『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
「北上展勝地さくらまつり」期間中(5月5日まで)、ホテルシティプラザ北上近くから対岸まで、渡し舟を運航。遊覧船もあり。TEL.0197-65-0300(北上観光協会)。9:00~16:30(5月6日~12:00)、4月15日~5月6日運航。渡し舟(片道)300円
コクのあるサトイモ、黒毛和牛、北上市のブランド豚・白ゆりポーク、アスパラガスなどを使ったホクホクの北上コロッケ。北上駅前の数店舗や北上川沿いの「枕流亭」などで買い食いを。
焼石岳中腹の渓谷にある秘湯・夏油温泉。北上駅から車で1時間ほどかかるが、路線バスが1日2本、送迎車(要予約)が1日1本あり。TEL.0197-65-0300(北上観光協会)
旅のはじまりは、みちのく三大桜と名高い北上展勝地といきなりハイライト。駅から5分ほど歩くと、悠然と流れる大河・北上川が現れ、そこに鯉のぼりがのんびりと泳ぎ、対岸には桜の薄いピンクのトンネルが約2㎞も続くのが見える。
都心ではなかなかお目にかかれない壮大で牧歌的な風景に、テンションは急上昇。対岸の展勝地南側にある陣ヶ丘も、周囲の桜を一望できるビュースポットとして有名だ。黄桜など珍しい桜もあるので、探してみよう。散策のおともには市内約35店で味わえる「北上コロッケ」で決まり!
夜は北上市南西部にある、夏油(げとう)温泉で1泊。冬季は閉鎖し、最後は細い山道を越えて辿り着くという立地はまさに秘湯だ。夏油川沿いに並ぶ露天の湯船の底や脇に異なる6つの源泉があり、その源泉をそのまま浴槽へかけ流し。湯力、雰囲気ともに最高なのだ。
2日目は新幹線で水沢江刺まで南下する。江刺は、奥州藤原氏の初代・清衡(きよひら)誕生の地で、平泉へ移るまで暮らした場所。歴史公園「えさし藤原の郷」は、約20haという敷地に、古代から中世にかけた120棟余の歴史的建造物を厳密な時代考証に基づいて再現。東北の歴史文化を体感するにはもってこいなのだ。12世紀の政庁を再現した朱色の建物ほか各建造物は、現在放映中の『平清盛』など多くの大河ドラマや映画のロケ地としても使われた。
お次は、タクシーやバスで金ケ崎駅へ。駅から徒歩15分ほどの場所には、東西690m、南北980mの城内諏訪小路(じょうないすわこうじ)重要伝統的建造物群保存地区がある。武家地内の小路は江戸時代の姿が残り、鉤(かぎ)形や桝形など城下町特有の道は歩いているだけで楽しい。「白糸まちなみ交流館」や各公開住宅でパンフレットをゲットし、散歩の参考にしよう。
「えさし藤原の郷」では、正式十二単(ひとえ)・束帯(そくたい)など各種着付体験5000円~も。TEL.0197-35-7791。9:00~17:00(11~2月は16:00閉園)、無休。入場800円
城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区には、「片平丁・旧大沼家侍住宅(写真)」や、珈琲御膳を味わえる「侍屋敷大松沢家」、生垣越しの大屋根が美しい伊東家侍住宅など、内部公開中の武家屋敷も。TEL.0197-41-2355(白糸まちなみ交流館)
100年以上の老舗「高砂食堂」のカレーライス550円は、黄色いルーが食欲をそそる!ルーを小麦粉から練った、昔懐かしい味わい。金ケ崎駅から徒歩10分。TEL.0197-42-2046。11:00~14:00、16:30~20:00、月曜休
毛越寺庭園で5月27日に催される曲水(ごくすい)の宴。遣水(やりみず)に盃を浮かべ、流れに合わせて和歌を詠む平安時代の歌遊びを再現。TEL.0191-46-2331。8:30~17:00(11月5日~4月4日は~16:30)、無休。拝観500円
写真の新覆堂の中の金色堂ほか、峯薬師堂にある縁起物の石像「福かえる」、絶景の東物見台など見どころ多数の中尊寺。TEL.0191-46-2211。8:30~17:00(11月4日~2月は~16:30)、無休。拝観無料(金色堂など一部有料で800円)
平泉は、写真の達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門堂や義経が最後を迎えたとされる高館義経(たかだちぎけい)堂など歴史スポットが集結。語り部タクシー、レンタサイクル、巡回バスなど豊富な交通手段を活用しよう。
おいしいものは最後に――ということで今回の旅の真打ち、世界遺産・平泉へ向かう。沿道に樹齢300年以上の杉並木が続く中尊寺の表参道・月見坂を歩くと、杉の下に新覆堂(おおいどう)を発見! 堂内に入れば、中尊寺創建当初の姿を今に伝える唯一の建造物、金色堂のまばゆい姿が。堂の内外に押された金箔、螺鈿(らでん)など豪華装飾を見ていると、『東方見聞録』の一節にある「黄金で作られた建物」は金色堂を指すという説も、本当に思えてしまう。
平泉のもうひとつの顔・毛越寺(もうつうじ)は、は慈覚大師円仁が嘉祥3年(850)に開山、藤原氏二代・基衡(もとひら)から三代・秀衡(ひでひら)の時代に多くの伽藍(がらん)が造営された。
東西約180m、南北約90mの大泉が池を中心とする浄土庭園は、池の東南にある荒磯風の出島や玉石を敷き詰めた洲浜(すはま)などが静謐(せいひつ)な風景。極楽浄土はさもあらん、と思えるのだった。
5月1~5日にかけ、稚児(ちご)行列・郷土芸能など奥州藤原氏の栄華を偲びイベントを多数開催。中でも一番の盛り上がりは、3日開催の「源義経公東下り行列」だ。源義経が頼朝から逃れ平泉に着いたとき、藤原秀衡が出迎え、民衆も歓喜したという情景を再現。義経役は毎年、人気芸能人が扮するので注目!
TEL.0191-46-2110(平泉観光協会)。無料
文・構成=鈴木健太
写真協力=岩手県観光協会、金ケ崎町商工観光課、中尊寺
※掲載されているデータは平成24年4月現在のものです。
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岩手県観光協会 ● TEL.019-651-0626
北上観光協会 ● TEL.0197-65-0300
奥州市観光物産協会江刺支所(えさし夢プラザ)● TEL.0197-31-1611
金ケ崎町観光協会 ● TEL.0197-42-2710
平泉観光協会 ● TEL.0191-46-2110