01/21
秋のみ参加の高見島では、京都精華大学の関係者が「高見島プロジェクト」を展開。
かつて除虫菊の栽培が盛んだったことにヒントを得、会期中、巨大蚊取り線香が燃え続ける『除虫菊の家』や、暮らしを支える漁業に敬意を表した『蛸の家』など、島の伝統と生活に根差したアートが出現する。写真は海水入りのガラス瓶を積み上げた『Sea Room』。
02/21
「瀬戸内国際芸術祭2013」の動くアート作品として、予讃線・土讃線の快速・普通列車に芸術祭の開催期間限定で運行(~11月4日)。
車体は写真家・荒木経惟(あらきのぶよし)氏による、花や恐竜、赤ちゃんなどの幻想的な作品でラッピング。“天国の中に地獄がある”という氏の写真は、常に「エロス(生)」と「タナトス(死)」の共存を感じさせる。県内の芸術祭会場をめぐるアクセス列車として利用したい。
03/21
書院には、円山応挙、伊藤若冲(じゃくちゅう)らの襖(ふすま)絵が残る。若冲の絵が残る奥書院は現在、非公開だが、常時公開の表書院で応挙の襖絵を見ることができる。
その他、宝物館など、金刀比羅宮の「芸術」を堪能しようと思ったら、たっぷり1日がかりだ。
10月9〜11日は例大祭が行われる。
04/21
JR鬼無駅から近く、創業100余年という歴史をもつ中西珍松園。日本庭園風のエントランスに飾られた数々の盆栽を眺めるだけでも、その芸術性の高さ、可能性の大きさが感じられる。盆栽のインターネット販売も可能。
●高松城跡の玉藻公園にある国の重要文化財『披雲閣(ひうんかく)』の大書院にて、盆栽、陶芸をはじめとする伝統技術の匠たちの技に触れながら、讃岐の日本料理を楽しむ贅沢なディナーショー『雫』が10月22~27日(1日2回)に開催。詳しくはコチラ
05/21
BONSAI
盆栽神社
盆栽の町、国分寺町に鎮座する“日本にただひとつ”という盆栽神社。久久能智神(くくのちかみ)は樹木を司る男神。草野姫神(かやぬひめのかみ)は草花と技芸を司る女神。JA香川県の盆栽部会を中心に、平成3年に建立された。
06/21
室町時代の手法を残す石組をもとに、江戸時代に讃岐高松藩の歴代藩主により100年余りの歳月をかけて完成した庭園。
今年は、北庭完成100周年、国の特別名勝指定60周年の記念イヤー。さまざまなイベントが企画されている。特に、秋は紅葉と松とのコントラストがことさら美しい季節。和船に乗り、湖面から庭を眺めることもできる。
07/21
子供たちのため、多くの遊具を創作したことでも知られるノグチ。写真は、観音寺市にある一の宮公園。ノグチの手による遊具彫刻が22基設置されている。
また、晩年の20年余りを過ごした高松市牟礼町にある「イサム・ノグチ庭園美術館」には、庭園や丸亀の豪商の屋敷を移築した住居などが生前のまま残されている。
08/21
総合クリエーターの俣野温子氏による「タオルアート」や、常設展『ムーミンの世界展 ~ようこそムーミン谷へ~』などタオルを使った様々な楽しさがつまった美術館。約1万坪の広さの庭園にもムーミンキャラクターのブロンズ像が。
カフェなども充実している。
09/21
石鎚山は標高1982m、西日本の最高峰。古く山岳信仰の山とされ、空海も修行したといわれる。
紅葉が始まる10月第1日曜日から11月3日までの毎週、日曜・祝日の14時からは石鎚神社成就社において、餅投げ、福木投げが行われる他、登山イベントなどもさまざま予定されている。
10/21
起源は鎌倉時代、または平安時代までさかのぼるといわれる祭り。太鼓台が文献に登場するのは江戸時代後期だが、現在のように大きく豪華になったのは明治中期以降。別子銅山の開坑による産業の発展、太鼓台を所有する地域間の対抗意識がより巨大化を招いたと考えられている。
今年は10月15〜18日に開催。
11/21
ハマチ養殖発祥の地である香川県。その県花、県木はどちらもオリーブ。
オリーブの葉にポリフェノールなど体にいい成分が含まれていることに着目した高松市庵治漁協が、葉を粉末にしてハマチのエサに混ぜることを考案。さっぱりと味もよく、刺身にしたときにも色落ちしにくい「オリーブハマチ」が誕生した。9月中旬から1月頃が出まわり時期。
12/21
GOURMET
しっぽくうどん
香川といえば、うどん。弘法大師空海(現・香川県善通寺市出身)が中国から持ち帰ったのが始まりと伝えられ、その歴史は古い。
ゆで時間は約15分、水で締めた後は「秒単位で味が落ちる」といわれ、締めてから1時間経過したものは「うどんの死体」とまでいわれるほど。
秋口からは、里芋など季節の野菜を煮込んだ汁をゆでたうどんにかけた「しっぽくうどん」が食べられる。
13/21
GOURMET
ふぐざく
新居浜発祥の郷土料理。ふぐ料理店の店主が「ふぐさしより歯ごたえのいいものが食べたい」という常連客に応え、ふぐの刺身の切れ端や皮を刻み、薬味やカワハギの肝を添えて出したところ、名物になった。「ザクザク刻んで出す」から「ふぐざく」。10月から3月にかけて食べられる。
14/21
「うちぬき」とは西条市中心部に見られる自噴する地下水のことで、旧西条市内には約2000本もの自噴井があるといわれている。伊予西条駅周辺には駅のホームはじめ、うちぬきをめぐって散歩をする人も多い。
愛媛の秋の風物詩「いもたき」も、西条市ではこのうちぬきの水を使い、具にトリ貝を入れるなど他地区とはひと味違う味が楽しめる。
15/21
寛永4年(1627)創業、琴平を代表する老舗旅館。庭園に点在する数寄屋造りの3つの離れは森鴎外、北原白秋、与謝野晶子など文人らに好まれた。
写真の「離れ 長生殿」は江戸期の襖絵などの調度品を愉しめる。今年の夏には坪庭を眺める半露天風呂が新たに完成。
1泊2食付き40,050円(長生殿泊、平日1室2名の1名料金、入湯税含む)
16/21
3階から6階にあたる富士見台棟は、2008年5月に全館リニューアルオープン。東に讃岐平野、西に金刀比羅宮の神体山である象頭山(ぞうずさん)をのぞめる景色が自慢。
1泊2食付き19,050円(富士見台和室泊、平日1室2名の1名料金、入湯税含む)
17/21
HOT SPRING
琴平花壇
大浴場では、こんぴら温泉の湯が楽しめる。泉質は単純弱放射線冷鉱泉で、旅の疲れを癒してくれる。竹林に囲まれた露天風呂では、眼下に琴平の門前町が見下ろせる。
18/21
愛媛県の代表的な温泉といえば、松山の道後温泉。しかし、今治のこの鈍川温泉は「道後まさりのお湯が出る」と謳われる名湯で、さらにこちらでは源泉の湯が楽しめる。
ラドンを含んだアルカリ性単純泉はなめらかで、古来より美肌に効果のある「美人の湯」として知られる。
19/21
目の前は山。清流のせせらぎに身も心も癒される。全35室。温泉付き客室も8室ある。
1泊2食付き10,500円~+入湯税150円(平日1室2名の1名料金)
20/21
料理自慢の宿でもあり、猪豚鍋やキジ鍋のほか、季節の会席料理も評判。これからの季節は「松茸会席」。冬には「ふぐコース」も登場する。
21/21
塩で有名な、今治市伯方(はかた)島にある料理旅館。潮流が急で船の難所として知られる船折瀬戸の目前に建ち、客室の窓のすぐそばにも海が迫る。
瀬戸内の天然物の魚をつかった料理は自慢。「脱皮蟹のから揚げ甘酢がけ」はこれを目当てにリピーターが訪れるほどの名物。
1泊2食付き10,500円~(平日1室2名の1名料金)
22/21
山水閣の大浴場「山水の湯」。アルカリ性の単純泉で、秋にはみごとな紅葉が楽しめる。宿の横を流れる豊沢川のすぐ横にはかけ流しの混浴露天風呂「大沢の湯」も。
日帰り入浴600円(7時30分~20時30分。「山水の湯」と貸切家族風呂は利用不可)。
23/21
花巻温泉郷の人気温泉のひとつ、鉛温泉の名旅館。
約600年前、当主・藤井家の祖先が、白猿が木の根元から湧き出す泉で手足の傷を癒しているところを目撃。それを温泉と知り、仮小屋を建てたのが始まりと伝えられる。
木造三階建て、総けやき造りの本館は絵になる佇まい。1泊2食付き9,000円~(平日2名利用時の1名料金)。
24/21
名物「白猿の湯」は水深1.25m。日本一深い、立って入る湯だ。全身にずっしりとかかる水圧が心地いい。混浴だが、女性専用時間もある。
このほか、5本の源泉を有し、館内5つの風呂はすべて100%源泉かけ流し。「新日本百名湯」「日本温泉遺産」にも選出。
日帰り入浴700円(7~21時)。
※自動表示のほか、スライド左右にマウスを置くと表示する矢印をクリックすると前後の画像へ移動します。
高齢化が進み、人口も減少している瀬戸内の島々。そこに活力を取り戻し、地球上すべての地域の「希望の海」となることを目指し、2010年に始まった『瀬戸内国際芸術祭』。世界中の現代アート作家や建築家と、島で暮らす人々や景観が織り成すアートは多くの人に衝撃と示唆を与え、大きな話題を呼びました。
「ベネッセハウス ミュージアム」や建築家・安藤忠雄の「ANDO MUSEUM」のある直島、棚田も美しい豊島(てしま)美術館のある豊島など、瀬戸内の島々は、芸術祭の開催期間以外にも十分な魅力を発しています。それぞれの島がもつ個性や伝統を味わおうと多くの人が訪れるようになった瀬戸内は、急速に「日本人の定番旅」への仲間入りを果たした感があります。
今年は、3年に一度開催される『瀬戸内国際芸術祭』第2回の開催年。今回は、春・夏・秋の3シーズンに分け、季節とともにアートを楽しめるよう工夫されています。10月5日からはいよいよ「秋」の開催(~11月4日)。本島、高見島、粟島など秋のみ参加の島もあり、早くも注目を集めています。
と、アート満載の瀬戸内ですが、香川県、愛媛県内陸も負けてはいません。
今や“うどん県”として全国的人気を誇る香川県の代表的アートといえば、やはり金刀比羅宮(ことひらぐう)。建築の素晴らしさもさることながら、収蔵している美術品の数の多さ、質の高さでも有名です。常時公開している「表書院」では円山応挙(1733~95)の襖(すふま)絵が、また「高橋由一(ゆいち)館」では“日本近代洋画の祖”といわれる高橋由一(1828~94)から寄贈された油絵27作品を見ることができます。
また、香川県高松市には“日本一の盆栽の町”という顔があるのをご存じでしょうか?
江戸後期、土地の愛好家が始めたのをきっかけに広がったという高松の盆栽文化。なかでも、鬼無(きなし)町と国分寺町で生産される松盆栽は、全国シェアの約80%を占め、展示即売する盆栽屋さんも両町あわせ数十軒に上ります。近年では外国人観光客も多数、訪れるそう。10月18~20日は「たかまつ盆栽ウィーク」と題され、「第31回きなし盆栽植木まつり(鬼無町)」「第26回グリーンフェスタ国分寺(国分寺町)」が開催されます。
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得した日本最大の大名庭園・栗林(りつりん)公園には、約1400本の松があり、松の木の美しい庭園としても有名。このように、高松市と「松」は切っても切れない縁があるのです。
タオルで一躍有名になった愛媛県今治市には「タオル美術館ICHIHIRO」が。タオルメーカーの一広株式会社が運営する美術館で、タオルの奥深さを体感できる他、タオル製造工程の見学、ショッピングなども楽しめる人気スポットです。
ほかにも、祖父が香川県坂出市出身という縁で造られた「東山魁夷(かいい)せとうち美術館」、愛媛県新居浜市では、筒井康隆や星新一の作品の挿絵で人気を博したイラストレーター・真鍋博の作品を町中いたるところで目にすることができるなど、瀬戸内とアートの関係はまだまだ深いのです。
そういった人間が作り出すアートの素晴らしさがある一方で、自然が作り出す美というのも圧倒的な強さがあります。これからの時期ならば、紅葉。愛媛県西条市の霊峰・石鎚(いしづち)山では例年10月上旬、山頂から紅葉が始まります。登山、あるいはロープウェイを利用して、この時期だけの絶景を堪能したいものです。
この時期の両県は祭り一色でもあります。神輿ではなく、豪華に飾りつけられた「太鼓台」と呼ばれるものを担ぐのが特徴。この太鼓の装飾が一台一台、趣向が凝らされ、みごとという他ありません。
なかでも愛媛県新居浜市の「太鼓祭り」は“男祭り”の異名をとる勇壮なもので、太鼓台も超ビッグ。毎年10万人もの聴衆を集めて盛り上がります。
そして愛媛県のもうひとつの秋の風物詩が「いもたき」。里芋、こんにゃく、しいたけ、鶏肉などを煮込んだものを河原の特設会場に集まっていただきます。元祖といわれる大洲市では、350年以上前にさかのぼるほど歴史ある行事。
そのほかにも、おいしいものが盛りだくさんの秋の瀬戸内。アートに美食に、ぜいたくな時間を過ごしにいきませんか。
写真提供=香川県観光協会、琴平花壇、西条市観光協会、タオル美術館ICHIHIRO
、
高松市役所、中西珍松園、新居浜市役所、鈍川温泉ホテル、料理旅館せと、
裏辺研究所
※ 掲載されているデータは2013年9月現在のものです。