『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
那智駅前の浜の宮海岸は、南海の果てにあるとされた観音浄土を目指し、渡海上人が補陀落渡海に出発した場所。補陀洛山寺では、その渡海上人たちを祀る。写真はご本尊。TEL. 0735-52-2523。8:30?16:00、無休。ご本尊拝観500円(前日までに要予約)
白良浜の約300mが、赤や青、白など約10万球による光の造形で彩られる「白砂のプロムナード」。TEL.0739-43-5511(白浜観光協会)。12月1日?1月31日、17:00?22:00。観賞無料
イルカやクジラのマリンライブ、ペンギンパレード、双子パンダのミルクタイム(写真は赤ちゃん時のもの)などイベント多数のアドベンチャーワールド。TEL.0570-064481。10:00?17:00(1月2日・3日、3?11月9:30開園)、不定休。大人1日入園券3800円ほか
白良浜で、インストラクターによる本格フラダンスのレッスンを開催。カラフルなアロハの衣装が乙女心をくすぐる。3日前までに各宿泊施設へ要予約。通年開催。TEL.0739-42-2215(白浜温泉旅館協同組合)火曜10:30?11:30、金曜16:00?17:00。3000円
源義経寵愛の笛や弁慶産湯の釜などを社宝とする闘?神社。境内には湛増・弁慶の父子像も。TEL.0739-22-0155。8:30?17:00、無休。拝観無料
車窓風景が変化に富む「きのくに線」。地形の険しい尾鷲(おわせ)?熊野市間まで来るとトンネルの合間に広大な海景色を楽しめる。新宮(しんぐう)で下車したら熊野三山のひとつ、熊野速玉(はやたま)大社へ。朱塗りの神門の向こうに鎮座する5棟の朱塗りの社殿が美しい。参道中ほどにある国内最大の梛(なぎ)の木は、平重盛(清盛の嫡男)の手植えという説も!
次の下車駅・那智での目的地もまた、世界遺産。補陀洛山寺(ふだらくさんじ)では、3月末までご本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」を特別に拝観できる(要予約)。精巧な木造りの菩薩様の神聖な御姿に、思わず手を合わせた。
再びきのくに線に乗ると、紀伊田原?串本の車窓に熊野灘の荒波が登場。薄暮のなか潮騒に耳を傾けていると、列車は白浜に到着した。今晩は1350年余の歴史を誇り、「日本三古湯」にも数えられる一大温泉地・南紀白浜温泉で一泊。美肌の湯ともいわれる名湯を、各宿や太平洋を望む露天をもつ「崎の湯」ほか6つの共同湯で堪能したい。
入浴後、白浜の名物・クエ料理を味わったら、白良浜の海岸をイルミネーションで華やかに照らし出す「白砂のプロムナード」へ。星座や天使のゲートといったオブジェが、白い浜辺の舞台でファンタジックに競演!
翌朝は、和歌山のあのアイドルが待つ、アドベンチャーワールドへGO! こちらでは、サファリワールドやマリーンワールドなどで約1500の動物たちを間近に見たり、ふれあえたり。
なかでも一番の人気者は、平成22年8月生まれの双子パンダ、海浜(かいひん)&陽浜(ようひん)。芝生の上で転がったりミルクを飲む姿は、か、かわいすぎ。
健康志向や踊るのが好きな人は、毎週火・金曜に白良浜で開催される「白浜でフラダンス」を。極彩色の衣装を着てインストラクターの指導で踊れば、気分はフラガール!
紀伊田辺まで北上したら、まずは新ご当地グルメ「たなべぇサンド」でランチを。紀州南高梅のすっぱさと、紀州うめどりの歯ごたえある上品な肉質がベストマッチ。参加9店それぞれ個性があるので、食べ比べも楽しい。
また、2012年の大河ドラマは平氏が主役。平氏と言えば源氏、源氏といえば弁慶! 紀伊田辺は武蔵坊弁慶の出生地といわれており、弁慶産湯の釜を社宝とする闘?神社や、八坂神社にある弁慶の腰掛石などゆかりの史跡がそこかしこに。
帰りはきのくに線で大阪まで出る。岩代?切目では海に沈む夕陽、下津?初島ではコンビナートの幻想的な夜景という情緒溢れる車窓に遭遇。ああ、まだまだ旅がしたい。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1日目 | 名古屋発 | 7:49 | JR快速「みえ」51号に乗車、多気で乗り換え。 尾鷲?熊野市間は、トンネルの合間に海が見えるなど変化に富んだ車窓 |
新宮着 | 13:41 | 徒歩15分の熊野三山・熊野速玉大社へ | |
新宮発 | 15:23 | 出発前に南紀名物「さんま寿司」か「めはり寿司」を駅弁で購入 | |
那智着 | 15:41 | 世界遺産のひとつ補陀洛山寺まで徒歩3分。3月まで、重文のご本尊「千手観音」を特別公開(要予約) | |
那智発 | 17:30 | 紀伊田原?串本は熊野灘の波打ち際を走ることが多く、絶景! | |
白浜着 | 19:41 | バス10分程度の南紀白浜温泉で1泊。夜は同温泉で幻の高級魚クエの鍋などを堪能! 食後は、白良浜イルミネーション「白砂のプロムナード」を観賞 | |
2日目 | 白浜発 | 13:57 | 駅からバス10分の「アドベンチャーワールド」へ平成22年に生まれた双子のパンダを見にいこう。 健康志向の人なら、白良浜で開催される「白浜でフラダンス」にトライ |
紀伊田辺着 | 14:10 | 新ご当地グルメ「たなべぇサンド」でランチを楽しんだら、弁慶ゆかりの史跡めぐり | |
紀伊田辺発 | 16:14 | 御坊、和歌山で乗り換え | |
大阪着 | 20:00 | 乗り換え時間を利用し、駅弁「こてまり」を購入 | |
大阪発 | 20:30 | 米原で乗り換え | |
名古屋着 | 23:14 |
本州中部以南で獲れ、成魚は1m、30?50kgにもなるクエ。漁獲量が少なく“幻の魚”と呼ばれていたが、近年、南紀白浜では養殖による安定供給が可能に。各旅館で出される鍋などで、脂が乗った深みのある味わいの白身、ゼラチンたっぷりの皮などをハフハフと頬張りたい。TEL.0739-42-2215(白浜温泉旅館協同組合)
文:鈴木健太
写真協力:和歌山県、わかやま喜集館
※掲載されているデータは平成23年12月現在のものです。