『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
平成18年オープンの浜のかきあげや。写真のかき揚げ丼以外に、釜あげのシラスと桜エビを秘伝のタレで食す由比どんぶり700円も2時間で売り切れるほど人気。TEL.054-376-0001。10:00~15:00、月曜・祝日の翌日休(桜エビ休漁期間は金・土・日曜のみ営業)
世界最高速度を記録したC62形式蒸気機関車、955形式新幹線試験電車、超電導リニアMLX01など計39両の実物車両を展示するリニア・鉄道館。TEL.050-3772-3910(JR東海)。10:00~17:30、火曜休(祝日の場合翌日)。1000円
湯谷温泉街の入口付近にある鳳液泉の足湯。適応症は主に神経痛や筋肉痛、関節痛など。隣の温泉スタンドでは源泉を100リットル100円で購入可能。TEL.0536-32-1578(湯谷温泉旅館組合・松風苑)。9:00~18:00、足湯無料
戦国時代に使われていた狼煙から発展したとされる手筒煙火。青春18きっぷ使用期間では、3月26日の中条神社春季例大祭や4月2日の篠田神社例祭で観賞できる。TEL.0533-89-2206(豊川市観光協会)。※写真は8月に行なわれる豊川手筒まつり
尾張三河の隠れた魅力を楽しもうと、乗り込んだのは東海道本線。名古屋へ行く前に、まずは由比駅で下車しよう。駅から徒歩5分の由比漁港内にある「浜のかきあげや」は、3月下旬から春漁が始まる桜エビをたっぷり使った、かき揚げ丼700円が大人気だ。カリカリの衣を頬張れば、ジュワーっと広がる桜エビの甘みと旨みにノックアウト!
腹を満たし、浜名湖を越え、いよいよやって来たのがこの旅の本命・尾張名古屋。こちらには、かなり気になる2つの新名所がある。一つ目は3月14日オープンの「リニア・鉄道館」。超伝導リニアMLX01をはじめ計39の車両が展示されており、そのほとんどが中を見学可能だ。N700系の新幹線運転と313系の在来線車掌という2台の実物大シミュレータには、パパも子どもも大興奮(各500円。入館時にもらう抽選券で抽選)。また、精緻な鉄道ジオラマも見逃せない。
二つ目は3月19日にオープンの「名古屋市科学館 新館」だ。目玉は直径35mという世界最大級のプラネタリウム。高解像度プロジェクター6機を使って、プラネタリウムに動画を組み合わせるという特殊演出がウリで、気分はまるで宇宙遊泳しているかのよう。
名古屋を楽しみ尽くしたら、東海道本線、飯田線を乗り継ぎ、天竜奥三河国定公園の南端に位置する湯谷(ゆや)温泉へ。湯谷温泉は、鳳来寺を開いた利修(りしゅう)仙人が大宝三年(703)に発見したとされる鳳液泉を源泉としており、日本百名湯にも選ばれた名湯。さらさらとしたナトリウム・カルシウム-塩化物泉の湯で旅の疲れをとる。
2日目午前は、湯谷温泉街散策をした後、鳳液泉の足湯に浸かり、長篠城駅へ移動。長篠城は織田・徳川の連合軍と武田軍による長篠の戦い・設楽原の決戦の舞台のひとつで、歴史上重要な意味をもつ場所。現在、遺構はほとんど残っていないが、空堀や土塁、長篠城址史跡保存館の展示資料で、当時を偲ぶことができる。
小腹が空いたら豊川駅へ移動し、昨年のB-1グランプリ初参戦にて堂々の6位となった豊川いなり寿司を味わおう。中にはウナギやエビの入った個性派も!
時間が許せば(もしくは初日の旅程に組み込み)、戦国時代の狼煙(のろし)に端を発する手筒煙火(えんか)を観賞したい。揚げ手が脇に抱えた直径10cm、長さ70cmほどの手筒から、火柱が豪快に吹き上がる様は勇壮麗美の一言。青春18きっぷの期間なら、JR牛久保駅から向かう中条神社春季例大祭か、JR三河一宮駅から向かう篠田神社例祭で観賞可能だ。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 品川発 | 7:02 | 平塚、熱海で乗り換え |
由比着 | 9:45 | 3月中旬から漁が解禁となるシラスと、3月下旬から春漁が始まった桜エビを、「浜のかきあげや」などで楽しむ | |
由比発 | 11:29 | 静岡、浜松、豊橋で乗り換え | |
名古屋着 | 14:57 | あおなみ線を使い3月14日オープンの「リニア・鉄道館」か、地下鉄を使って3月19日に世界最大のプラネタリウムがオープンする「名古屋市科学館」にGO! | |
名古屋発 | 18:38 | 豊橋で乗り換え | |
湯谷温泉着 | 21:03 | 湯谷温泉で一泊 | |
2日目 | 湯谷温泉発 | 10:01 | 朝は湯谷温泉の源泉・鳳液泉を使った足湯で温まる |
長篠城着 | 10:14 | 日本百名城の長篠城址や、長篠城址史跡保存館を訪ねる。3月下旬は河津桜が見頃に | |
長篠城発 | 12:28 | ||
豊川着 | 13:02 | 昼食に「豊川いなり寿司」を味わう。開催日が合えば、少し足を延ばし、各祭りで行なわれる手筒煙火を見にいこう! 名鉄豊川線で諏訪町駅まで足を延ばし、佐奈川の菜の花と桜(見頃は3月下旬~4月上旬)を観賞するのも◎ | |
豊川発 | 16:58 | 豊橋、浜松、熱海で乗り換え | |
品川着 | 22:21 |
ともに、例年3月下旬~4月中旬に見頃を迎える、佐奈川の菜の花と桜。約780本のソメイヨシノが見せる淡いピンクと、菜の花の鮮やかな黄色の競演が美しい。開運橋や荒古橋から北側を望むと、よりきれいに見える。名鉄豊川線諏訪町駅から徒歩15分。TEL.0533-89-2206(豊川市観光協会)
文:鈴木健太
写真協力:由比港漁業協同組合、JR東海、新城市観光協会、豊川市観光協会
※掲載されているデータは平成23年3月現在のものです。