『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
東京駅で700系「ひかり」が発車を待つ。快適グリーン車なら日帰り京都旅行も楽々できる
京都駅を出て見上げる京都タワー。秋空に白くそびえる独特のタワーも京都名物の一つ
今秋、JR東海「そうだ 京都、行こう。」CMで注目の山科、毘沙門堂。散り紅葉も美しい
千枚漬けをはじめ、さまざまな漬け物がある京都。すぐきの漬け物もほどよい酸味で美味
京都といえば定番のお菓子「生八ツ橋」もお忘れなく。ニッキの風味と餡がマッチしている
宿泊するも日帰りもよしの京都旅行。日帰りで東京へ帰る時もグリーン車なら疲れ知らず
春夏秋冬、いつ訪ねても素敵な京都。とりわけ紅葉の季節、錦をまとった古都は情感にあふれ、旅人は皆、心を奪われる。
東京8時3分発「ひかり463号」に乗車。700系グリーン車は温かみのある照明が落ち着いた空間にふさわしく、上質な旅の時間を醸し出す。グリーン車で、しかも、東海道新幹線(「のぞみ」は不可)まで乗り放題のフルムーンパス。日本の大動脈が利用できてこそ、旅の自由度が大きく広がる。
紅葉の見所が数多い京都。JR東海のCM「そうだ 京都、行こう。」で紹介される紅葉スポットも訪ねてみたい。この秋は山科にある毘沙門堂。フルムーンパスなら京都駅到着後、東海道本線で1駅東に乗って山科駅下車。電車の本数も多いので適宜移動を。駅から散策がてらのんびり歩き20分ほどで毘沙門堂に着く。毘沙門堂の紅葉もさることながら、途中を流れる山科疏水もおすすめ。疏水に沿った静かな遊歩道を夫婦で歩いてみたい。
京都市営地下鉄(東西線)も通っている山科駅。地下鉄に2駅乗り、蹴上駅で下車すれば、同じく紅葉名所の南禅寺や永観堂も近い。
京都の紅葉を心おきなく愛でるフルムーン。新幹線で日帰りという人がこの頃は多いそうだが、疲れ知らずのグリーン車ならそれも楽々だ。そして、プランを変更して、京都に宿泊するのもよし。また、すぐ隣の大阪に宿をとれば、観光シーズンの京都よりも割安に滞在できると思う。
鳴子峡の雄大な紅葉と古都の雅な紅葉。フルムーンパスなら、心を満たす紅葉の旅もおトクに楽しめる。
3日目●乗車距離:1027.2km 運賃合計2人分:71,440円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~京都:@17,860円(乗7,980円 特グ9,880円) 乗車距離513.6km
京都~東京:@17,860円(乗7,980円 特グ9,880円) 乗車距離513.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の3日目】 錦秋の京都、紅葉を愛でる旅 |
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3日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
そうだ、京都へ紅葉を見に行こう (日帰りまたは京都泊) |
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東京 発 | 8:03 | 東海道新幹線【ひかり463号】グリーン車(700系) | |
京都 着 | 10:48 | 山科、毘沙門堂の紅葉もおすすめ! | |
古都ならではの紅葉めぐり (宿泊派の夫婦は京都泊) |
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京都 発 | 16:29 | 東海道新幹線【ひかり524号】グリーン車(700系) | |
東京 着 | 19:10 | 日帰り派の夫婦は自宅泊 | |
観光の問合せ
■京都:京都市観光協会 TEL. 075-752-0227
東海道新幹線も利用できるフルムーンパスなら、東海地方の紅葉めぐりも快適にできる。
東海地方を代表する紅葉名所は愛知県・豊田市の香嵐渓になるのだろう。ここは11月中旬あたりが見頃になるといわれている。また、「尾張名古屋は城でもつ」の同・名古屋市の名城公園も名所の一つ。お城がバックの紅葉は11月中旬頃からが見頃のようだ。「味噌かつ」など名古屋グルメとあわせ、新幹線で出かけよう。
北陸地方では石川県・金沢市の兼六園がはずせないところ。例年11月上旬頃から色づき始めるという。金沢駅からのアクセスもよく、東京からの場合、東海道新幹線米原経由で行くのもよし、上越新幹線で長岡経由もよし。そろそろ日本海側ではカニのシーズンにもなり、カニ&紅葉の豪勢な旅をしてみたい。
紅葉には赤く色づくものもあれば、黄色系も。黄色い紅葉(黄葉)にも独特の趣がある
山陽新幹線「さくら」はN700系を使用。新大阪から広島までグリーン車でくつろぎのひと時
フルムーンパスで乗船できるJR西日本宮島フェリー。船上より眺める宮島の大鳥居も格別
宮島には中国地方有数の紅葉名所、紅葉谷公園がある。時折姿を見せる鹿と一緒に紅葉狩り
宮島、紅葉谷公園に現れた鹿。一面に散った紅葉のじゅうたんにたたずむ光景は絵になる
夕暮れ時、宮島の大鳥居がライトアップされる。島に宿泊するからこそ出会える風景の一つ
お待ちかねの夕食は広島らしくカキのコース料理。特にカキ鍋が美味で身体もポカポカに
楽しい時間は流れるのが速い。5日間のフルムーン旅行も気がつけば終盤に。4日目と5日目は、1泊2日で秋こそ訪ねたい「安芸の宮島」へ。有名な紅葉谷を散策し、夕食には名産のカキ料理を贅沢に味わってみよう。
前日、京都は日帰りとし自宅泊のご夫妻は東京駅7時33分発「ひかり503号」にご乗車を。そして、前日、京都泊のご夫妻は京都10時16分発がこの列車だ。また、大阪エリアに宿泊された場合は、新大阪10時59分発「さくら551号」にお乗り遅れなく。
ところで、中国地方の地名にも難読系が多く面白い。子供の頃、「安芸」を「あき」と読めなかったが、宮島にある信仰の山、「弥山」をはじめ、「蒜山」や「大山」も読めなかった。当地では「山」はよく「せん・ぜん」と読み、それぞれ「みせん」「ひるぜん」「だいせん」となる。
山陽新幹線N700系「さくら」も速い。1時間半ほどで広島に着き、在来線とフルムーンパスで乗船できる宮島航路(JR西日本宮島フェリー)を乗り継ぎ、13時35分にはもう宮島着。
宮島といえば海に浮かぶと形容される厳島神社が知られているが、その背後にある紅葉谷公園もいい。紅葉の木々の間、時折姿を見せる鹿が宮島の秋をより一層引き立ててくれる。
さて、お腹もだんだん減ってきた。宮島のある広島湾はカキの名産地。旅の最終泊は奮発してカキのコース料理が味わえる宿を選んだ。カキ鍋に酢ガキ、カキ飯に焼きガキ、蒸しガキと盛りだくさん。お腹も一杯になり、幸せな気分で眠りにつく。
4日目●乗車距離:917km 運賃合計2人分:64,800円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
新大阪~広島:@13,440円(乗5,460円 特グ7,980円) 乗車距離341.6km
広島~宮島口:@400円(乗400円) 乗車距離21.8km
宮島口~宮島:@170円(乗170円) 乗車距離1.0km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の4日目】 安芸の宮島へ、紅葉もカキも |
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4日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
紅葉の秋こそ「安芸の宮島」へ (宮島泊) |
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東京 発 | 7:33 | 東海道新幹線【ひかり503号】グリーン車(700系) | |
京都 発 | 10:16 | 京都で宿泊された場合は京都から乗車 | |
新大阪 着 | 10:30 | 山陽新幹線に乗り換え | |
新大阪 発 | 10:59 | 山陽新幹線【さくら551号】グリーン車(N700系) | |
広島 着 | 12:33 | 在来線に乗り換え | |
広島 発 | 12:49 | 山陽本線普通電車 | |
宮島口 着 | 13:15 | 徒歩でフェリーに乗り換え(徒歩:約6分) | |
宮島口 発 | 13:25 | JR西日本宮島フェリー 船から大鳥居が見えます! |
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宮島 着 | 13:35 | 10分の乗船で宮島着 | |
紅葉を堪能し、名物「カキ料理」の夕食を |
観光の問合せ
■宮島:宮島観光協会 TEL.0829-44-2011
関西地方で紅葉と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが、京都・嵐山界隈ではないだろうか。渡月橋から眺める紅葉は素晴らしいの一言。例年11月中旬から下旬が見頃といわれている。また、今秋のJR東海「そうだ 京都、行こう。」で話題の山科、毘沙門堂も紅葉の見頃は11月中旬あたりからのようだ。
名だたる紅葉が雅に競演する古都、京都。さすがに見どころが多いだけに紅葉もどこかが見頃を迎えており、11月上旬から12月上旬にかけての幅広い期間が紅葉狩りのシーズンになっていると思われる。
関西地方では他にも、奈良の奈良公園が11月中旬から下旬、大阪・箕面(みのお)の一帯が11月下旬に見頃となる模様。京都に限らず、広く関西地方でお気に入りの紅葉名所を探すのもフルムーンパスの旅にふさわしい。
桜にしても紅葉にしても、京都で見ると優雅な感じがする。これも千年の古都ならでは
宿では朝食もお楽しみ。朝からしっかりとご飯を食べれば、今日一日、元気に旅ができる
宮島のおみやげといえば、やっぱり「しゃもじ」。家内安全、商売繁盛、長寿などの縁起物
宮島への玄関、JR宮島口駅。JR西日本宮島フェリーの桟橋までは、ここから歩いて6分ほど
三滝寺の最寄り駅は可部線の三滝駅。三滝駅で下車した電車の顔は、なんだかパンダのよう
三滝寺は三滝山の谷あいに建つ。しっとりとした紅葉の風景は京都にも似た静かな雰囲気
旅の締めくくり、広島で食べた「カキフライ」。ふんわりとジューシーなカキがおいしい!
宮島で迎えた旅の最後の朝、島をちょっと散策。観光客がやってくる前のとっておきの風景は、宿泊した人が目にできる“特典”と思う。旅の最終日、同じくとっておきの紅葉を愛でてみたい。
チェックアウトの時間まで宿でゆっくりし、10時過ぎのフェリーで島を離れる。宮島口駅から山陽本線の電車で横川を経由、可部線に乗り換えて1駅、三滝駅に11時14分到着。ここ三滝は広島駅からもほんの2駅と近いが、豊かな自然に恵まれている。駅から20分ほど紅葉の道を歩けば三滝山の谷あいに建つ三滝寺に着く。
三滝寺界隈は広島では知られた紅葉名所の一つだが、宮島や京都や鳴子峡に比べれば人出は少ないほう。京都の社寺のような気配に満ち、とっておきの紅葉と静かに向き合える。
北から西へと旅する紅葉満喫フルムーン。旅に出るベストなタイミングは年によって紅葉の進行が異なるため一概には言えないが、昨秋の鳴子峡は11月10日あたりでも見頃が続いていた。今年も11月上旬頃からがベストの時期になるのでは。これなら西の木々も赤く染まり始めていると思う。また、北か西、どちらか一方の紅葉を優先し、それに合わせて出発時期を検討するのもいい。本プランも参考に、夫婦それぞれ、お気に入りの紅葉名所をめぐってほしい。
広島で「カキフライ」を食べ、東京へ帰る新幹線。快適なグリーン車で5日間の旅を振り返り、二人語らう。深まる秋のように夫婦の仲も一段と深まればいい。
5日目●乗車距離:919.2km 運賃合計2人分:65,280円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
宮島~宮島口:@170円(乗170円) 乗車距離1.0km
宮島口~横川:@320円(乗320円) 乗車距離18.8km
横川~三滝:@140円(乗140円) 乗車距離1.1km
三滝~広島:@180円(乗180円) 乗車距離4.1km
広島~新大阪:@13,440円(乗5,460円 特グ7,980円) 乗車距離341.6km
新大阪~東京:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の5日目】 広島で紅葉狩り、新幹線で帰京 |
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5日目 | 発着駅 | 時間 | メモ |
広島、三滝寺を訪ね、帰京 | |||
宮島 発 | 10:10 | JR西日本宮島フェリー | |
宮島口 着 | 10:20 | 徒歩(約6分)で山陽本線・宮島口駅へ | |
宮島口 発 | 10:33 | 山陽本線、普通電車 | |
横川 着 | 10:56 | 乗り換え | |
横川 発 | 11:12 | 可部線、普通電車 | |
三滝 着 | 11:14 | 1駅の乗車で三滝着 | |
三滝寺周辺を散策 | |||
三滝 発 | 13:15 | 可部線、普通電車 | |
広島 着 | 13:22 | 三滝から2駅で広島です | |
乗り継ぎの新幹線を1、2本遅らせ、食の締めくくりに「カキフライ」を味わう | |||
広島 発 | 15:10 | 山陽新幹線【さくら566号】グリーン車(N700系) | |
新大阪 着 | 16:44 | 東海道新幹線に乗り換え | |
新大阪 発 | 17:13 | 東海道新幹線【ひかり526号】グリーン車(700系) | |
東京 着 | 20:10 | 紅葉満喫フルムーンの終わり |
観光の問合せ
■広島:広島市観光案内所 TEL. 082-247-6738
北日本の紅葉もいいが、中国・四国・九州地方の紅葉にも味がある。特にこのプランでも取り上げた広島県・宮島の紅葉谷公園(見頃は例年11月中旬)はその名の通り美しい。また、広島では三滝寺(見頃は11月中旬くらい)や三段峡(同11月上旬くらい)も紅葉名所として知られている。
四国では徳島県の大歩危、小歩危が11月中旬くらいから見頃となり、土讃線の車窓からも紅葉が楽しめるだろう。
南国、九州にも紅葉名所はある。たとえば大分県の耶馬渓付近で11月中旬が例年の見頃、また、同・竹田市の岡城阯が11月中旬から下旬にかけて。
フルムーンパスなら四国にも九州にも自由自在なプランで行ける。快適なグリーン車に乗って、南の紅葉を訪ねる旅もしてみたい。
広島、三滝寺界隈の落ち葉。紅葉は赤く染まった木も美しいが、散り紅葉にも風情がある
<東京発5日間の運賃総額、JR総乗車距離>
JR運賃総額:271,820円 (2名分合計 通常期で算出)
JR総乗車距離3764.5km
※運賃計算キロ
乗車倍率:3.37倍 (JR運賃総額÷フルムーン5日間パス定価80,500円)
※運賃計算キロは、JR東日本「えきねっと 乗換・運賃案内」で表示のものです
写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で3巡している。これまでに80日以上「フルムーン旅行」をし、JR路線も約8万キロ乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年に渡って連載。
ホームページhttp://www.aizawa22.com
文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは平成23年9月30日現在のものです。
※JR時刻表10月号を使用。到着時刻等、一部時刻未掲載のものは、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示の時刻を使用。
※運賃は通常期の「平成23年10月14日(鉄道の日)」をモデルに算出しました。