神話の里として知られる奥出雲を走る客車タイプのトロッコ列車が、雨の時などに待機できる控車を連結した2両編成の「奥出雲おろち号」です。車内の天井にはヤマタノオロチをイメージした電気装飾があり、トンネル内に入ると天井に目が釘付けになります。
途中には松本清張の小説『砂の器』の舞台となった亀嵩(かめだけ)駅(駅舎は出雲そばの扇屋)、社殿造りの出雲横田駅、三段式スイッチバックがある出雲坂根駅など見どころが数多くあります。
木次(きすき)駅を発車した列車は田園が広がる山里の風景を車窓に、中国山地を分け入るように走ります。途中の八川(やかわ)駅では「出雲そば弁当」の立ち売りがあるほか、車内でもオリジナル駅弁が販売されており、車窓の美しい風景と味覚を楽しむことができます。三段式スイッチバックの出雲坂根駅では、構内に湧き出る「延命水」を飲んで小休止。列車は坂の途中で折り返し、右手に国道の「奥出雲おろちループ」を眺めながら峠を越えて行きます。