鹿児島・霧島での龍馬の足跡を辿る時間旅行には、それにふさわしいタイムマシンが必要! ……ということで、熊本から「SL人吉」に乗車(11月28日までの金・土・日曜・祝日・月曜などに運転。熊本9:41発)。日本三大急流のひとつ、球磨川沿いを進む熊本~人吉間は通称「川線」と呼ばれ、翡翠色の川面や川沿いの風景が目を和ませてくれる。
人吉から列車を乗り換え、大畑(おこば)駅近辺のループ線、日本三大車窓と呼ばれる真幸(まさき)~矢岳(やたけ)間の霧島連山とえびの盆地の展望を楽しんだら、鹿児島県最古の木造駅舎・嘉例川(かれいがわ)駅で下車。ここから、龍馬が寺田屋事件で負傷した刀傷を癒した塩浸(しおひたし)温泉へ向かう。今年5月にオープンの塩浸温泉龍馬公園では、龍馬が湯治した源泉を利用したお湯で湯浴みが可能。天降(あもり)川沿いには、ひょっとして龍馬が入ったかもしれない昔からの湯船が残るので、龍馬の姿をあれこれ想像するのも面白い。
古湯の湯上がり後、霧島神宮駅まで移動して目指すは、龍馬とお龍も歩いた高千穂峰ハイキング。姉・乙女への書簡では細かな絵図入りでハイキングルートを説明したり、危険な馬の背越えではお龍の手を引いてあげたという逸話が残っていたりと、龍馬にも思い出深いハイキングだったのだろう。高千穂河原の登山口から山頂までは約1時間半。それなりの登山用の服装が必要だが、山頂では龍馬が抜いたという天の逆鉾や霧島連山の山並みを望むことができるので、ぜひトライを!
下山後は、西郷隆盛が度々訪れたという日当山(ひなたやま)温泉郷へ。西郷が釣りや狩りを楽しんだ後に入ったとされるお湯に浸かれる「西郷どん湯」で、旅の疲れを癒そう。同浴場の近くには、西郷が宿泊した農家を「西郷どんの宿」として再現しているので、足を延ばしてみたい。