前日までは全く雪のない景色でしたが、翌朝は白銀の世界になっていました。急いで撮影地に向かい無我夢中で撮影。お昼頃には山や木々の雪はすべて溶けてしまいました。
【アクセス】
JR岐阜駅、富山駅などから高山本線を利用。
【便利なきっぷ】
飛騨路フリーきっぷ(バスフリー区間またはタクシー乗車券付き)
【おすすめ情報】
今年も残りわずかになってきました。北国より雪の便りが届き、まもなく本格的な冬の到来です。寒い日々が続き、つい撮影に出かけることをためらってしまいがちですが、厳しいシーズンだからこそ撮れる鉄道風景がたくさんあります。今回はそんな冬の鉄道撮影のコツを解説しましょう。
冬の鉄道風景としてまず思い浮かべるのは、木々に雪が降り積もり、雪原はキラキラと輝くというような、白銀の世界ではないでしょうか。まさに理想の冬景色なのですが、実は撮影することがとっても難しいのです。
西高東低の冬型の気圧配置になると、関東などの太平洋側では快晴、日本海側では悪天候となります。いわゆる雪国というのは日本海側の地域になるので、雪は降りますがなかなか良いお天気になってくれません。天気予報をこまめにチェックして、「雪のち晴れ」というような予報が出たら撮影地にGO! ですが、なかなか出会えないチャンスでもあります。
お天気の良い太平洋側でおすすめなのは、ズバリ北海道の道東エリアです。晴れの日が多く撮影チャンスが多いのと、気温がとても低いので、川や湿原に近い撮影地などでは霧氷を期待することができます。
雪晴れや霧氷などの白銀の世界にめぐり合えたら、あとは時間との勝負です。時間とともに気温が上がってくると、木々の雪はボタボタと落ち始め、霧氷はあっという間に溶け始めます。私の経験では午前10時頃までがギリギリといった感じです。そう、早朝から撮影地に出向いて準備しないと、なかなか理想の作品は生まれないのです。
さて、美しい雪景色に出会ったら、次に悩むのがカメラの露出設定です。カメラの露出計は簡単に言うと、白や黒をグレーにするように計算しています。なので、フルオートで雪景色を撮影すると、少し暗い感じの仕上がりになってしまいます。そこで「露出補正」という機能を利用します。
雪などの白いものが画面の多くを占める場合は「プラス補正」をします。+1/2から+1程度の補正が目安です。モニターやヒストグラムを確認して雪などが白くなるように設定してみてください。
冬の撮影は通常の撮影に比べて非常に体力を消耗します。とにかく暖かい防寒対策をしてください。そして、天候の悪化や体調の変化など、少しでも「怖いな」と感じたら直ちに撮影は中止するようにしましょう。安全に楽しく撮影するのが鉄道撮影の第一です。
マイナス10度以下の世界では、よく霧氷の世界に出会うことができます。早朝より登山をして撮影しましたが、これ以上の美しい霧氷の風景には、しばらく出会っていません。
【アクセス】
JR網走駅、東釧路駅などから釧網本線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
西高東低になれば南関東は快晴確定。空気も澄んでいるので早朝の風景はじつにドラマチックです。朝焼けに輝くレールと枕木に付いた霜が印象的でした。
【アクセス】
JR八王子駅、高崎駅などから八高線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
雪原に続く小動物の足跡が印象的だったので、足跡を効果的にフレーミングしています。周りの余計なものをすべてカットし、真っ白な世界にしてみました。
【アクセス】
JR松本駅、糸魚川駅などから大糸線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
日の入り直後のブルーモーメントを狙いました。暗くて露出が厳しいのですが、逆手にとってスローシャッターで流し撮りをしてみると、とても幻想的な作品になりました。
【アクセス】
JR旭川駅、富良野駅などから富良野線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどの JRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。 (社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。