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トクトクきっぷで行く『龍馬伝』紀行1 近藤勇やお龍などの登場で、さらに盛り上がってきた大河ドラマ『龍馬伝』。今回は、JRのトクトクきっぷを使い、龍馬やその周辺の人物ゆかりの地へ向かう旅を計4プランご紹介。第1回は「京都&福井編」と「山口&萩編」!

  • 京都&越前、二つの歴史薫る町で龍馬の真相を追う!
  • 幕末の歴史を動かした雄藩・長州の志士と龍馬の友情を辿る旅

京都&越前、二つの歴史薫る町で龍馬の真相を追う!京都府京都市、福井県福井市・今庄町/1泊2日プラン 天皇の御所があった京都は、倒幕派と佐幕派による事件が数多く起きた。今回は、そのなかで龍馬が関わった事件に関する史跡や資料が見られるスポットを訪ね、事件の謎を解く旅へ。実は龍馬と縁の深い地、福井にも足を延ばしたい。

倒幕の志士と佐幕派が入り乱れた古都で幕末の狂騒を想う

 桜や紅葉の京都は美しい。しかし、新緑や濃緑の季節もまた、青もみじなどの美しい自然の表情を見せてくれるのが京都だ。今回の最初の目的地・京都では、薫風が吹くなか龍馬にまつわる様々な事件の現場を訪ねてみたい。

 まずは、伏見にある寺田屋へ。慶応2年(1866)、龍馬が伏見奉行所役人に襲撃された寺田屋事件は、同宿で起きた。建物の柱には龍馬が襲われた際に付いたとされる刀傷などが残っているので、当時の騒乱を想像できて楽しい。

 京都の中心地・四条方面に戻り、老舗の「とり新」で昼食に親子丼をとったら、歴女にも大人気の「幕末維新ミュージアム 霊山歴史館」へ徒歩で移動しよう。8月29日まで開催中の「大龍馬展 第2期」では、龍馬直筆の手紙をはじめ、武市半平太が塾頭を務めた士学館の道場主・桃井春蔵の扇面や岩崎弥太郎も読んだ福沢諭吉著の書物『西洋事情』など幕末好き垂涎の資料がズラリ! さらに6月16日からは、近江屋事件で龍馬を斬ったという京都見廻組・桂早之助の小太刀を展示する。見廻組で有名な今井信郎や渡辺篤ではなく、近江屋の狭い室内では小太刀の得意な桂に龍馬を襲わせたという説明には、目からウロコだ。

 その後、大河ドラマ『龍馬伝』で6月に放送予定の池田屋事件の跡地を訪ねたり、清水寺からほど近い京都霊山護國神社にある「龍馬の墓」をお参りして京の旅を終える。

龍馬が2度も訪れた福井藩は春嶽公をはじめ多くの傑物を輩出

 2日目は、龍馬が、越前福井藩主・松平春嶽(しゅんがく)に神戸海軍操練所の建設資金の援助を求めに足を運んだ福井を目指す。その際にぜひ乗車したいのがJR湖西線。比叡山や武奈ヶ岳の山地と琵琶湖に挟まれた地域を走る同線は、さまざまな絶景が車窓を訪れる。仲夏の青空を映す青い湖面を見れば、旅情も増すはずだ。

 JR今庄駅で降りたら、北陸と京都を結んだ道に立つ石柱「文政の道しるべ」へ。龍馬も勝海舟の書状を持ってこの道を通ったに違いない。その後、木格子窓が残る今庄の古い街並みを散策し、福井駅へ向かう。

 同駅付近でまず向かいたいのが、「莨屋(たばこや)旅館跡」。現在は石碑が残るのみだが、「莨屋旅館」は福井藩で財政を任された由利公正と龍馬が朝から夜更けまで日本の未来を語り合ったという、龍馬と縁深いスポットなのだ。二人の熱い会話に想いを巡らしつつ、松平家の別邸である「養浩館庭園」へ。毎年6月には、回遊式林泉庭園に花菖蒲の紫が艶やかさを加える。屋敷にある「櫛形ノ間」などの各部屋から望める静謐かつ雅な池庭には、お殿様・松平春嶽もうっとりしたのだろうか。駅への帰路では、松平家の御用達であった老舗和菓子屋「錦梅堂」で、土産に羽二重餅を買うのをお忘れなく。

旅のスケジュール

  スポット名 アクセス
1日目 寺田屋 JR京都駅から市バス81系統で京橋下車、徒歩2分
とり新 JR京都駅から市バス205系統で四条河原町下車、徒歩5分
幕末維新ミュージアム
霊山歴史館
JR京都駅から市バス206系統で東山安井下車、徒歩10分
京都霊山護國神社
(龍馬の墓)
JR京都駅から市バス206系統で東山安井下車、徒歩7分
池田屋跡 JR京都駅から市バス205系統で河原町三条下車、徒歩3分
2日目 文政の道しるべ JR今庄駅から徒歩10分
莨屋旅館跡 JR福井駅から徒歩20分
養浩館庭園 JR福井駅から徒歩15分
錦梅堂 JR福井駅から徒歩10分
旅のDATA
■北陸おでかけパス
滋賀県の長浜駅や福井県の福井駅、今庄駅、敦賀駅、石川県の金沢駅などを含む北陸自由周遊区間の普通列車(新快速・快速を含む)が1日乗り放題。今年から子供料金が半額の500円に!
発売期間
平成22年9月23日まで
利用期間
平成22年9月26日までの土・日曜・祝日
有効期間
1日間
ねだん
おとな2000円、こども500円
食べなきゃ損ぜよ! 幕末グルメ とり新の「親子丼」
龍馬が近江屋で暗殺される直前、使い走りの峰吉に軍鶏を買いに行かせたとされるのが四条小橋の「鳥新」。現在、縄手通りにある「とり新」は、唯一残るその系列店だ。ランチでは、その名店の味を親子丼750円で堪能可能。丸鶏から丁寧に下処理した肉厚な鶏肉と卵を3つ使った美味なる丼を、龍馬気分で豪快にかきこもう! TEL.075-541-4857。12:00~14:00、18:00~22:00、木曜休


龍馬の定宿として有名な寺田屋。寺田屋事件の際にお龍が飛びだして龍馬に急を知らせたという風呂などを展示(現在の寺田屋は再建という説も)。TEL.075-622-0243。10:00~16:00、月曜不定休。400円


霊山歴史館では龍馬をはじめ幕末に活躍した志士、新選組などの遺品や遺墨といった資料を約5000点収蔵し、常時約100点を展示。TEL.075-531-3773。10:00~17:30(入館~17:00)、月曜・展示替え日休。700円


京都から福井への移動で乗る湖西線は、西に比叡山系、東に琵琶湖を望む絶景路線。近江舞子(写真)は、線路と琵琶湖がもっとも近づくポイントのひとつ


莨屋旅館跡の石碑。現在は「懐石料理 仕出し 与志多」になっており、事前予約(10人以上)で当時龍馬が食べたという献立を現代風にアレンジした龍馬弁当(2625円)を堪能できる。TEL.0776-24-2342


江戸時代の福井藩主・松平家の別邸。優美な書院建築と回遊式林泉庭園が見どころ。明治17年には松平春嶽により「養浩館」と名づけられた。TEL.0776-21-0489。9:00~19:00(11月6日~2月末は~17:00)、年末年始休。210円


福井駅ホームなどで買える「おとなの焼き鯖寿し」860円は、今年2月に発売された新顔の駅弁。ご飯と焼き鯖の間に、辛さを逃さぬようペースト状にしたワサビの茎を挟んでいるところがオトナ

旅のMEMO
観光の問合せ
京都市観光協会●TEL.075-752-0227
福井県観光連盟●TEL.0776-20-0741

文:鈴木健太
写真協力:寺田屋、鳥新、霊山歴史館、びわこビジターズビューロー、福井県観光連盟、番匠本店
※掲載されているデータは平成22年5月現在のものです。



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