『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。

フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅カレー大好き!! “華麗なフルムーン”~全国をめぐり、おいしいカレーを味わう旅~

  • 1日目 レトロな門司港名物焼きカレー
  • 2日目 高松から大阪へカレーはしご旅
  • 3日目 寝台特急に乗車食堂車のカレー
  • 4日目 北海道、札幌でスープカレーを
  • 5日目 室蘭から函館へカレーなる鉄旅

1日目東京から新幹線で九州は門司港へとろり「焼きカレー」を味わう旅東海道・山陽新幹線[東京⇒小倉]/鹿児島本線[小倉⇔門司港]

  • 東京駅7時33分発「ひかり503号」は700系を使用している。新大阪駅には10時30分に到着する

  • 700系新幹線グリーン車。JR東海とJR西日本、それぞれの車両があるが写真はJR西日本のもの

  • 威風堂々とした門司港駅。保存修理工事(完了予定平成30年3月)が始まり仮駅舎に

  • 門司港レトロ地区の景観。歴史的で重厚な建物群の奥には関門海峡をまたぐ関門橋が見える

  • 門司港で食べた名物「焼きカレー」。カレーとともに玉子やチーズがとろり、まろやかな味

  • 関門海峡とくれば、フグ(地元では「フク」と呼ぶ)も食べたい。トラフグの握りも絶品

 豊かな食文化を誇る国、日本。その日本にあって国民食といえば一番にカレーをあげる方も多いと思う。フルムーン世代にとってもカレーは大好物の一つ、カレーが嫌いという話はほとんど聞いたことがない。子供の頃から食べ親しんだカレーの味は忘れられず、今もスパイシーな香りに誘われ無性に食べたくなってくる。食欲の秋、全国各地の「ご当地カレー」を味わう食いしん坊な夫婦旅にぜひ出かけてみたい。

 東京発5日間のカレーなフルムーン。前半は九州、四国、関西を訪ね、後半は食堂車のカレーに心ときめきながら北海道を目指す。それぞれの土地で愛されるカレーをその土地で食す贅沢。フルムーンパスならではの旅情は、いつも最高のスパイスになる。

 新幹線を乗り継いで小倉から門司港へ。門司港は明治期より国際貿易港として栄えたところ。関門海峡にできた鉄道トンネルが主役になるまでの間、対岸の下関とを鉄道連絡船「関門連絡船」が結び、文字通り、九州の玄関となった。

 威風堂々たる門司港駅(平成24年9月から保存修理工事。平成30年3月完了予定)をはじめ、周辺の歴史的な建物群は観光名所「門司港レトロ」と呼ばれ賑わいをみせている。この門司港で昭和30年代に誕生したのが「焼きカレー」だ。

 チーズや玉子をのせて焼いたカレーは一段と香ばしく、熱々(あつあつ)でとろり、濃厚な味わいがいい。食後は腹ごなしに関門海峡周辺をそぞろ歩き、そして、街に明かりが灯る頃、夕食には同じく名物のフグ料理もおすすめ。お腹も心も満たされ、宿でゆっくり休もう。

1日目●乗車距離:1129.7km 運賃合計2人分:74,640円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
東京~新大阪:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離552.6km
新大阪~小倉:@18,390円(乗8,510円 特グ9,880円) 乗車距離555.1km
小倉~門司港:@270円(乗270円) 乗車距離11.0km
門司港~小倉:@270円(乗270円) 乗車距離11.0km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「華麗なフルムーン」1日目
門司港、小倉へ[小倉泊]
レトロな門司港 名物焼きカレー

1

発着駅 時間 メモ
門司港、小倉へ(小倉泊)
~ 700系、N700系に乗車 ~
東京 発 7:33 東海道新幹線【ひかり503号】グリーン車(700系)
新大阪 着 10:30 山陽新幹線に乗り継ぎ
新大阪 発 10:59 山陽新幹線【さくら553号】グリーン車(N700系)
小倉 着 13:21 在来線に乗り換え
小倉 発 13:49 鹿児島本線普通列車
門司港 着 14:03 名物「焼きカレー」を食べ、レトロ地区等を観光
門司港 発 18:57 鹿児島本線普通列車
小倉 着 19:10 この日は小倉泊

旅のメモ

観光の問合せ
■門司港(北九州市):北九州市観光情報コーナー(JR小倉駅内) TEL. 093-541-4189

“カレー”なコラム 1 カレー・ヒストリー

 インド料理のカレーがイギリスを経て日本に伝わってきたのは明治時代初期頃といわれている。当時、カレーライスはハイカラな“洋食”、つまりは高級料理だった。その後、肉も野菜もバランス良く摂れるカレーは海軍の艦艇メニューになり、郷里へ帰った兵士たちもカレーを広めたのだろう、明治時代も末期になるとカレーは大衆化していった。
 やがて即席カレールウが製造されるようになり、戦後、テレビCM等を通じ一般家庭に浸透、この頃に「国民食」として定着したと思われる。フルムーン世代にとっても、テレビから流れるカレーのCMは今もよく覚えているのではないだろうか。
 そして、昭和44年(1969)にはレトルトカレーが登場。平成の今、カレーはまさに百花繚乱の時代を迎えた。

明治初期に伝わってきたというカレー。やがて大衆化し国民食に。写真は我が家のカレー

2日目九州から四国に立ち寄って大阪へ「カレーうどん」と「まぜカレー」山陽新幹線[小倉⇒岡山]/瀬戸大橋線[岡山⇔高松]/山陽新幹線[岡山⇒新大阪]

  • 駅ビル正面からモノレールが出入りする近代的な小倉駅。全国的にも珍しい構造の駅だ

  • 岡山と高松を結ぶ快速「マリンライナー」。先頭車2階のグリーン席は見晴らしが抜群にいい

  • 瀬戸大橋からは瀬戸内海の島々が幾重にも見える。波穏やかな「多島美」こそ日本的な風景

  • “うどん県”の県庁所在地、高松で食べた「カレーうどん」。本場、讃岐うどんのコシは最高!!

  • 食の都、大阪。千日前のアーケード街も賑やか。この街は行き交う人をも元気にしてくれる

  • 大阪で今も人気絶大な名物「まぜカレー」。玉子でマイルドになるカレーは味わいハイカラ

 旅の2日目もおいしいカレーを食べよう。小倉9時55分発「さくら544号」でゆっくり出発。途中の岡山で快速「マリンライナー27号」に乗り換え、瀬戸大橋を渡って四国、高松へ。

 「マリンライナー」の先頭車、2階にあるグリーン席は見晴らしがよく、瀬戸大橋では多島美も手に取るよう。穏やかな瀬戸の風景は日本的な美しさをたたえている。

 高松はかつて鉄道連絡船「宇高連絡船」が行き来した四国の玄関であり、“うどん県”こと香川県の県庁所在地。新幹線の旅は速く、高松駅12時35分着、ランチにちょうどいい時間だ。

 “うどん県”の中心、高松。讃岐うどんとカレーが融合した「カレーうどん」が旨くないはずがない。コシがあってのど越しつるりの麺にからむ香り高いカレー、汗をかきかき食べ終えた時、「カレーうどん」のある国に生まれてよかったとつくづく思う。

 讃岐うどんに満足し、再び瀬戸大橋を渡って岡山から新大阪へ。2日目は大阪に宿をとり、夕食にはこちらも名物の「まぜカレー」といきたい。

 明治期、次第に広まりつつあったカレーは食の都、大阪でも花開いた。ごはんとカレーをまぜて提供する「まぜカレー」は、手早く食べられる大阪らしいスタイル。玉子とあわせつつ食べれば辛さもマイルド、今なお人気絶大な「まぜカレー」は伝統の味、文明開化の味だった。

 日本に定着し、たくさんの人に愛されてきたカレー。カレーは人を幸せな気分にする食べものなのだろう。

2日目●乗車距離:698.7km 運賃合計2人分:53,860円
【各区間ごとの運賃と乗車距離】
小倉~岡山:@14,070円(乗6,090円 特グ7,980円) 乗車距離374.8km
岡山~高松:@2,420円(乗1,470円 グ950円) 乗車距離71.8km
高松~岡山:@2,420円(乗1,470円 グ950円) 乗車距離71.8km
岡山~新大阪:@8,020円(乗2,940円 特グ5,080円) 乗車距離180.3km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

「華麗なフルムーン」2日目
高松に立ち寄り、大阪へ[大阪泊]
高松から大阪へ カレーはしご旅
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発着駅 時間 メモ
高松に立ち寄り、大阪へ(大阪泊)
~ N700系に乗車 ~
小倉 発 9:55 山陽新幹線【さくら544号】グリーン車(N700系)
岡山 着 11:29 在来線に乗り換え
岡山 発 11:42 快速【マリンライナー27号】グリーン車
高松 着 12:35 讃岐うどんの「カレーうどん」を食べ、食後は観光
高松 発 15:40 快速【マリンライナー44号】グリーン車
岡山 着 16:32 山陽新幹線に乗り換え
岡山 発 16:58 山陽新幹線【さくら558号】グリーン車(N700系)
新大阪 着 17:44 「まぜカレー」を食べ、この日は大阪泊

旅のメモ

観光の問合せ
■高松:高松観光コンベンション・ビューロー TEL. 087-822-7060
■大阪:大阪観光コンベンション協会 TEL. 06-6282-5900
■大阪:大阪市ビジターズインフォメーションセンター新大阪(JR新大阪駅3階) TEL. 06-6305-3311

“カレー”なコラム 2 ご当地カレー

 日本の国民食の一つ、カレー。全国各地、北から南まで、カレーが食べられない町などないだろう。同じく国民食と言えるラーメンにご当地ラーメンがあるように、ところ変わればカレーも様々、ご当地カレーも花盛りだ。
 ユニークなご当地カレーをピックアップすると、まずは北海道、稚内など宗谷地方の「たこカレー」。たこのスライスがメインのカレーは、しょっぱ辛い風味。続いて、さらさらしたスープが特徴の札幌「スープカレー」もすっかり定着している。
 大阪では伝統の「まぜカレー」が美味。生玉子をときながら食べるスタイルでまったりと楽しめる。そして、北九州の「焼きカレー」も独特。チーズ等をのせ、オーブンで一手間かけて焼くと、カレーはさらに味わいを増す。
 また、最近ではダムを模した「ダムカレー」が各地で人気になりつつある。

今、カレーは日本中で食べられる。写真は日本最北の町、礼文町(礼文島)で食べたカレー

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