老朽化した旧型気動車の取り替えとローカル線の近代化、サービス改善のため、平成2年にデビューしたのがキハ100・110系気動車です。車体、機関など在来車両の概念を一新して製造されたまったく新しいタイプの気動車です。
キハ100系は16m級車体のセミクロスシート車。冷房を備え、側窓は複層ガラスの連続固定窓、側扉は密閉性の高いプラグドアが採用されています。機関はコマツ、カミンズ製の直接噴射式(過給器・吸気冷却器付き330PS)、ブレーキは機関、コンバーターブレーキ併用の応答性のよい電気指令式となり、飛躍的に運転性能が高まりました。カラーリングはグリーンを基調にしたとても明るいもので、それまでの気動車のイメージが大きく変わりました。
キハ110系は20m級車体の回転クロスシート車で、急行列車用として誕生しました。機関はカミンズ、新潟製で420PSと出力の高いものが搭載されています。蛍光灯グローブも設けられ、特急車並みの車内設備を誇りましたが、急行列車そのものが衰退傾向にあり、増備は11両に留まりました。また、キハ110系は急行用としての最後の新製車両にもなりました。