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『懐かしい汽笛とドラフト音が響く 郷愁の蒸気機関車』昭和の時代に現役を引退した蒸気機関車が全国各地で復活運転。懐かしい汽笛とドラフト音を響かせて走るSL列車の旅を楽しんでみませんか。

What’s 蒸気機関車?

燃料となる石炭と動力となる蒸気をつくる水を積んで走る蒸気機関車。積載する石炭と水の量が少なくて済む短距離のローカル線では、ボイラーの横に水タンク、運転台の後ろに石炭を積んだ小型の「タンク機関車」を使用。重量の重い列車の牽引(けんいん)やスピードが必要な長距離の幹線では、石炭と水が大量に必要となるため、機関車の後ろに大量の石炭と水が積める炭水車(テンダー)を連結した大型の「テンダー機関車」が使用されていました。また、明治から大正にかけては数字のみで表示されていた形式ですが、昭和3年から動輪の軸数にあわせてアルファベッドを併用。動軸が2本はB、3本はC、4本はD、5本はEのアルファベット+形式の数字で表記されています(動軸数が3本だとC11形やC57形、4本だとD51形などになっています)。山口線のC57形は最初に製造された1号機、磐越西線のC57形は180番目に製造された180号機で、機関車のナンバープレートは「C57 1」「C57 180」のように表示されています。

図:タンク機関車とテンダー機関車の違い

道南の名峰・駒ヶ岳や大沼公園を車窓に走る SL函館大沼号[JR北海道]

 北海道には2両のC11形蒸気機関車(171号機と207号機)が動態保存されており、函館本線や釧網本線、富良野線などで観光用のSL列車を牽引しています。C11形はローカル線で活躍した小型のタンク機関車で、転車台のない路線でもバック運転がしやすい設計になっています。171号機は標津(しべつ)線、207号機は日高本線で活躍後に公園で展示されていましたが、平成11年と12年に苗穂工場で復活。函館エリアで桜が咲くゴールデンウイークや大沼公園が美しい夏の観光シーズンには、函館本線函館〜森間を結ぶ「SL函館大沼号」として運転されています。

 また、列車は14系客車4両編成(うち1両はカフェカーのスハシ44形)+車掌車のヨ3500形で、上り下り列車ともに最後部にはDE10形ディーゼル機関車を連結して運転されています。

 函館駅を発車した列車は急勾配のある仁山駅を経由して、道南の景勝地である大沼公園と山容が独特なスタイルの名峰・駒ヶ岳の織り成す美しい風景を車窓に走ります。復路は海の風景が見える渡島砂原(おしまさわら)回りの路線を経由し、人気の温泉施設がある流山温泉駅にも停車。スイッチバックスタイルで大沼公園駅にも停車し、明治のロマンあふれる函館の街へと戻ります。

データ
運転線区
函館本線
運転区間
函館〜森

函館ハリストス正教会と駒ヶ岳がモチーフのヘッドマークをつけて疾走する「SL函館大沼号」

森駅発の上り列車(下り列車の時もある)は先頭のC11形蒸気機関車が後向きで走るバック運転が行なわれている

途中の停車駅ではバック運転も得意なC11形タンク機関車の後ろ姿を背景に記念撮影が楽しめる

阿賀野川の渓谷と山並みを車窓に映して走る SLばんえつ物語[JR東日本]

 平成11年4月29日に運転開始した磐越西線の「SLばんえつ物語」は、上越新幹線新潟駅と蔵の街・喜多方や会津藩の城下町・会津若松を結ぶ観光SL列車として活躍中。牽引機のC57形180号機は車体のボディーラインの美しさが人気の旅客用テンダー機関車で、新津市内の小学校で保存されていたものを大宮工場で復活させたものです。近年は九州独特の門鉄形デフレクター(除煙板)を装備したスタイルでも運転されています。また、牽引する12系客車は座席車6両+展望車(中間4号車)の7両編成で、車内はSL列車にふさわしいレトロ調のデザインになっています。

 新潟駅を発車した列車は信越本線を走って新津駅に到着。運転開始当時は始発駅であった新津駅で10分ほど停車し、いよいよ阿賀野川沿いの美しい渓谷が車窓を飾る磐越西線を走ります。車窓に川下りの舟を眺めると津川駅に到着。給水作業のため15分ほど停車しているホーム先端のC57形のまわりには、記念撮影を楽しむ人たちが集まります。「山都そばSL弁当」の販売がある山都駅では10分停車し、遠くに連なる美しい山並みを映して長い鉄橋を渡ると蔵の街・喜多方に到着。会津盆地に入った列車は田園風景の中を走り、会津観光の拠点・会津若松駅に到着します。

データ
運転線区
信越本線・磐越西線
運転区間
新潟〜会津若松

★運転日・停車駅・時刻等、詳細はこちら!

門鉄形デフレクターを装備したC57形180号機を先頭に走る「SLばんえつ物語」

新津駅で10分ほど停車する上りの「SLばんえつ物語」。C57形の運転台付近は駅長さんとともに記念撮影をする人で賑わっている

SL列車の旅の楽しみのひとつとなる駅弁。新津駅では昔懐かしい立ち売り風景を見ることができる

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