『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
発展著しい名古屋。新幹線ホームで見上げれば、超高層の「JRセントラルタワーズ」が建つ
名古屋(一部は大阪)と長野を結ぶ特急「(ワイドビュー)しなの」。木曽路を走り抜け塩尻へ
特急「(ワイドビュー)しなの」グリーン車。塩尻まで2時間弱の中央本線の旅
愛知を代表する地鶏「名古屋コーチン」の駅弁「純系名古屋コーチンとりめし」を旅のお供に
塩尻で特急「(ワイドビュー)しなの」から特急「あずさ」に乗り継ぎ、山梨県の甲府へ
すっかり甲府名物として有名になった「甲府鳥もつ煮」。濃厚な味わいを丼でも召し上がれ
「美味とりどり」のフルムーン3日目。またまた出発は10時12分とゆっくりなので、早起き派のご夫婦は「日本100名城」に選ばれている丸亀城周辺の散策を。丸亀城は駅から徒歩で約15分と行きやすい。
予讃線に加え土讃線の特急列車も停車する丸亀。2日目は土讃線へ入る特急「南風」に乗り、帰りは予讃線の特急「しおかぜ」に乗車。瀬戸大橋上で車窓左側に塩飽(しわく)諸島を眺めつつ岡山へ。
名古屋へ行く山陽・東海道新幹線「ひかり468号」もN700系を使用。グリーン車のシンクロナイズド・コンフォートシートに身をゆだねれば、降りるのがもったいないうちに名古屋に着いてしまう。
名古屋ではあの駅弁、「純系名古屋コーチンとりめし」をランチに購入し、中央本線の特急「(ワイドビュー)しなの15号」に乗車。塩尻で特急「あずさ26号」に乗り継ぎ、17時1分に甲府到着。
この頃、甲府と聞けばふと思い浮かぶ「鳥もつ煮」。丸亀の「骨付鳥」とほぼ同じ時代、1950(昭和25)年頃、捨てられてもったいない鳥もつをおいしく食べようと考案された料理。砂糖醤油のタレで煮詰めた砂肝やレバー、キンカンは照りが出てお味も濃厚、ごはんにもお酒にもよく合う。2010年のB-1グランプリでは優勝の「甲府鳥もつ煮」、甲府のスーパーでは定番のお惣菜にもなっており、こちらを買って帰るのもいい。
特急「かいじ122号」に乗って、ひとまず東京(新宿)へ。この日は自宅をホテル代わりとし、4日目からは秋田へ行こう。
3日目●乗車距離:802km 運賃合計2人分:67,640 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
丸亀~岡山:@2,930円(乗960円 特グ1,970円) 乗車距離48.5km
岡山~名古屋:@14,070円(乗6,090円 特グ7,980円) 乗車距離366.9km
名古屋~塩尻:@7,710円(乗2,940円 特グ4,770円) 乗車距離174.8km
塩尻~甲府:@3,600円(乗1,450円 特グ2,150円) 乗車距離88.0km
甲府~新宿:@5,510円(乗2,210円 特グ3,300円) 乗車距離123.8km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の3日目】 | |||
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3 日 目 |
発着駅 | 時間 | メモ |
丸亀から甲府に立ち寄り新宿へ(自宅泊) ~ N700系に乗車 ~ |
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丸亀 発 | 10:12 | 特急【しおかぜ10号】グリーン車 | |
岡山 着 | 10:58 | 乗り換え | |
岡山 発 | 11:21 | 山陽・東海道新幹線【ひかり468号】グリーン車(N700系) | |
名古屋 着 | 13:33 | 乗り換え | |
名古屋 発 | 14:00 | 特急【(ワイドビュー)しなの15号】グリーン車 | |
塩尻 着 | 15:52 | 乗り換え | |
塩尻 発 | 15:55 | 特急【あずさ26号】グリーン車 | |
甲府 着 | 17:01 | 甲府名物「鳥もつ煮」を夕食に | |
甲府 発 | 18:56 | 特急【かいじ122号】グリーン車 | |
新宿 着 | 20:35 | この日は自宅泊 |
観光の問合せ
甲府:甲府市観光案内所(甲府駅構内) TEL. 055-226-6978
中部地方では愛知県の地鶏「名古屋コーチン」があまりにも有名だ。明治時代初期に愛知県で新たに作り出されたという「名古屋コーチン」、よくしまって弾力ある肉質が特徴で、これを用いた駅弁「純系名古屋コーチンとりめし」も名古屋駅で購入できる。
そして、中部地方では山梨県甲府の「甲府鳥もつ煮」も注目したい。第5回B-1グランプリで優勝し、人気に火が付いた。砂糖醤油で煮詰めた“照り”が食欲を刺激し、レバーやキンカンの濃厚な味に心満たされる。
近畿地方では奈良県の地鶏「大和肉鶏」や京都府の地鶏「丹波黒どり」、滋賀県の地鶏「近江しゃも」などがある。駅弁でみたところ、「とりめし」がかつて多かった関東に比べ、近畿地方はどちらかといえば牛肉のほうが好きなようで、鶏肉メインのものはあまり売られていない。
「甲府鳥もつ煮」のマスコットこと「キンカン」。これは成長途中の卵黄でお菓子のような味
東京駅で茜色に輝くE6系「スーパーこまち」が出発の時を待つ。スピード感あふれる新幹線
E6系「スーパーこまち」グリーン車のシート。電動レッグレストにコンセントも付いている
E6系「スーパーこまち11号」なら、東京から3時間12分で「みちのくの小京都」角館に到着
角館の武家屋敷街はいかにも「みちのくの小京都」らしいたたずまい。紅葉にも趣がある
秋田には東北を代表する地鶏「比内地鶏」がある。比内地鶏の「つくね」も豊かな味わい
比内地鶏や野菜の旨みがしみる「きりたんぽ鍋」。食欲の秋は秋田に出かけ、ぜひご賞味を
秋たけなわの今、秋田に注目。旅の4日目からは、秋田デスティネーションキャンペーン(2013年12月31日まで開催)で盛り上がる秋田県へ出かけよう。
「あきたにしました。」がキャッチフレーズのこの観光キャンペーン、秋田の自然や食、温泉などをテーマとした各種のイベントもあって目が離せない。
今年3月より茜色のE6系「スーパーこまち」が営業運転を開始した秋田新幹線。乗り心地が良く、スピード感あふれる「スーパーこまち」のグリーン車に乗って、まずは紅葉が武家屋敷に映える角館で途中下車。
みちのくの小京都、角館。春の桜、特に枝垂桜(シダレザクラ)の美しさが知られている。しかし、紅葉の季節もまた角館はしっとりとした趣を見せてくれる。ここは夫婦でゆったりと散策してみたい。
さてさて、馬肥ゆる秋は食欲もりもり。秋はちょうど新米の季節、秋田では「あきたこまち」を食べたい。郷土料理の「きりたんぽ鍋」に使う「きりたんぽ」も、そろそろ新米の「あきたこまち」で作られたものに。この「きりたんぽ鍋」、地元、比内地鶏の肉や野菜類豊富なスープで煮込むから、味がしみた「きりたんぽ」がなおのことおいしくなるのだ。
夕方には秋田市内のホテルにチェックインし、夫婦で「きりたんぽ鍋」を食べに街へ。比内地鶏を使用した「きりたんぽ鍋」は市内各所で味わえるので、お気に入りの店へどうぞ。夫婦で鍋をつつくひと時もまた、秋田のいい思い出になるだろう。
4日目●乗車距離:662.6km 運賃合計2人分:45,820 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
東京~角館:@ 19,480円(乗9,030円 特グ10,450円) 乗車距離594.1km
※「スーパーこまち」の運賃
角館~秋田:@ 3,430円(乗1,280円 特グ2,150円) 乗車距離68.5km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の4日目】 | |||
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4 日 目 |
発着駅 | 時間 | メモ |
東京から角館を観光し秋田へ(秋田泊) ~ E6系に乗車 ~ |
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東京 発 | 9:56 | 秋田新幹線【スーパーこまち11号】グリーン車(E6系) | |
角館 着 | 13:08 | 紅葉の角館を散策 | |
角館 発 | 16:12 | 秋田新幹線【こまち35号】グリーン車 | |
秋田 着 | 17:08 | 比内地鶏の「きりたんぽ鍋」を食べ、秋田泊 |
観光の問合せ
■角館:角館町観光協会 TEL. 0187-54-2700
鶏とのつながりが深い高知県。高知県原産の「尾長鶏」(オナガドリ)は日本の特別天然記念物に指定されている。食用の地鶏としては「土佐ジロー」や「土佐はちきん地鶏」が有名だ。
お隣の徳島県では地鶏「阿波尾鶏」があって、こちらは徳島の夏祭り「阿波おどり」にかけたネーミングも秀逸な感じ。
香川県ではやはり丸亀発祥という「骨付鳥」が名物に。最近では高松市内でも「骨付鳥」を出す店が増えてきた。また、愛媛県今治の「焼き鳥」も知名度を上げている。
瀬戸内海の対岸、中国地方では、岡山県笠岡のご当地ラーメン「笠岡ラーメン」がユニーク。鶏ガラ醤油味のスープに、かしわ(鶏肉)チャーシューをのせ、またの名を「鶏ラーメン」という。そういえば、高知県須崎の「鍋焼きラーメン」も鶏肉が多用されている。
夏は「阿波おどり」の徳島県。こちらの地鶏はその名も「阿波尾鶏」。つくねも美味
秋田の憩いの場、千秋公園は秋田駅からも近い。こちらの紅葉は例年10月末あたりが見頃
秋田で食べた比内地鶏の親子丼。しっかりした肉質でごはんにマッチする。ランチにどうぞ
秋田や大館と青森を結ぶ特急「つがる」。弘前あたりでは車窓を津軽富士こと岩木山が飾る
E751系、特急「つがる」グリーン車。秋田から弘前まで約2時間、夫婦でひと時のくつろぎを
弘前きっての洋館「旧弘前市立図書館」は1906(明治39)年の建設。八角形の塔が印象的
新青森駅で顔を揃えた東北新幹線E5系。今年9月のダイヤ改正で「はやぶさ」は3往復増発に
旅の最終日は、午前中を秋田市内で過ごし、ランチを食べてゆっくり出発するプラン。「美味とりどり」のフルムーンゆえ、秋田でのランチは比内地鶏の親子丼といきたい。
本プランでは秋田から特急「つがる3号」に乗車し、弘前で途中下車。角館と並ぶ桜名所の弘前を散策すれば、リンゴの木の向こうに津軽富士こと岩木山が見える。津軽の秋、弘前では「弘前城菊と紅葉まつり」(2013年10月18日~11月10日)も開催中。
そして再び特急「つがる53号」等で新青森へ。弘前~新青森間は各駅停車を含め列車運行本数が比較的多く、列車の時間はお好みで。お好みといえば、新青森駅には名物駅弁の一つに「青森地鶏弁当」があり、東京へ帰る東北新幹線で“〆”に味わってみてはどうだろう。
ルートのアレンジも多彩にできる最終日。たとえば、秋田から快速「リゾートしらかみ5号」等で五能線を経由して新青森へ行き、東北新幹線で帰京したり、あるいは、リニューアル車両が投入された羽越本線の特急「いなほ」に乗り、新潟を経由して上越新幹線で帰京するのもよし。この場合は、秋田9時10分発の「いなほ8号」がリニューアル車両の列車だ。広さが話題のグリーン車に座り、日本海の風景を眺めながらの旅ができる。
各方面への魅力的な列車が集まっている秋田。フルムーンパスなら、東京へ帰る“トリ”を務める列車もよりどりみどり。寝台特急「あけぼの」(秋田21時23分発)で帰ってくるのもいい!
5日目●乗車距離:895.6km 運賃合計2人分:58,500 円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
秋田~弘前:@5,820円(乗2,520円 特グ3,300円) 乗車距離148.4km
弘前~新青森:@2,070円(乗570円 特グ1,500円) 乗車距離33.5km
新青森~東京:@21,360円(乗9,870円 特グ11,490円) 乗車距離713.7km ※「はやぶさ」の運賃
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数
東京発5日間・後編【旅の5日目】 | |||
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5 |
発着駅 | 時間 | メモ |
秋田から弘前を経由し、帰京 ~ E5系に乗車 ~ |
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秋田 発 | 13:08 | 特急【つがる3号】グリーン車 | |
弘前 着 | 15:12 | 弘前を観光 | |
弘前 発 | 17:45 | 特急【つがる53号】グリーン車 | |
新青森 着 | 18:13 | 乗り換え | |
新青森 発 | 18:24 | 東北新幹線【はやぶさ18号】グリーン車(E5系) | |
東京 着 | 21:23 | 旅の終わり |
観光の問合せ
■秋田:秋田市観光案内所(秋田駅構内) TEL. 018-832-7941
■弘前:弘前市観光案内所(弘前駅構内) TEL. 0172-26-3600
日本広しと言えど、九州ほど鶏肉料理が好きな土地もないと思う。関門トンネルを抜け、門司駅に着けば、もうホームの「かしわうどん」(立ち食い)が食欲をそそる。北部九州では鶏肉を一般に「かしわ」と呼ぶが、折尾駅をはじめとした「かしわめし」も名物に。かつて、朝には多くのブルートレイン(寝台特急)が停車した鳥栖駅では、5、6番ホームの「かしわうどん」(同)が最もうまいとされ、これらすべてを『食の鉄道遺産』に“認定”したいくらい。
博多では「水炊き」が美味で、宮崎など南九州では地鶏の「炭火焼」がたまらない。黒牛に黒豚で知られる鹿児島県には地鶏「黒さつま鶏」があり、熊本県といえば地鶏「天草大王」。こちらはその名の通り日本最大級の鶏が原種で、これがメインの駅弁「天草大王弁当」が新八代駅などで売られている。
「かしわうどん」が名物の鳥栖駅。なかでも5、6番ホームのものが一番おいしいとされている
<東京発 「美味とりどり」のフルムーンのJR運賃総額、JR総乗車距離>
JR運賃総額:337,240円(2名分合計 通常期で算出)
JR総乗車距離:4713.1km ※運賃計算キロ分
お得になった金額:256,740円(JR運賃総額-フルムーン夫婦グリーンパス料金(5日間用))
乗車倍率:4.18倍(JR運賃総額÷フルムーン夫婦グリーンパス料金(5日間用))
※運賃計算キロは、JR東日本のサイト、えきねっと「乗換・運賃案内」で表示のものです。
写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡している。これまでに120日フルムーンパスでの旅をし、JR路線も約11万キロ乗車。著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。また、英語クロスワードパズルを新聞に17年にわたって連載。
夫婦旅ブログ http://fullmoon.aizawa22.com
文・撮影:相澤秀仁&相澤京子
※掲載されているデータは2013年10月8日現在のものです。
※JR時刻表10月号を使用。到着時刻等、一部時刻未掲載のものは、えきねっと「乗換・運賃案内」等で表示の時刻を使用。
※運賃は通常期(10月19日)をモデルに算出しました。