平成9年3月、東北新幹線の200系車両の置換用および同年10月に開業する長野新幹線用として登場した最高運転速度275km/hの新世代車両。高崎〜軽井沢駅間の30‰(パーミル)の連続急勾配に対応するパワーと、軽井沢〜佐久平駅間で電源周波数が切り替わる(50/60Hz)のに対応した機器を装備しています。
平成14年12月の東北新幹線八戸延伸開業では、乗り心地を向上させた1000番台の車両も登場し、0・1000番台の10両編成はブルーと白のツートンカラーにツツジ色の帯を巻いた東北新幹線「はやて」「やまびこ」用、0番台8両編成は深紅レッドの帯を巻いた長野新幹線「あさま」用となっています。
平成22年末に新青森駅まで延伸開業予定の東北新幹線において、最高運転速度320km/hの営業運転を目指して開発された次世代高速車両「E5系」。
先頭車両はFASTECH(ファステック)360Sの8号車のアローラインをベースにしたダブルカスプ形(水鳥の口ばしのような形)で、カラーリングは「常盤(ときわ)グリーン」と「飛雲ホワイト」のツートンカラーの中央に「はやてピンク」の帯を巻いた、先進的イメージとスピード感にあふれたものとなっています。全車両に新型のフルアクティブサスペンションを装備。
さらに曲線通過時に車体傾斜制御装置を使用するなど、乗り心地の向上が図られています。なお、世界一流のグレードを実現するプレミアムブランド「スーパーグリーン車(仮称)」の導入も決定しており、東京〜新青森駅間の旅がより速く、快適なものになると期待されています。
可動式ヘッドレストや読書灯が付いた大型リクライニングシートが並ぶグリーン車車内
営業運転速度320km/hの高速運転に対応したシングルアーム式のパンタグラフを装備
先頭がダブルカスプ形のE5系。分割併合運転を行なうため連結器収納カバーが付く
航空機のコックピットのような運転台。情報がデジタル表示される液晶モニターが並ぶ
将来の東北新幹線の高速化を目指して平成17年に登場したのが、E954形新幹線高速試験電車の「FASTECH(ファステック)360S」です。
「ファステック」は高速技術を意味するファストテクノロジーから作られた愛称で、「360」は開発目標速度の360km/h、「S」は新幹線を表しています。
8両編成の試験電車の先頭形状は1号車がストリームライン、8号車はアローラインと異なるスタイル。
屋根上には耳のような板を出してブレーキを補助する空気抵抗増加装置が取り付けられるなど、試験電車ならではのユニークな機能が特徴になっています。
また、1・3・8号車は車内に各種試験の測定機器を積んでいますが、このほかの車両では車両ごとに異なるデザインの座席や車内空間を採用。
高速運転における信頼性や安全性の確立、車内の乗り心地の向上などを目指し、約2年間に渡って試験が行なわれてきました。
平成21年6月、この試験結果を基にして登場したのがE5系車両の量産先行車で、平成22年度末の営業運転開始に向けて試験運転を行なうことになっています。
アローラインと呼ばれる先頭形状の8号車。E5系はこれをベースとしたダブルカスプ形
高速運転時のブレーキ性能を高める目的で付けられた耳のようなブレーキ装置
- 運転列車
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東北新幹線:
「はやて」(東京〜八戸)
「やまびこ」(東京〜盛岡)
「なすの」(東京〜郡山)
長野新幹線:
「あさま」(東京〜長野)
高崎〜軽井沢駅間の急勾配区間と50Hz&60Hzの
2電源方式に対応した長野新幹線用のE2系0番台
E2系のグリーン車車内。可動式ヘッドレストの付いた大型リクライニングシートが並んでいる
昭和57年6月23日の東北新幹線大宮〜盛岡駅間の開業で登場したベーシックモデル。東海道・山陽新幹線の0系をベースに当時の最新技術を導入し、さらに耐寒耐雪構造を強化した車両で、長年に渡り東北・上越新幹線で活躍してきました。
近年は先頭車のスタイルや車内の設備をグレードアップした車両にリニューアルされ、カラーリングもブルーと白のツートンカラーの中央にグリーンの帯を巻いたものになっています。
なお、200系1000番台の運転最高速度は240km/hですが、1990年代に上越新幹線「あさひ」では275km/h運転を行なっていました。
- 運転列車
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東北新幹線:
「やまびこ」(東京〜仙台)
「なすの」(東京〜郡山)
上越新幹線:
「とき」(東京〜新潟)
「たにがわ」(東京〜越後湯沢)
外観・内装ともにリニューアルされた200系。
運転台周辺がシャープなスタイルになっている
E2系と同じ大型リクライニングシートを装備するグリーン車車内。従来車よりも明るい雰囲気になっている