『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
長い縁側が魅力的な「やまじょう」。縁側カフェは、農繁期の7月は不定期開催のため要問合せ。8・9月は、週末なら比較的対応してもらえることが多い。TEL.0553-44-1502または080-2066-0179
縁側カフェ「喫茶去」から望む山村風景。写真とは別の農家だが「やまいち」では、参加農家の中で唯一、自家畑の野菜を使ったランチ1500円を味わえる。ほかの5軒は特に料金設定が無いので、感謝の意を込め寸志を渡そう
「岩下温泉旅館旧館」は明治8年築の味わいある建物。28度の霊(冷)泉を源泉かけ流しにしたお風呂を男女各2つずつ、加熱したお風呂を各1つずつ備える。TEL.0553-22-2050。9:30~20:00、月曜休。立ち寄り入浴料400円
「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」では鉱山作業のひとつ「汰(ゆ)り分け」を30分間体験できる。採った砂金はその場で携帯ストラップなどに加工可能(別料金)。TEL.0556-36-0015。5月~9月は9:00~18:00、水曜休(祝日の場合は翌日)。観覧料500円、体験料600円、共通券1000円
夏は暑い……。そんなことは常識だと知りながら、やっぱり暑い……。涼しさが恋しい。今回は、甲斐国・山梨で冷泉やひんやりグルメに出会う旅へ向かおう。
まず下車したのは、勝沼ぶどう郷駅。駅南側に出て、全長約1367mの大日影(おおひかげ)トンネル遊歩道を歩く。このトンネル、明治36年から平成9年まで中央本線として使われていた大日影隧道(ずいどう)を整備したもの。涼しいトンネルの中で、建設当時から残るレンガ積みの壁やトンネルの歴史が紹介されたパネルを見学する。
トンネルを出ると、そこはブドウ畑の広がる深沢(ふかさ)地区。深沢では6軒の農家が週末を中心に縁側を開放し、お茶や自家野菜の漬物でもてなしをしてくれる「縁側カフェ」が開催されているので、ぜひ立ち寄りたい。築100年以上の民家「やまじょう」さんや、のだて体験(要予約)ができる「喫茶去(きっさこ)」さんなど、どの農家のもてなしも都会暮らしの人にとっては温かみを感じさせてくれるはず。
次の下車駅、春日居町から向かうは、源泉が1700年以上の歴史をもつという「岩下温泉旅館 旧館」。ここの自慢は28度という霊(冷)泉の源泉かけ流し。散策でほてった体には最高の立ち寄り湯なのだ。しかも、温泉成分の効果があるため、体が芯から冷えることはない。「ミネラル豊富で古くから飲泉としても親しまれてきました」とは若女将・宮本実佳さんの弁。
初日の宿をとる石和(いさわ)温泉で、挑戦したいのが7月20日~8月18日の水・木・土・日曜に開催される笛吹(ふえふき)川の鵜匠(うしょう)体験(要予約)。鵜匠が川に入り、鵜をあやつる徒歩鵜(かちう)といわれる独特の漁法を体験できるなんて、とっても貴重だ。
2日目は、「小作 甲府駅前店」で、少し早めの昼食を。冷たい「ほうとう」の麺に温かくて具沢山のツユをつけてすする「おざら」700円は、夏にぴったりの郷土食!
甲府駅からは進路を南に変え、身延線に乗車。お目当ては、信玄の隠し湯ともいわれる下部(しもべ)温泉だ。泉質は単純泉で、源泉は28~32度の冷泉と51度の新源泉があるため、初日と同じくこちらでも冷泉を満喫できる。湯上がり後は、甲州らしく「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」で砂金採り体験! 水槽の中から専用のパンニング皿を使って採取した砂金は持ち帰ることができたり、その場で携帯ストラップなどに加工(別料金)したりできるとあれば、血眼になるのは必至!? 湯之奥中山金山を再現したジオラマや鉱山道具、金鉱石などの展示もされているので、こちらもお見逃しなく。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 新宿発 | 8:54 | |
八王子着 | 9:43 | 途中下車して駅弁「201 系中央線卒業記念弁当」を購入 | |
八王子発 | 10:04 | 高尾で乗り換え | |
勝沼ぶどう郷着 | 11:38 | ひんやり涼しい大日影トンネル遊歩道を散策。縁側カフェでお茶をいただき、一服 | |
勝沼ぶどう郷発 | 16:12 | ||
春日居町着 | 16:33 | 徒歩20分の岩下温泉旅館 旧館に立ち寄り、冷泉に入浴 | |
春日居町発 | 18:41 | ||
石和温泉着 | 18:44 | タイミングが合えば笛吹川で鵜飼に挑戦! 石和温泉で一泊 | |
2日目 | 石和温泉発 | 10:31 | |
甲府着 | 10:43 | 小作 甲府駅前店で郷土食「おざら」を堪能 | |
甲府発 | 11:33 | 甲府でゆっくりしたい人は次の12:57発でもOK | |
下部温泉着 | 12:49 | 冷泉で有名な下部温泉で汗を流す。甲斐黄金村・湯之奥金山博物館では砂金採りにトライ! | |
下部温泉発 | 17:41 | 違う車窓風景を楽しむため、富士駅まで南下し、東海道本線経由で新宿を目指す | |
富士着 | 19:06 | ||
富士発 | 19:10 | 熱海、国府津で乗り換え | |
新宿着 | 21:58 |
8月31日まで1万2000個限定で販売の駅弁。掛け紙には今年10月で引退する「201系電車」の雄姿が! 中身も、車輪をイメージした丸い蓮根金平やホタテ煮、長野県産の野沢菜漬け、マスの信州味噌焼きなど中央本線のイメージや走行地域にちなんだもの。JR八王子駅やJR新宿駅などで販売。季節により内容が変わる可能性あり。1000円。
文:鈴木健太
写真協力: 縁側カフェ事務局、岩下温泉旅館、甲斐黄金村・湯之奥金山博物館
※掲載されているデータは平成22年7月現在のものです。