『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
映画『待合室』のモデルになった小繋駅。撮影隊寄贈の寄せ書きも展示されている。命のノートの交流は、現在も続けられているそう。
約4000年前の集落の一部を復元した御所野縄文公園。漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場しそうな鼻曲がり土面は神秘的。土笛コース40分250円ほか縄文体験も。
TEL.0195-32-2652。9:00~17:00、月曜、祝日の翌日(土・日曜除く)休。300円
春・秋の例大祭(写真)には多くの人が集まる天台寺は、東北最古の天台宗霊場。3㎞ほど南西には同寺の名誉住職「瀬戸内寂聴記念館」も。TEL.0195-38-2500。8:30~17:30(11~3月は~16:00)、無休。300円
まわりに大きな観光地はないけれど、まずは小繋(こつなぎ)駅で降りる。待合室に、「命のノート」があるからだ。ノートには、駅に来た旅行者の悩みなどが書きつづられ、駅前の酒屋のおばちゃんが丁寧にその返事を書いてくれている。読んでいると、自分の悩みでなくとも、一編のドラマを見ているかのようで思わずホロリ……。
お次は一戸(いちのへ)駅から縄文タクシー(最大320円キャッシュバック)で、御所野(ごしょの)縄文公園へ。竪穴式住居やストーンサークルが野外に復元されているほか、園内の博物館では、ガラス張りの床下に展示された約4000年前の焼失住居など、興味深い展示が多数。
二戸(にのへ)では神亀5年(728)、行基開山とされる天台寺を参拝。その行基作という聖観音立像など8体の重要文化財の像は必見だ。境内の運気向上坂を上れば、今年の運勢もバッチリ!?
お昼は土・日曜限定の雑穀ひっつみ600円など郷土食を味わえる「四季の里」(タイトル下の写真)がおすすめだ。
横丁が連なる本八戸で酩酊、1泊したら、八戸線に乗車。車窓に種差(たねさし)海岸などの海景色を望みつつ、日本最大の琥珀の産地・久慈に着く。久慈琥珀博物館では、虫や鳥類の羽毛が入った貴重な琥珀や、琥珀の美術工芸品などに興味津々。琥珀ショップでは琥珀のアクセサリーや印鑑から入浴剤(!)まで扱うので、土産選びに◎
お昼は、昨年のB-1グランプリにも初登場の「久慈まめぶ汁」をぜひ。まめぶとはクルミや黒砂糖が入った小麦団子のことで、藩政時代から食されてきた久慈のソウルフードだ。
ちなみに、毎月下1ケタに3と8の付く日は久慈の市日。約360年の歴史を誇るという同市には、地元の獲れたて魚介や果物、乾物、漬け物から花、日用品までが揃い、さながら道ばた即席百貨店。震災で一時減った海鮮の扱いも往時と同程度に復活しており、うれしい限りだ。
優しい甘みのまめぶや野菜、キノコ、焼き豆腐などが入り、滋味溢れる久慈まめぶ汁。市内周辺14店舗で味わえる。黒字に白抜き文字ののぼりが目印。
TEL.0194-66-9200(久慈市観光物産協会)
日本唯一の琥珀採掘体験1200円や、アクセサリーづくり体験も人気。併設のビストロくんのこでは、地元の海&山の幸を洋風メニューで味わえる。
TEL.0194-59-3831。9:00~17:00、いわてDC期間は無休。500円
交通・文化の要路として栄えた久慈の歴史を今に伝える久慈の市日。久慈駅から西へ徒歩約10分の「道の駅くじ やませ土風館」付近で開催。10時頃が賑わいのピーク。
TEL.0194-52-2111(久慈市商工観光課)。8:00頃~15:00頃
奇岩怪石や海蝕洞窟が約8km続く北山崎。展望台からは、断崖直下の波打ち際まで続く718段の階段も。頑張って下りれば壮大な景色が待っている。
TEL.0194-33-3248(田野畑村総合観光案内所)
リアス亭のうに弁当は、ウニのエキスで炊くご飯も絶品。三陸鉄道北リアス線は、ほかに陸中野田駅併設の道の駅で買える、のだ塩ソフト250円も人気。TEL.0194-52-7310。7:00~17:00、販売は基本4~10月。1360円
田野畑と小本の間にある鵜の巣断崖も、高さ200mもの断崖がヒダのように5列に連なる、大迫力の断崖美。名前の由来は、崖中腹にウミウの巣があることから。
TEL.0194-33-3248(田野畑村総合観光案内所)
お次は三陸鉄道までリアス式海岸の景勝を――見にいく前に、久慈駅構内の「リアス亭」で1日20食限定の「うに弁当」をゲット! お店の女将さんは、震災後ウニが品薄になるも、なんとかこの駅弁の販売を続けてきた。山吹色のウニをこれでもかと敷き詰めた弁当は、海の味と、郷土愛の味がした。
田野畑(たのはた)で降りたら、車で15分の北山崎へ。ここは、約8kmに渡るスリリングな断崖景勝地。高さ200mという都庁展望台とほぼ同じ高さの断崖に、足元がゾワーッとなる。北山崎では、海蝕洞窟のなかにもいけるサッパ船アドベンチャーズ(TEL.0194-37-1211。NPO法人 体験村・たのはたネットワーク)も。ワンピースよろしく、海洋冒険を満喫できるぞ!
帰りは、田野畑から岩手県北バスを使い、小本駅経由で宮古へ。6月現在、三陸鉄道の田野畑~小本間は運休中なので、事前にバスの時刻などを調べておこう。
文・構成=鈴木健太
写真協力=岩手県観光協会
※掲載されているデータは平成24年6月現在のものです。
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岩手県観光協会●TEL.019-651-0626
一戸町観光協会●TEL.0195-33-2111
二戸市観光協会●TEL.0195-23-3641
久慈市観光物産協会●TEL.0194-66-9200
田野畑村総合観光案内所●TEL.0194-33-3248