北海道には2両のC11形蒸気機関車(171号機と207号機)が動態保存されており、函館本線や釧網本線、富良野線などで観光用のSL列車を牽引しています。C11形はローカル線で活躍した小型のタンク機関車で、転車台のない路線でもバック運転がしやすい設計になっています。171号機は標津(しべつ)線、207号機は日高本線で活躍後に公園で展示されていましたが、平成11年と12年に苗穂工場で復活。函館エリアで桜が咲くゴールデンウイークや大沼公園が美しい夏の観光シーズンには、函館本線函館〜森間を結ぶ「SL函館大沼号」として運転されています。
また、列車は14系客車4両編成(うち1両はカフェカーのスハシ44形)+車掌車のヨ3500形で、上り下り列車ともに最後部にはDE10形ディーゼル機関車を連結して運転されています。
函館駅を発車した列車は急勾配のある仁山駅を経由して、道南の景勝地である大沼公園と山容が独特なスタイルの名峰・駒ヶ岳の織り成す美しい風景を車窓に走ります。復路は海の風景が見える渡島砂原(おしまさわら)回りの路線を経由し、人気の温泉施設がある流山温泉駅にも停車。スイッチバックスタイルで大沼公園駅にも停車し、明治のロマンあふれる函館の街へと戻ります。