波乱万丈の人生を送った兼続だが、与板城主時代の面影を求めて、直江津駅から信越本線に乗り長岡駅へ向かうことにする。
途中の柿崎駅~米山駅、青海川(おうみがわ)駅~鯨波駅では日本海の荒波が打ち寄せる海岸線を走るので、座席の温かさに誘われての居眠りは厳禁区間だ。
さて、長岡駅の北西約10kmにある与板(長岡市与板町)は、上杉家の重臣・直江景綱の娘・お船(せん)と結婚し、愛を育んだ地。いまも城下町の面影が残る落ち着いた町である。
町歩きのスタート地点は1月10日にオープンした「まちの駅よいた」がいい。観光案内所、無料休憩所として利用でき、『天地人』関連グッズがある他、レンタサイクル(4~11月)もあり、町並み散策の拠点。
また、「愛」一字を兜の前立てに掲げて戦場を駆け抜けた兼続の「愛」の甲冑(複製)、書状などは兼続・お船ミュージアム(与板歴史民俗資料館)で見学ができ、城山と呼ばれ、兼続の居城だった与板城の山頂からは与板の町が一望できる。
なお、お船が生まれた直江家の屋敷があったと伝えられる光西寺隣接地に、『天地人』原作者の火坂雅志さんが揮ごうした「お船の方生誕御館跡」の碑がある。