昭和63年3月13日、JRグループで初となる新製特急用車両として登場したのが、ステンレス車体にJR九州のコーポレートカラーである赤い帯を巻いた783系交流特急形電車です。国鉄時代は485系特急形電車が全国各地で運用されていましたが、JRグループ初となる特急形電車では新しいスタイルを導入。各車両の中央部に出入口ドアとデッキを設置し、1両の客室をA室(下り方)とB室の2つに区分して使用できる特徴を備えています。これは短編成でもグリーン車と普通車、指定席と自由席、禁煙席と喫煙席を自由に配分できるもので、半室をグリーン車にしたクロハ782形も導入されました。
また、従来の485系と比べると客室窓が大きくなり、車窓の風景がよりワイドに楽しめるようになっています。さらに先頭車両は客室内から前面展望が見やすいものとなり、独特なデザインと合わせて人気の的となりました。
この改正では、鹿児島本線博多〜熊本・西鹿児島間の485系特急「有明」28往復中19往復が「ハイパーサルーン」の車両愛称が付けられた783系での運転となり、特に博多〜西鹿児島間を約4時間5分で結ぶ最速の1往復には「スーパー有明41・14号」の愛称が付けられました。