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フルムーン夫婦グリーンパスで行く新幹線の旅|春のかがやきフルムーン~祝!北陸新幹線開業。城下町をめぐる2500kmの旅~

  • ●1日目|北陸新幹線で長野へ金沢へ
  • ●2日目|金沢を観光し名古屋に滞在
  • ●3日目|新幹線で一路山口県の萩へ
  • ●4日目|萩から岩国へ山口県の旅路
  • ●5日目|北陸をまわる東京への帰路

1日目|北陸新幹線「かがやき」に乗って長野を経由、加賀百万石の金沢へ北陸新幹線[東京⇒長野⇒金沢]

  • 北陸新幹線の主役として走る最新鋭のE7系(W7系)。グリーン車は写真の前から2両目にある

  • 広々としたE7系(W7系)のグリーン車。落ち着いたインテリアといい、気品ある上質の空間

  • 碓氷峠を越え、軽井沢付近では天気に恵まれれば浅間山が車窓(進行方向右側)に顔を出す

  • 長野のシンボル、善光寺。御開帳の期間はそれは大賑わいに。周辺には信州そばの店も多い

  • 新幹線開業できらめく金沢。駅東口には鼓をイメージした鼓門(つづみもん)が建っている

  • 北陸の春、旬のホタルイカを味わってみたい。分葱(わけぎ)と酢味噌がホタルイカとあう

 待ちに待った3月14日、東京~金沢間で北陸新幹線が運転を開始。最速達列車の「かがやき」は驚くことに東京~金沢間を最速2時間28分で結ぶ。東京から富山や金沢が近くなり、また、富山や金沢から東京が近くなった。

 北陸新幹線の金沢開業により、フルムーンパスの旅はさらに変化に富むものとなり、嬉しいことに、最速達列車の「かがやき」をはじめ、北陸新幹線全列車のグリーン車がフルムーンパスで追加料金なしに利用できる。

 新しい新幹線開業の輝かしい春、「かがやき」に乗って、加賀百万石の金沢をはじめ、名城や歴史ある城下町を周遊するフルムーン旅行に出かけよう。

 旅の初日、まずは北陸新幹線が経由する長野に立ち寄る。信州の古刹、善光寺といえば今年は七年に一度の御開帳の年。4月5日(日)から5月31日(日)まで57日間にわたって行われる御開帳。この期間にあわせてスケジュールを組むのもいい。ただ、フルムーンパスには利用できない期間があるのでご注意を。

 名物の信州そばを味わい、今度は北陸新幹線「はくたか」に乗車。「はくたか」はかつて在来線特急として上野~金沢間を上越線回りで走った歴史を持つ。当時は7時間近くかかった所要時間も新幹線になって信じられないほど短縮。金沢まではもうすぐだ。

 加賀藩の礎を築いた前田利家・まつ夫妻で知られる金沢。一方、金沢は北陸の海の幸、山の幸に恵まれた美食の都としても輝きをみせている。お寿司にしても郷土料理にしても、ここはぜひご夫婦お好みの金沢グルメを堪能してほしい。

1日目●乗車距離:450.5km 運賃・料金合計2人分:44,600円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
東京~長野:@10,770円(乗4,000円 特グ6,770円)乗車距離222.4km
長野~金沢:@11,530円(乗4,000円 特グ7,530円)乗車距離228.1km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

春のかがやきフルムーン 1日目
1

発着駅 時間 メモ
長野を経て金沢へ(金沢泊)
~ E7系(W7系)に乗車 ~
東京 発 9:32 北陸新幹線【かがやき507号】グリーン車 E7系(W7系)
長野 着 10:56 善光寺を参拝し、ランチ
長野 発 14:41 北陸新幹線【はくたか563号】グリーン車 E7系(W7系)
金沢 着  16:13 この日は金沢泊

旅のメモ

観光の問合せ
■長野:長野市観光情報センター
(JR長野駅構内)TEL. 026-226-5626
■金沢:石川県金沢観光情報センター
(JR金沢駅構内)
TEL. 076-232-6200

2015.3.14ダイヤ改正とフルムーンパス(1)祝!北陸新幹線開業

 2015年3月14日のダイヤ改正、一番のポイントはなんといっても東京~金沢間で運転開始の北陸新幹線。
 最新鋭のE7系(W7系)車両が主役となる北陸新幹線では、最速達タイプの列車「かがやき」、停車タイプの「はくたか」、富山~金沢間でのシャトル運転をする「つるぎ」、そして、従来から東京~長野間を結んでいた「あさま」が走る。
 フルムーンパスでは東海道・山陽新幹線の最速達列車である「のぞみ」と、山陽・九州新幹線の同「みずほ」は利用不可となっているが、北陸新幹線では最速達の「かがやき」をはじめ全列車のグリーン車(指定席)と普通車(指定席・自由席)が利用OKに。
 最上位設備であるグランクラスについては、フルムーンパスは運賃部分のみが有効となり、必要な料金券を別途購入すれば利用できる。

北陸新幹線E7系(W7系)はグリーン車にも普通車にも全席にコンセントが設置されている

2日目|北陸の古都、金沢をゆったり観光特急と新幹線を乗り継ぎ名古屋へ北陸本線[金沢⇒米原]/東海道新幹線[米原⇒名古屋]

  • 四季折々の情景に心なごむ金沢、兼六園。その象徴がこの徽軫灯籠(ことじとうろう)だ

  • 金沢の甘味といえば「あんころ」も名物に。兼六園内にもお店があり、ホッと一息つける

  • 金沢市内をたおやかに流れる浅野川。桜の季節、風情ある河畔の町並みが一段と華やかに

  • 名古屋と北陸方面を結ぶ特急「しらさぎ」グリーン車。2席+1席の横3列シートでゆったり

  • 米原からは東海道新幹線で名古屋へ先回り。N700系グリーン車のシートも座り心地が抜群

  • 名古屋と聞くと思い浮かぶ海老フライ。シャチホコみたいな「海老天巻」もまたおいしい

 古都で迎える旅の朝、なんとなく優雅な気持ちになるのはなぜだろう。落ち着いた風情が感じられる金沢、兼六園や金沢城公園など市内には見どころがいっぱいある。

 まずは朝一番の近江町市場へ。宿での朝食をパスし、市場で海鮮丼の朝食とするのも金沢らしい。店によっては朝7時頃から営業を始めており、すでに行列ができていることも。

 武将、前田利家ならずとも、腹が減っては戦はできぬもの。しっかりと腹ごしらえをしてから国の特別名勝、兼六園へ行ってみよう。

 日本三名園の一つにも数えられる兼六園。江戸時代、加賀藩の庭園として造られ、池を中心に四季折々の風景が広がっている。シンボルの徽軫灯籠(ことじとうろう)をバックに記念写真もお忘れなく。

 金沢での時間は午後までたっぷりと確保。ランチを食べ、長町の武家屋敷界隈や、たおやかに流れる浅野川沿い、ひがし茶屋街あたりを歩いてみたい。

 若き日、織田信長に仕え血気盛んだったという前田利家。彼は金沢生まれかと思いきや、現在の名古屋で生まれている。また、正室、まつも同じく愛知県の生まれだった。2日目は、利家の故郷、名古屋に滞在してみよう。

 北陸本線の特急を米原で下車し、東海道新幹線に乗り換えて名古屋へ行く。北陸新幹線で富山に出て、高山本線の特急で名古屋へ向かうルートもお好みでどうぞ。いろいろな路線が利用できるのもフルムーンパスの旅ならではだ。

 名古屋とくれば名物は手羽先。もし戦国時代に手羽先があれば、信長や利家も杯を交わしつつきっと味わっただろう。

2日目●乗車距離:256.5km 運賃・料金合計2人分:24,520円
【個別区間(列車)ごとの運賃と乗車距離】
金沢~米原:@7,930円(乗3,020円 特グ4,910円)乗車距離176.6km
米原~名古屋:@4,330円(乗1,320円 特グ3,010円)乗車距離79.9km
※通常期の場合 ※距離は運賃計算に用いるキロ数

モデルコース

春のかがやきフルムーン 2日目
2

発着駅 時間 メモ
金沢から名古屋へ(名古屋泊)
~ N700系に乗車 ~
金沢 発 14:48 特急【しらさぎ12号】グリーン車
米原 着 16:44 乗り換え
米原 発 16:58 東海道新幹線【ひかり528号】グリーン車 N700系
名古屋 着 17:25 この日は名古屋泊

旅のメモ

観光の問合せ
■金沢:石川県金沢観光情報センター
(JR金沢駅構内)TEL. 076-232-6200

2015.3.14ダイヤ改正とフルムーンパス(2)利用できなくなる路線

 北陸新幹線の開業に伴い、2015年3月14日から、並行在来線区間がJRから各県域ごとの第三セクター線に経営移管。これらはJR線ではなくなるため、フルムーンパスの効力が及ばなくなって利用は不可に。
 具体的には、長野~直江津間の信越本線区間と、直江津~金沢間の北陸本線区間で、このうち、長野県部分が「しなの鉄道」に、新潟県部分が「えちごトキめき鉄道」に、富山県部分が「あいの風とやま鉄道」に、石川県部分が「IRいしかわ鉄道」に経営が移管され、新たな特例(後述)を除き、フルムーンパスは利用できなくなる。
 フルムーンパスの効力が及ぶのは基本的にJR線区間だけであり、北陸方面への旅行の際、経営が移管された並行在来線区間に乗車する時は、それぞれの路線で有効となる乗車券類の購入が必要に。

北陸新幹線開業で並行在来線は第三セクター線に移管。長野県内は「しなの鉄道」になる

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