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冬の北海道では、スキーリゾート列車やSL列車、ノロッコ列車を運転。今回は冬景色を車窓に楽しめるジョイフルトレインを紹介します。(文=結解喜幸 写真=結解学)

What's 北海道のジョイフルトレイン?

 北海道のジョイフルトレインのルーツは、昭和48年にキハ27形気動車を改造して登場したお座敷気動車のキロ29形になります。ゆったりくつろいで旅ができるお座敷列車の人気がでてきた時代で、昭和50年代は全国各地でお座敷列車が運転されるようになりました。

 昭和58年には東京や大阪で欧風車両も登場し、和風・欧風の2タイプのジョイフルトレインが旅の楽しさを演出するようになっています。

 昭和60年12月、当時の国鉄北海道総局がトマムスキー場近くにある2つのホテルとタイアップして製造したのが、北海道初の本格的なリゾートトレインとなるアルファ・コンチネンタル・エクスプレスです。両端にハイデッカータイプの展望車を連結した気動車で、ダークブラウンに金色の帯を巻いた斬新なデザインとなりました。車内もグリーン車と間違えるほどの豪華な内装とリクライニングシートが装備され、スキーリゾート列車として好評を博しました。

 このため、同列車と同様に富良野スキー場近くにあるホテルとタイアップした「フラノエクスプレス」が登場。これにより札幌エリアからトマム・サホロ・富良野の各スキー場へのアクセスがより快適なものとなり、JR化後は3本のスキーリゾート列車用の欧風気動車が誕生することになりました。

 また、列車の旅を楽しむジョイフルトレインとして、現役復帰したSLが牽引する「SL冬の湿原号」をはじめとするSL列車や、のんびりと車窓の風景を眺めながら走るトロッコ列車「流氷ノロッコ号」があり、白銀の世界が広がる冬の北海道の列車旅を演出しています。

昭和48年に急行形気動車のキハ27形を改造して登場したキロ29形お座敷気動車
北海道初のお座敷気動車キロ29形の車内。和風の大広間のようなお座敷になっている
ホテルとのタイアップで登場した「アルファ・コンチネンタル・エクスプレス」

ニセコエリアのスキー場を結ぶ ニセコエクスプレス

 トマム・サホロ・富良野方面のスキー場アクセスとして登場したアルファ・コンチネンタル・エクスプレスや「フラノエクスプレス」が好評を博し、さらにニセコ方面でもスキーリゾート列車の運転を望む声が聞かれるようになりました。そこで、昭和63年12月からスキーリゾート列車の第3弾として札幌とニセコ方面を結ぶ列車を設定することになり、スピード感にあふれる流線形車体を採用した「ニセコエクスプレス」が登場しました。

 車両の重心を低くして走行安定性や乗り心地を重視したスタイルが採用され、車内の天井も高い広々とした空間を実現。出入口のドアにはJR初のプラグドア(閉めた状態が車体と同じ平面になる)が採用され、空気抵抗の減少や車体側面の美しさが出ています。

 特急用気動車のキハ183系550番台と同じ性能を持つことから形式はキハ183系5000番台となり、キハ183-5001+キハ182-5001+キハ183-5002の3両編成で活躍。車内にはゆったりとしたリクライニングシートが並ぶほか、出入口付近にはスキー置き場(夏期は床置きタイプのクーラーが設置される)が設置されています。

 なお、平成15年12月に東京から札幌に本拠地を移した「北海道日本ハムファイターズ」を応援する列車として、車体色およびデザインを同球団のイメージカラーにしています。今年の冬も函館本線札幌〜ニセコ間の特急「ニセコスキーエクスプレス」として、平成22年2月21日まで運転されています。

北海道日本ハムファイターズのチームカラーでデザインされた「ニセコエクスプレス」

「ニセコエクスプレス」の前面の大きな窓からは運転台越しのワイドな車窓を楽しめる

北海道の雄大さをイメージして登場 クリスタルエクスプレス

  パウダースノーの北海道のスキー場が人気の的となり、道外からも大勢のスキー客が押し寄せるようになりました。そこで、平成元年12月にはスキーリゾート列車の第4弾として前面展望が楽しめる「クリスタルエクスプレス」が登場しました。

 先頭車両は運転台を2階部分に上げて展望室を設置し、客室部分は床面高さ300mmのハイデッカー構造。また、中間に連結される車両は床面高さ900mmのハイデッカー構造のドームカ—となり、車窓の風景をよりワイドに楽しめるようになっています。

 出入口のドアは「ニセコエクスプレス」と同じプラグドアを採用し、シルバーメタリックにこげ茶色をデザインした塗装と合わせてスタイリッシュな車両になっています。

 形式はキハ183系5100番台となり、キハ183-5101+キハ182-5101+キハ183-5102の3両編成で活躍。車内にはゆったりとしたリクライニングシートが並ぶほか、天井部分などにテレビモニターが設置されています。

 平成2年12月からは、中間車のキサロハ183-5101を連結した4両編成となりましたが、この車両は2階が普通車のセミコンパートメント、1階はグリーン車の個室(現在は授乳室・更衣室としても使用)とギャレー付きのラウンジを備えた2階建て車両になっています。今年の冬も石勝線経由で札幌〜新得間を結ぶ特急「トマムサホロスキーエクスプレス」として、平成22年1月25日から3月22日まで運転されます。

運転台を上に上げて前面展望室を設置した「クリスタルエクスプレス」

ワイドな車窓が楽しめる「クリスタルエクスプレス」の普通車。テレビモニターもある

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