平成元年3月、それまでの常磐線の485系を使用した特急「ひたち」に代わり走り始めたのが、651系特急「スーパーひたち」です。JR東日本初の特急形電車であり、在来線で初めて最高速度130km/h運転を行ない、到達時間を大幅に短縮させ、たちまち評判になりました。
眺めのよい大型の連続窓が配置された客室には、ゆったりとしたバケットタイプのリクライニングシートが並び、各席に読書灯が備わりグリーン車では2+1列配置が採用されました。シートピッチは普通車で970mmと広くなり、居住性が向上しています。カード式公衆電話も設けられ、2次車からはグリーン車に衛星放送の液晶テレビが装備され設備のグレードの高さは大変に好評でした。
性能面では界磁添加励磁制御、交直流電車で初めて電力回生ブレーキが採用され、高速化が図られています。
そして注目されたのは、斬新な「タキシードボディ」と呼ばれた車体です。美しい先頭形状。従来の殻を破った純白のカラーリング。最前部に輝くLED式のヘッドマークも当時は画期的でした。その流れるようなスタイルは伝統のボンネット特急電車の再来かのようで、ボンネットスタイルの未来形とも言えるでしょう。