『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
奈良時代、天平神護2年(766)開山の輪王寺。写真の天空回廊ほか、大猷院(たいゆういん)や宝物殿、逍遥園など広い境内には見どころ多数。TEL.0288-54-0531。天空回廊8:00~16:00(11~3月は~15:00)、無休。天空回廊拝観料400円
水陸両用バスで川治ダム湖などを見学する「ダムとダム湖探険ツアー」は、1時間20分ほど。要予約。TEL.0288-78-0345。4月27日~12月11日、出発時間9:10~、10:40~、12:30~、14:00~、15:30~、不定休。3000円
約半世紀前から現在の場所で梁を作り続けるひのきや。アユの炉端焼き(4匹2000円)、アユ飯土鍋仕立て2500円などが人気メニュー。無料で梁の見学も。TEL.0287-82-2882。7月末~11月31日(期間内無休)、9:00~17:00
100mの坑道が3本とそれぞれを結ぶ5本の横道で構成される島崎酒造の洞窟酒蔵。平日のみ要予約。ここで貯蔵・熟成された「大吟醸秘蔵5年以上」5250円は、まろやかな香りと口当たりが特徴。TEL.0287-83-1221。10:00~16:00、元日休。無料
旅は、はじまりからいきなりクライマックス! 日光駅を降りたら、世界文化遺産に登録されている「日光の社寺」のひとつ、日光山 輪王寺へ向かおう。奈良時代に開山し、今も神仏習合の聖地・日光の中心地として信仰を集める同寺は、広大な境内に堂塔が点在。この時期だからこそ参拝したいのが、本堂である三仏堂だ。
現在、平成32年度まで予定の平成大修理のため、東日本最大の木造建築の大伽藍が素屋根で覆われている。その中、地上26mの高さに設けられた「天空回廊」(展望見学通路)からは、本堂の屋根頂上の高さから修理現場を見学でき、外に目をやれば東西に広がる門前町が一望できるのだ。
時間が許せば、バスで中禅寺湖や戦場ヶ原へ向かい、ウォーキングも楽しみたい。輪王寺や東照宮を含む日光二社一寺を巡るなら、社寺共通拝観券1000円がおトク!
東武鉄道と野岩(やがん)鉄道を乗り継ぎ、湯西川温泉駅で降りたら、お次は水上のアクティビティがお待ちかね。同駅に隣接の「道の駅 湯西川」から出発する「ダムとダム湖探険ツアー」に参加すれば、水陸両用バスで川治ダム湖周辺を見学できる。陸路からそのまま湖上へスプラッシュインする瞬間には思わず歓声が。
その後はスクリューでバスが進み、湖上から望む周囲の大自然や、普段は入れない川治ダムのキャットウォーク体験などを満喫できる。また、今年完成する湯西川ダムの工事現場を見学できるのは今だけ!
湯西川温泉で一泊したら、翌朝はJR宝積寺(ほうしゃくじ)駅まで出て烏山(からすやま)線の旅へ。東北本線からちょこっと付き出た烏山線は、車窓から田園風景や蔵の町並みなどを望めるローカル線だ。終点の烏山駅で降りたら、目指すは那珂川や荒川に架けられた梁(やな)。梁とは、川の瀬に杉の丸太や竹などですのこ状の形を作り、流れてくる魚を待って獲る仕掛け。那珂川沿いにある「ひのきや」では、遠く梁を眺めつつ、アユの炉端焼きを堪能できる。
烏山でもうひとつ立ち寄りたいのが島崎酒造。ここでは通常の酒蔵見学のほか、そこから車で約5分(JR滝駅から徒歩15分)の洞窟酒蔵も見学できる。第二次世界大戦末期に計画された戦車製造の地下工場跡地を利用した720坪の低温貯蔵庫は、年平均温度が10度前後。その冷気が、散策でほてった体に心地良い。
東京への帰路、ちょうど宵の口に着くのが宇都宮駅。実は、宇都宮は国内外で開催されたカクテルコンクールで優勝したバーテンダーが、日本一多い街。名バーテンダーのシェイクから生まれたカクテルに酔えば、旅の夜がグッと素敵に。カクテル倶楽部加盟店で出される宇都宮オリジナルカクテルもおすすめだが、どれも美味ゆえ飲み過ぎにご注意を……。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 上野発 | 6:49 | 宇都宮で乗り換え |
日光着 | 9:08 | バス10分の世界遺産・日光山輪王寺で新名所の三仏堂「天空回廊」を拝観。時間があれば中禅寺湖や戦場ヶ原をウォーキング | |
東武日光発 | 13:59 | 下今市で乗り換え | |
湯西川温泉着 | 15:07 | 水陸両用バスで行く「ダムとダム湖探険ツアー」に参加! 夜は湯西川温泉に「東日本大震災チャリティ宿泊」プランで一泊 | |
2日目 | 湯西川温泉発 | 9:17 | 下今市から徒歩で今市へ。JRに乗り換え |
宇都宮着 | 11:31 | ||
宇都宮発 | 12:07 | 乗り換え時間で大人気の定番駅弁「とりめし」などを購入 | |
宝積寺着 | 12:18 | ||
宝積寺発 | 12:29 | 「びゅうコースター風っこ」に乗車!(8月27・28日のみ) | |
烏山着 | 13:10 | 車で10分の「ひのきや」などの観光梁で、アユ料理を満喫。島崎酒造の洞窟地下貯蔵庫や、山あげ会館も見学 | |
烏山発 | 17:38 | ||
宇都宮着 | 18:38 | 宇都宮名物のカクテルか栃木県酒造組合「酒々楽(ささら)」で地酒を一杯。「宇都宮カクテルナイト」も9月4日に開催! | |
宇都宮発 | 20:38 | 快速ラビットで一本 | |
上野着 | 22:08 |
8月27・28日の2日間、オープンエアのトロッコ風気動車「びゅうコースター風っこ」が烏山線を疾走! 車体側面は窓ガラスがないので、爽やかな風を浴びながら線路沿いの田園風景を見渡せる。宝積寺発9:33、12:29、15:27、烏山発10:59、13:59、16:38。乗車券のほか別途指定席料金(大人510円、子ども250円)が必要
文:鈴木健太
写真協力:日光山 輪王寺、湯西川ダックツアー、裏辺研究所(Mt.赤城)、ひのきや、島崎酒造
※掲載されているデータは平成23年8月現在のものです。