平成元年3月、博多から由布院など観光地の多い久大本線を経由し、別府を結ぶべく観光特急として誕生したのがキハ71系「ゆふいんの森」です。キハ71系はリゾート特急専用車として新風を吹き込みました。
車体は、沿線の風景が楽しめるようハイデッカー構造となり、窓は大型固定窓の連続風として内側に傾斜してあります。先頭部は丸みを帯びてモダン。カラーはオリーブグリーンのメタリックに金帯が輝きます。ヨーロッパ・レトロ調の車内は難燃性の木材が使用され、真鍮や金メッキの装飾類、丸い蛍光灯グローブなど、ノスタルジックで豪華なイメージのものとなりました。
編成中にはオーダーデリバリー方式のビュッフェも設けられ、食事も気軽に楽しめます。デッキから客室階段部分には鉄道車両で初のコインロッカーも設けられました(後年に廃止)。美しい車体、斬新なアイデア等は高く評価され、平成元年のグッドデザイン賞を受賞しています。性能的には、キハ71系はキハ58、キハ65形の走行装置を使用し、車体を完全に新製しています。