『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
九十九(くじゅうく)王子最後の一社・多富気(たふけ)王子跡や十一文関所跡など見どころが多い大門坂。約40分で那智大社の表参道に着く。TEL.0735-52-5311(那智勝浦町観光協会)
小学3年以上であれば、缶詰の製造工程を体験できる「まぐろ体験CAN」。TEL.0735-52-0977(3日前までに要予約)。開催時間9:00~、13:00~(約3時間)、火曜休(祝日の場合翌日)。2500円
熊野速玉大社の拝殿。室町時代に皇室と足利義満が奉納したとされる1000点以上の古神宝類を所蔵しており、その一部を神宝館で見学可能。TEL.0735-22-2533。神宝館9:00~16:00、無休。神宝館500円
「(ワイドビュー)南紀」に乗って名古屋から3時間半、意外と早く紀伊勝浦駅に到着。そこから世界遺産で熊野三山のひとつ熊野那智(なち)大社駐車場までバスが出ているが、あえて手前の大門坂で降り、歴史薫る古道を歩いて大社へ向かおう。
苔むした石段や、樹齢800年の夫婦杉をはじめとした荘厳な杉木立などが、当時の雰囲気を伝え、つい昔の参拝者と自分を重ねてしまう。夫婦杉近くにある大門坂茶屋で平安衣装を借りて歩けば、ムードが一層盛り上がるのだ。
約30分後、心地良い疲労感を得て那智大社に到着。同大社の別宮が神として祀っている那智の滝は落差133m、幅13mと日本最大の名瀑。檜皮でふかれた本殿や樹齢800年という「那智の樟(クス)」、お隣の青岸渡寺(せいがんとじ)など、ほかにも主役級の見どころがいっぱいだ。
初日は紀伊勝浦駅まで戻り、南紀勝浦温泉で一泊。鉤形に小さく突き出た半島にある同温泉は、絶景露天風呂を備える宿が多い。8月20日~9月30日は、朝食や夕食で地産コシヒカリの新米を味わえる「とれたての新米キャンペーン」も実施中!
2日目は、紀伊勝浦駅から徒歩5分の「勝浦漁業協同組合まぐろ体験CAN」で催されるオリジナルのマグロ缶詰づくりに挑戦しよう。
まずは紀州勝浦産のマグロの皮などを取り除いて蒸し、身を1cm角にカット。次に、切ったマグロを缶に詰めて綿実油や塩などを入れ、巻締め機で缶にフタをする。高温高圧をかけ殺菌消毒し終えたら、パソコンで作ったオリジナルラベルを貼って、世界にひとつだけのマグロ缶が完成! 同施設では、ほかにも干物づくり体験やマグロ料理づくり体験も実施中だ。
午後は新宮(しんぐう)まで移動し、熊野三山の熊野速玉(はやたま)大社へ。天ノ磐盾(あまのいわだて)に降臨した熊野三神を、景行天皇58年(128)に神殿を建てて迎えたことが創始という由緒ある神社で、境内には朱塗りの社殿が建ち並ぶ。樹齢約1000年の御神木・ナギの側にある神宝館には国宝・重要文化財が1200点余も保存されており、こちらも必見。
新宮界隈で、家族連れにおすすめなのが高田自然プール。清流・高田川の水を利用したプールで周りには濃緑の山々、足元には魚の泳ぐ姿も時おり見え、開放感満点なのだ。
帰りも「(ワイドビュー)南紀」で名古屋まで一本。「熊野弁当」や「さんま鮨」などの駅弁に舌鼓を打ちつつ、熊野を巡る聖地巡礼の余韻に浸りたい。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1日目 | 名古屋発 | 8:08 | 「(ワイドビュー)南紀1号」で一本。名古屋駅で買った駅弁を車内でパクパク |
紀伊勝浦着 | 11:38 | ||
バス停 勝浦発 | 11:50 | 熊野交通バスに乗車 | |
バス停 大門坂着 | 12:09 | 大門坂を上り、熊野那智大社、那智大滝、青岸渡寺を参拝。 | |
バス停 那智山発 | 17:40 | ||
バス停 勝浦着 | 18:05 | 南紀勝浦温泉で一泊。8月20日~9月30日は「とれたての新米キャンペーン」、平成24年2月まで同温泉に泊まると毎月1名に出前解体(生まぐろ1本付き)が当たるキャンペーンも | |
2日目 | 紀伊勝浦発 | 12:43 | 勝浦漁業協同組合横の「まぐろ体験CAN」で、オリジナルまぐろ缶詰づくり。日曜の朝8時~11時開催の朝市「勝浦漁港にぎわい広場」も楽しい。特急「スーパーくろしお3号」に乗車 |
新宮着 | 12:58 | 徒歩15分の熊野速玉大社へ。もう一泊するなら、大社近くから発着する熊野川の「夕涼み川舟」で涼むのが風流。駅からバス約20分の「高田自然プール」(7月15日~8月31日)は開放感抜群! | |
新宮発 | 17:28 | 熊野弁当やさんま鮨などの駅弁を買って、「(ワイドビュー)南紀8号」に乗車 | |
名古屋着 | 20:44 |
川の参拝道・熊野川を、空が赤くなる夕方頃に川舟で巡るプラン。熊野速玉大社下の権現(ごんげん)川原を出発したら、畳石や御船(みふね)島、丹鶴(たんかく)城跡など魅力あるスポットが続々と登場。川面をなでる涼風、千穂ヶ峯に沈む夕日に心癒される。TEL.0735-44-0987(前日の16時までに要予約)。運行期間7月23日~9月25日の土・日曜・祝日、17:00~18:00(集合は川原家横丁に16:30)。1500円
文:鈴木健太
写真協力:勝浦漁業協同組合、那智勝浦町観光協会、新宮市経済観光部商工観光課観光係、新宮市観光協会、熊野川 川舟センター
※掲載されているデータは平成23年8月現在のものです。
※台風12号の影響により、紀勢本線の一部で運転を見合わせている区間があります。
運行情報につきましては、JR東海、JR西日本のホームページをご覧ください。
●JR東海ホームページ
●JR西日本ホームページ