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交直流電気機関車

JR貨物の貨物専用機 EF81形450番台・500番台

 平成元年、JR貨物が日本海縦貫線の輸送力増強のために新製したのが、EF81形500番台501〜503号機です。国鉄時代の昭和54年に最終増備された137〜152号機と同仕様で、前面窓上に庇が取り付けられたスタイルとなっています。これまでの交直流機は赤13号の塗装でしたが、この車両は車体上部がブルー、車体下部がライトグレー、運転室の出入口ドアはローズピンクというJR貨物のオリジナル塗装となりました。

 また、JR貨物では本州〜九州間の輸送力増強のため、平成3〜4年にかけて関門トンネル仕様の400番台の増備車として450番台451〜455号機を新製。基本的なスタイルは500番台と同じですが、451・452号機は前照灯を運転台下に移動した独特なスタイルで、453〜455号機は従来機と同様に運転台上に設置されています。さらに車体の裾の部分にブルーの帯を追加し、関門トンネル仕様車であることを表しています。

JR貨物の輸送力増強で新製されたEF81形500番台は直流機を思わせるブルー塗色で登場

ジョイフルトレインの牽引機として車体側面に「EF81」のロゴをデザインしたEF81形95号機

特別塗装機が登場 ブルートレイン専用機が牽引

 JR東日本に配置されるEF81形は、ブルートレインから貨物列車まで幅広く活躍。田端運転所の所属車両は交流電気機関車の赤2号に塗装変更され、さらに寝台特急「北斗星」などを牽引する機器改修車は車体側面に流れ星をデザインした「北斗星色」となっています。このほか、寝台特急「カシオペア」とデザインをあわせた「カシオペア色」(79・89・92・99号機)、ジョイフルトレイン「スーパーエクスプレスレインボー」(すでに廃車)用として車体側面に「EF81」の文字をデザインした「レインボー色」(95号機)があり、首都圏エリアで多彩なデザインのEF81形を見ることができます。

 また、JR西日本では寝台特急「トワイライトエクスプレス」牽引用として、客車の塗装にあわせた「トワイライト色」(43・44・103・104・113・114号機)があり、寝台特急「トワイライトエクスプレス」「日本海」の牽引機として活躍。日本海縦貫線においては、JR貨物のローズピンク、ブルー系などの塗装機とともに多彩なEF81形のデザインを見ることができます。

赤13号から赤2号に塗色変更し車体側面に流れ星をデザインした「北斗星色」のEF81形

日本海縦貫線のブルートレイン牽引にはJR西日本の「トワイライト色」のEF81形が活躍

新時代の交直流電気機関車 EH500形やEF510形が登場

 JR貨物では輸送力の増強にあわせて新系列の貨物用電気機関車を開発していますが、EF81形の後継機となる交直流電気機関車として、東北本線用にEH500形、日本海縦貫線用にEF510形を投入しました。EH500形は首都圏〜東北本線〜津軽海峡線〜五稜郭間を直通運転するために開発された車両で、「ECO-POWER金太郎」の愛称が付けられ、車体側面に金太郎のイラストが描かれています。

 また、EF510形は平坦線区において1,300t貨物列車を牽引できる性能を持ち、さらに冬の気象条件が厳しい日本海縦貫線に対応した耐寒耐雪機能が強化された車両です。車体側面には愛称の「Red Thunder」のロゴがデザインされています。なお、JR東日本ではブルートレイン牽引のEF81形の後継機としてEF510形(500番台)を選定しましたが、平成22年1月に濃紺の車体に金色の帯と星をデザインしたJR貨物機とは異なった独特な姿を現わしました。そして、平成22年7月から寝台特急「カシオペア」の牽引機として活躍を開始し、これまでEF81形が担当してきたブルートレインや旅客列車なども順次EF510形500番台に置き換えられることになります。

寝台特急「カシオペア」の登場でEF81形79・89・92・99号機が専用塗色に変更されて活躍

JR東日本オリジナル塗色の新鋭EF510形500番台が牽引する寝台特急「カシオペア」

※掲載されているデータは平成22年7月現在のものです。

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