仙台駅から仙石線と石巻線に揺られること約2時間。港町・女川に到着する。松島海岸付近から朝日に輝く海と青松が車窓を彩り、“海列車気分”を満喫。終着・女川駅を降り立つと、港町特有の磯の香りに旅心が一層満たされる。
早速、話題の「カンカン穴釣り体験」に出発だ。空き缶に仕掛けを結び、桟橋に開いた穴に釣り糸を垂らすだけ。アタリのサインは缶の倒れた音なので、駅弁をほおばりながら“にわか太公望”になれるのだ。春の日差しにまどろんできたら温泉に向かおう。
「女川温泉ゆぽっぽ」は女川駅に隣接。カルシウム・ナトリウム塩化物泉のお湯は湯冷めしにくく、浴後はポッカポカだ。少しまったりしていると、地元のおばちゃんが笑顔で話しかけてきた。「お座敷列車いいよ~」「お座敷列車!?」。実は敷地にお座敷列車があって、休憩やカラオケに利用できるのだ。カラオケは1曲100円。生ビールでノドを潤しながら、さて何を歌おうか。
すっかりくつろいだところで再び石巻線に乗車、石巻へと向かう。石巻は『サイボーグ007』や『仮面ライダー』などの漫画で知られる石ノ森章太郎さんの故郷。駅から延びる「マンガロード」には様々な石ノ森キャラクターが隠れていて、それを探すだけでも面白い。もう気分は石ノ森ワールドが楽しめる「石ノ森萬画館」に向かっていたが、話題のご当地グルメ「石巻焼きそば」でランチ。セイロで二度蒸しした茶色い焼きそばは、モチモチとした食感で香ばしい。
石ノ森萬画館で石ノ森キャラクターに出会い、すっかり童心に帰ったら、再び石巻線で渡波(わたのは)駅へ。慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」へと向かった。今から約400年前、ヨーロッパへと渡った慶長使節の歴史などを展示。支倉常長らを乗せて太平洋を往復した木造帆船「サン・ファン・バウティスタ」の復元船は、その規模に圧倒される。
日も暮れてきて再び石巻へ。話題の夕食「金華御膳」で旅のクライマックスだ。和・洋・中の3コースがあって、クジラや金華サバなど石巻ならではの食材を使った美味なる競演に気分はセレブ! 18きっぷで浮いたお金でプチ贅沢を堪能したら、セレブな気分のまま仙台へと戻ろう。