯峨渓と松島湾を一望できる。
TEL.0225-87-2322(東松島市観光物産協会)
かつては皇室に献上されたこともある、東松島市大曲浜の海苔を練り込んだ「東松島のりうどん」。海苔は鉄分や食物繊維などが豊富なので健康志向の人にもおすすめ。全14軒で提供(要予約の店も)。
TEL.0225-82-2088(東松島市商工会)
地元の鮮魚などを扱う専門店が約150軒並ぶ塩釜水産物仲卸市場。6月30日まではマイ海鮮丼コンテストも開催中。出来た海鮮丼を携帯やデジカメで撮り「info@nakaoroshi.or.jp」に送れば、入賞者にお買い物券などをプレゼント!
TEL.022-362-5518。3:00~13:00(土曜3:00~14:00、日曜6:00~14:00)、水曜不定休ほか臨時休あり
唐門を入って正面にある鹽竈神社の左右宮拝殿。朱と黒の漆塗りを施した志波彦拝殿も必見。境内には伊達家の奉納品、神輿など神社の宝物を中心に約5000点の資料を展示の博物館も(入館200円)。
TEL.022-367-1611。5:00~20:00。拝観のみ無料
「顔晴れ塩竈」は昔ながらの製法で藻塩作りを行う地元の街おこしグループ。塩竈の藻塩500円をはじめ、藻塩羊羹680円からえび塩かりんとう230円など気になる商品がいっぱい。
TEL.022-367-6539
最終日もスタートは本塩竈から。まずは、陸奥国の一宮である鹽竈(しおがま)神社・志波彦(しわひこ)神社を参拝。1200年の歴史を誇る鹽竈神社は、古くから大漁祈願や安産の神として信仰を集め、本殿や朱色の拝殿は国の重文に指定されている。
ちなみに、鹽竈神社の末社・御釜神社では7月6日に「藻塩(もしお)焼神事」なる伝統行事を開催。藻塩とは、ホンダワラなどの海藻と海水から作った塩を指す。現在、塩竈ではこの藻塩を2社が製造しており、「マリンゲート塩釜」や市内各商店で売っているので土産にばっちり。特に汗をかいたときは藻塩飴で塩分補給が◎。
お次は東塩釜駅から徒歩15分の「塩釜水産物仲卸市場」へ。新鮮な魚介やその加工品を観光客も市場価格で買えるとあれば、テンションはうなぎ昇り。場内のお休み処で買ったご飯(300円、味噌汁セット)に各鮮魚店で買った新鮮なネタをのっけて味わう「マイ海鮮丼」で、さらにテンションUP!
多賀城駅まで南下し、タクシーなどで東北本線国府多賀城駅方面に移動したら、多賀城あやめ園や日本三大史跡と言われる多賀城跡へ。多賀城跡政庁跡と壺の碑の前には、土日に限りボランティアガイドが常駐しているので、ぜひ詳しい話を聞き、歴史ロマンに思いを馳せたい。
6月24日~7月7日に開かれる「あやめまつり」では、約2万㎡の敷地に咲き誇る250種200万本のアヤメ、ハナショウブを観賞できる。白や紫の爽やかな花の色合いは、それだけでもう、暑気ばらし。土・日は舞台ステージや出店コーナーも。
TEL.022-368-1141(多賀城市商工観光課観光係)
●場所 仙台市青葉区北山1-13-1
●例年の見頃 6月下旬~7月中旬
文・構成=鈴木健太
写真協力=JR東日本、仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会、宮城県観光課、東松島市商工会、塩竈市観光物産協会、交通新聞サービス
※掲載されているデータは2013年6月現在のものです。
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宮城県経済商工観光部観光課●TEL.022-211-2822
宮城県観光連盟●TEL.022-221-1864
松島観光協会●TEL.022-354-2618
東松島市観光物産協会●TEL.0225-87-2322
塩竈市観光物産協会●TEL.022-364-1165
多賀城市商工観光課観光係●TEL.022-368-1141