『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
広島牛は肉質等級が4級以上に格付けされ(最高で5級)、和牛ならではの繊細な脂の旨さ、赤身のコクを楽しめる。
TEL.082-513-3598(広島県農林水産局畜産課)
天然温泉や旅籠、湯治宿、田舎料理屋、茶店などが軒を連ねる神楽門前湯治村。入浴後、浴衣で歩けば気分も高まる。
TEL.0826-54-0888
神楽門前湯治村では、安芸高田に根付く二十二神楽団のいずれかを観賞できる。4月~11月は金・土曜に「かむくら座」で夜神楽、日曜・祝日には「神楽ドーム」で昼神楽を開催(冬期は変更)。
TEL.0826-54-0888 昼神楽12:30~・14:30~の2回、700円。夜神楽20:30~、500円
瀬戸内でゆるりの旅、トリを飾るコースはやはり県の中心地、広島駅から。まずは景気づけに広島牛グルメを堪能しよう。県北部の山地で育てられた広島牛は、深いコクと豊かな風味が魅力で、旅行時などの“ご褒美肉”にふさわしい味わい。広島市内には9軒の広島牛指定料飲店あるので、お気に入りの店を探してみて。
満腹後は、バスか路面電車で15分の広島バスセンターへ。ここから20~30分に1本出ている三次(みよし)・庄原・ 東城行きのバスに乗り、県北西部にある今宵の宿、神楽門前湯治村へ向かう。約1時間後、美土里バスセンターで降りたら、予約済みの送迎バスで同村に到着。格子造りの宿や食事処が並ぶ様子は、古い日本の町並みのようで情緒満点だ。村内の体験工房で神楽面の絵付けなどを楽しんだり、神楽資料館で神楽の歴史などを勉強したりしたら、岩戸屋の天然ラドン温泉でリラックス。名物・岩陰の露天風呂で文字通り手足をのばそう。
夜は、お待ちかねの神楽観賞。4月~11月の毎週金・土曜に「かむくら座」で公演している夜神楽は、演劇性の高い舞や動きで観客の心をグッとつかむ。
高速バスで広島市街に戻ったら、山陽本線で海田市駅まで出て、バス25分の熊野町へ。2年前、なでしこJAPANが国民栄誉賞の副賞として「竹田ブラシ」製の熊野筆を贈られたことで話題になったように、熊野は筆の町。江戸末期、農閑期に奈良地方の筆を仕入れ、行商をしていたことがきっかけで筆づくりが盛んになった。今では、筆製造に従事する人は2500人以上にも!
今回は、この熊野筆に関するスポットを巡ろう。まずは「筆の里工房」で、熊野筆の歴史と文化に関する展示を見学したら、ぜひ筆づくりにトライを。12工程のうち「上毛巻き」と「仕上げ」という2つの工程を体験でき、完成品はマイ筆としてお持ち帰りできるのだ。1週間前までに予約すれば、筆の軸に名前の彫刻も!
熊野町郷土館(土・日曜・祝日のみ開館)で筆文化に関する用品や映像を見たり、筆塚をお参りしたら、今度はバス約35分の呉市街へ。呉には、全国でも珍しく電気と上下水道の整備された屋台通りが存在。となれば、今宵は夜が更けるまで、地酒と屋台料理で酩酊が大正解なり。
180年近くの伝統を誇る熊野筆は、一本一本職人が手作り。毛の選別から仕上げまで丹念につくられた筆は、画家やメイクさんなど各分野のプロからの評価が高い。
TEL.082-820-5602(熊野町総務部商工観光課)
伝統工芸士の指導のもと、筆づくりを体験できる「筆の里工房」。事前予約者優先で、5名以上は要予約。女性には「お誂え化粧筆」4800円もおすすめ。TEL.082-855-3010。10:00~17:00(体験10:00~15:30)、月曜休(祝日の場合翌日)。入館料500円(体験は別途3,500円)
蔵本通りの整備に合わせ、バラバラに出店していた屋台が、昭和62年に呉市役所からほど近い呉市中央3丁目周辺に集結! ラーメンやお好み焼きからイタリアンまで、12軒の屋台が軒を連ねる。
TEL.0823-25-3207(呉市公園緑地課)
沖美町是長地区に地元市民グループが整備した交流ゾーン「夢来来(ゆめきらい)」は土・日曜・祝日にオープン。軽食や飲み物なども提供されるので、それらを味わいつつ、多島美を見渡すことができる。TEL.0823-42-4871(江田島市観光協会)
今年6月から、江田島市のブランド夏カキ「ひとつぶくん」の販売がスタート! 大きく厚みのある身が、カキ好きにはたまらない。「海辺の新鮮市場」でイタリア風冷カキや加熱用カキを買えるほか、「国民宿舎 能美海上ロッジ」でも宿泊客に同カキを提供中。
TEL.0823-40-2771(江田島市商工観光課)
帰路、広島駅や江田島での土産に選びたいのが、レモンの加工品。広島県はレモンの生産量日本一だけあり、ジュレにサイダーにスパイスにと、その種類は幅広い。
最終日は、江田島を目一杯楽しむ島さんぽ。土・日曜・祝日なら、前夜泊まった呉を9:30に出て江田島の小用港へ向かう「宝しまクルーズ」があるので(9月29日まで)、それを利用すれば移動がらくちんに。
ふるさと交流館からほど近い「旧海軍兵学校」に最初に立ち寄り、赤レンガが美しい旧生徒館外観などを見学。教育参考館では、神風特攻隊員の遺書など旧海軍の資料約1000点を展示しているので、日本人としてもう一度、あの戦争を振り返っておきたい。
海に浮かぶカキ棚を眺めつつ、江南地区まで南下したら、「海辺の新鮮市場」でランチ。2階食堂では魚飯とみそ汁がおかわり自由のお刺身定食を850 円と安く味わえるため、いつも観光客で大盛況だ。
江田島市のブランド夏カキ「ひとつぶくん」も同市場で土産に購入、または味わったら、針路を北西にとり、展望台やウッドデッキが整備された「夢来来(ゆめきらい)」へ。多島美に沈む夕陽という大パノラマに名残を惜しみつつ、広島への帰路に就く。
昭和10年から続く、熊野らしい筆のお祭りが9月23日に開催! 特に書道家が約20畳分の特殊布へ書き上げる「大作席書」は必見だ。ほかにも、筆まつりの曲に合わせて踊る「筆踊り」や、1万本の筆が榊山神社参道や鳥居に吊り下げられる「一万本の筆通り」、各種筆を特別価格で買える「筆の市」など筆づくしのイベント。
TEL.082-854-0216(筆まつり実行委員会) 10:00〜17:00
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文・構成=鈴木健太
写真協力=JR西日本、広島県、呉市産業部観光振興課
※掲載されているデータは2013年9月現在のものです。